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色鉛筆での作品制作過程を紹介

今回は、私が絵を描く過程を写真で紹介します。

アドバイスやチュートリアルを意図したものではありません。私の個人的な絵に対する姿勢は、「絵を描くのに正しい方法、間違った方法はない。あるのは自己流のみ!」というものなので、この記事を読んでくださったら、役に立ちそうなところは取り入れ、ダメだと思うところは温かい目で見過ごしていただければと思います。助言などがあれば...いつか取り入れるかも??

使用するのはプリズマカラー(現カリスマカラー)色鉛筆。36色を購入した後10本くらい買い足しました。紙は、アピカ社の「紳士なノート」です。スケッチブックではありませんが、表面がさらさらしていて、色鉛筆の色がよく混ざります(ケント紙みたいな質感)。サイズはA5(およそ15×20cm)、下書きから完成までは2時間半くらいでした。参考にしたのはPinterestで見つけた写真です。静物画は、自分で対象物を用意する場合もありますが、今回のように、色をじっくり見て再現したい場合、写真を使う場合が多いです。トレースや色ピッカーといったテクノロジーは使いません。

完成図

描き始める前に、「フォーカス」を決めます。なぜその絵を描きたいのか、その絵のどこを強調したいのかを決めます。このような写真を絵にする際、「できるだけ写真とそっくりに」描くことを目指すリアル絵画家さんが多くいますが、私はそのレベルを早々に諦め、むしろ何か1つ、「これぞ独特な絵!」と言わせる特徴を強調することを目標にしています。今回は、グラスの影の光が集まった箇所の色合い、氷のつるつる具合をどこまで表現できるか挑戦することにしました。

下描き

普通の鉛筆


下描きはたいてい適当です。これは、描き進めるにつれて狂いが致命的になるので、もうちょっと上達したいところですが、色を塗りたい気持ちがはやり、たいてい見切り発車になります。今回は単純な形なので大丈夫かな...と、やはりいい加減なまま色塗りに入りましたが、グラスのパースや模様がかなり狂ったまま完成まで突っ走ってしまいました。

影を付ける

濃い紫で


この過程は、ちょっと変わってると思いますが、まず、暗い部分を特定の色で塗ります。たいていは紫や、深緑を使います。この段階を加えることで、完成時の光と影の配分が分かり、塗り重ねる際の色が決めやすくなると思っています。消しゴムで消すことができるよう、筆圧は弱めです。また、背景も先に塗ることが多いです。一番白いところ(ガラスの光が当たる部分と、グラスの影の中央)を目立たせたいので、背景も塗ることが多いです。とりあえず水色、ピンク、黄緑、黄色などで塗って、後から対象物の色とのバランスを取りながらより強い色を塗り重ねていきます。(今回は対象物がオレンジっぽかったので、対照的な水色を使用)。

好きなところから塗っていく

なぜか影から…

塗る順序というのは、明るいところからとか暗いところからとか、上からとか下からとか、一切決まっていません。描く前から決まっていた「フォーカス」部分から始めることが多いです。グラスの影の、黒とオレンジがもやもや混ざっている感じを一番描きたくて、時間をかけて工夫しました。黒とオレンジ...と言いましたが、黒は使用していません。紫、濃い赤、茶色、ピンク、緑、青など、10色以上を動員して、気に入った色になるまで塗り重ねます。これができるので、プリズマカラーのような芯の柔らかい、色同士がよく混ざる色鉛筆が一番使いやすいです(オイルパステルも同じ理由で好き)。写真そっくりな色を、正確な位置に置くのではなく、写真から受け取った雰囲気を、持っている色でどれだけ再構築できるかが、私にとっての色塗りの醍醐味です。写真の中に緑が見えなくても、自分の絵の中で違和感なく影を表す役割をはたしていればガンガン使います。

影の部分拡大

見ての通り、細部は雑です。光は、後で白いペンなどでもっと強調しようと思っていましたが、忘れました。

出来そうなところを、行ったり来たり

とりあえず氷でも…

一番表現したかった部分を塗ってしまうと、後は苦しい過程になってきます。ここはできそう、と思った箇所から手を付け、息詰まったら他の場所を塗り、全体を見ながら気に入らないところに戻ってまた手を入れる...という感じです。氷の感じは、暗い色と明るい色を隣り合わせでコントラストを際立たせることでツルツル感を出したかったので、深い水色の影の隣にピンクの薄い色を置いたりと、工夫しています。常に考えるのは、なるべく見たままの色(オレンジ、茶色、etc....)を使うのではなく、黄緑や薄紫といった奇抜な色をさりげなく(これが難しい)入れることで、注意をひくような部分を作るようにするところです。


グラスの拡大図


このように近くで見ると、雑なんですよね。色鉛筆は、完璧に仕上げるまで永遠に時間をかけられますが、私はたいてい飽きてしまうので、自分で満足するレベルに行くと、そこで終了です。ただその前に、休憩を入れた後で遠くから見てみたり、使っていた色鉛筆をすべてケースに戻して、新たな色を選びなおしたりして、手を加えていきます。カットグラスの質感などぜんぜん出せていませんが、グラスの中の液体が光を通す感じがよくできていたので、これ以上いじりたくないな...と、とりあえず終了にしました。

できた絵は、写真に撮ってインスタグラムに挙げます。その際、フィルタ機能で明るさやコントラストをちょっと強めにすると、雰囲気が変わるので、アップロードの瞬間も楽しみの一つです。

ここまで、色鉛筆を使った、絵ができるまでの過程をざっと紹介しました。将来的\には、動画にも記録したいと思います。参考になれば...などと偉そうに言える立場ではありませんが、楽しんで読んでいただければ幸いです。

プリズマカラーは、こういった画風にぴったり。

紳士なノートは色鉛筆と相性がいい...と思う。


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