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風俗嬢、港区OLになる。

お久しぶりです、テデシコル・オミキです。
実はひっそりと風俗のお仕事を卒業し、今まで住んでいた所も離れ、大都会TOKYOで生活を始めました。

別に、風俗のお仕事でちゃんと安定した生活は出来ているし、現状の暮らしに何の問題もなかったのだが。私ももう30代後半、そろそろ職歴の空白期間が気になってきた。いくら若い頃にバリバリ営業をやって成果を上げた過去があるからと言って、職歴の空白がこれ以上空いてしまったら、それこそ再就職なんて無理になってしまう。するとどうなる、50代になって、風俗ですら働けなくなって、本当に路頭に迷う事になる。そうなる前に何とか手を打たなければ。貯金も目標金額はとっくに到達したし、変わるなら今だ。

そう思ったらその後の行動は私はものすごく早い。まずその日のうちに派遣会社に登録をして、面談の日取りを決めた。ハローワークに行って正社員の仕事をゆっくり探して…よりは、一日でも早く仕事を決めて職歴の空白を埋めたい。それからゆっくり経験を積んで、正社員の仕事を見つけて…の方が確実だと考えた。
そして、その次の日は不動産会社にアポを取った。夜の仕事しかしていない私の東京で就職する為の最難関は、家を借りる事だ。元不動産営業の私は、無職が家を借りる事がいかに難しいかを知っている。多少初期費用は高額になってもいい、夜職歓迎の不動産会社にいくつかアポを取り、審査に何度か落ちたりしながらも、一週間程度で家は決まった。
歯車が動き出すとあっという間だ。そのさらに一週間後には港区の企業で派遣の面接が決まり、面接当日の夕方には採用の連絡が来た。

こうして私は、昨年9月から晴れて港区OLとなった。田舎で生まれ育った女がいきなり港区OLである。怖い。

地元から都内まで日帰り出来るくらいの距離にあった為、都内に慣れていない訳ではなかった。しかし、いつも遊びに行くのは新宿や下北沢、高円寺あたりだ。港区なんてアウェイすぎるし、貧乏くさい服装で歩いていたらきっと射殺される(すごい偏見)。
しかも、私の働く事になる職場は女性ばかり10数人のチーム、そんな女の園なんて絶対にギスギスしているし、港区OLなんて絶対にマウント合戦じゃないか。そんな職場で久しぶりの昼職、私…やっていけるの…?初出勤の日まで私は不安で不安で仕方がなかった。

しかし、そんな不安は杞憂に終わった。私が働く職場の港区OLたちは、皆様優しく穏やかで、裏表なんか全くなく、マウント合戦も一切無かった。

港区OLたちは、きっとプライベートで忙しい。習い事、デート、推し活、皆様様々な事でとても楽しく過ごしていて、きっと職場でイジメをしたり、マウントを取ったり、そんな事をしている暇なんてないのだろう。仕事の合間や退勤後に楽しくお話をしたりはするけれど、プライベートまで突っ込みすぎないし、業務後の面倒なお付き合いもない。だからと言って仲が悪い訳ではない。すごくさっぱりしていて過ごしやすい。

通勤ラッシュの満員電車は毎日辛いし、業務量が多く毎日注意されたりしながらも、なんとか楽しくやれている。不安だらけだったが、意外とすんなりと適応出来てしまった。

そして長年友達だった、優しく真面目な男性とお付き合いもして、いつの間にか一年近く経った。彼のお陰で毎日メンタルが安定し、病むことが全くない。大切にされる喜びを噛み締めている。今年中に同棲を始めて、来年には籍を入れる予定だ。

私の旅も、そろそろ終わりを迎えそうである。


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