マガジンのカバー画像

リベカのアドベント

31
リベカがアドベントの季節に体験した、少し不思議で楽しい物語をお届けします。  さあ、真っ赤なコートをはおって、息を弾ませてリベカが駆けてきます。辺りは一面、雪に覆われて真っ白です…
運営しているクリエイター

#赤いコート

リベカのアドベント 予告

クリスマスおめでとう! 今年のアドベントの季節に、「リベカのアドベント」という物語をお届けします。 12/1〜クリスマスの日まで、毎日更新されます(11/30にプロローグを投稿します)。今年のアドベントのはじまりは、正確には12/2ですが、アドベントカレンダーの多くは12/1からなので、それにならいます。 初出は2009年のアドベントの季節。同じようにwebで公開されました。その後、iPhoneアプリを作成し(現在非公開)、その時に英語版が同梱されました。ですので、今回の

リベカのアドベント プロローグ

 女の子の名前はリベカといいました。  とても素敵な名前です。  リベカの両親は、意味の深い名前から選んで彼女に付けました。そのことについてはまた後ほど、お話しましょう。  これから、女の子主人公リベカがアドベントの季節に体験した、少し不思議で楽しい物語をお届けします。  さあ、真っ赤なコートをはおって、息を弾ませてリベカが駆けてきます。辺りは一面、雪に覆われて真っ白です。  リベカのコートがよく目立っています。 ***** Her name was Rebecca, s

リベカのアドベント -1日目-

「コウジ、待って!」  リベカが呼んだコウジはリベカより少しだけ背が高くて眼鏡をかけている男の子です。 「何だよ、リベカ」 「クリスマスギフト!」  リベカはニヤリとして、雪玉をコウジのコートの背中に突っ込みました。 「ひやっあ、、、」  情けない声を出して首をすくめるコウジを見て、リベカは笑ってこう言いました。 「さよなら、コウジ。素敵なクリスマスを!」  そんなリベカの様子を見ている鳥がいました。それは、まったくフクロウのようでしたが、よく考えて! フクロウはお昼間は森の

リベカのアドベント -3日目-

 フクロウのような姿の天の使いは、唐突にリベカの元へやってきました。 「こんにちは。リベカ」  それは、学校からの帰り道のことでした。リベカが今日の算数の授業のことを反すうして、ピエール先生のおひげはいつも素敵だなあ、フランスパンを乗せているあの芸術家さんみたいだなあと考えていたところでしたので、とっさにこんな風に返事をしたのです。 「こんにちは、おヒゲのないフクロウさん」  フクロウのような姿の天の使いは、びっくりした様子のないリベカを見て少し驚いて首を横に回しました。 「

リベカのアドベント -7日目-

 リベカは、昨日の日曜学校の先生の言葉をずっと反すうしていました。  めずらしく、学校の授業中もぼんやりとしていました。 「リベカさん。次のページを音読してください」  慌てたリベカは、彼女がいつも着ているコートのように真っ赤になって立ち尽くしています。隣の席のコウジは、嫌みのように笑いましたが、すぐにここだよ、と教えてくれました。  リベカはその日、一日中ぼんやりとしていました。 ***** Rebecca was reflecting on what her Sund