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2023年5月の記事一覧
【spin a yarn】
ただただ遊んでいるだけの妖精を見ていると蜜蜂の社会を思い出すけれど、それとは違っている。若い個体があまり働かないので人の社会に近いのかもしれない。若い個体の方が姿を現している時間が長い。私の知る妖精は霊であること。そのことが理解を難しくしている。
【spin a yarn】
星を運び、立ち止まる
星に口づけをする
星は、やんわりとまたたき
眠りに落ちる
妖精は胸いっぱいに抱えた星を工房に運ぶ
眠ったまま砕かれ、星は
また妖精の手に運ばれ
病んだ人の体を束の間、照らす
【spin a yarn】
駆けてゆく妖精を目の端で追う。自由に踊り、時々消え、気づけば空を舞っている。鳥に気をつけて、と声をかけると、姿を消し、そして現れ、手を振る。私は、姿を消した妖精にぶつかることはあるだろうかと考える。虫がぶつかるほどではないにしろ、あったと思う。
【spin a yarn】
妖精から甘い匂いがするのでそう言うと、しまった、という顔をする。人の甘いお菓子を盗んで食べたの。私はお菓子を食べる時、ほんの少しの間、その場を去る。その隙にお菓子が取られていたらいいなあ、と。クッキーが少し欠けている時に言うフレーズを考えたい。