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「自分のために生きること」にまっすぐになろう。 『地球星人』 - 村田沙耶香

伝えたいこと

「自分のために生きること」にまっすぐになろう!!

2種類の意味で道具だ。

1. 勉強して、働く道具になること
2. 女の子として生殖器になること

地球星人の目を手に入れたい。地球星人になれたら楽なのに。違和感や疑問を抱いたりせず過ごせたらずっと楽。工場で役立つ道具になり、地球星人としての成功を手に入れるために努力し競い合う方がずっと簡単なのかも。とはいえ、地球星人も過酷だ。気深くクロマニョン人と言われる姉。仕事先でクラッシュボンバーと言われる母。子供のセックスには取り乱すのに、大人がセックスしないとおかしいと言う。

<なにがあっても生き延びること>

どうやって、生き延びればいいのだろうか。純粋で切実だから怖さも恐ろしさも清々しい作品だ。私たちそれぞれの暗闇に対してまっすぐ手を伸ばす登場人物による作品だった。生きるために空っぽにならなくては。

家族の監視から逃れるために、すり抜けドットコムで性行為なし、子供なし、婚姻届ありの条件で夫と結婚した。

工場と宇宙人

夫と私は「ちゃんと洗脳してもらえなかった人」だった。みんな「工場」を信じ、洗脳され従っている。宇宙人の目がダウンロードされた。それは誰もが持っている。普段はよく見えないだけ。宇宙人でいるのは孤独だった。地球星人が私を洗脳してくれることを心から願った。

男は労働を、女は出産を。みんな世界から喋らされているようだ。みんな恋に憧れ、それに見合う男女になるよう努力している。それが中高生くらいから一斉に起こることが気持ち悪かった。恋愛してセックスすべきで、していないと、寂しい、つまらない、後で後悔をする、とされてしまう。それは指導に近かった。恋愛の素晴らしさ、人間を生産すること、母になる素晴らしさを一生懸命、宣伝している。

そろそろ子供考える頃だもんね。結婚しているのにセックスしないのはどうかしている。子作りしないのどうかしている。

わかってくれる人に出会えることが奇跡だった。




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