フォローしませんか?
シェア
TechpanCreate
2024年6月14日 13:36
「待ってー、広葉くーん♪」「待たないし!今日は帰って修行しなきゃだし!」「キャー、照れてるー♪」「かわいいー♪」「か、かわいいとか言うなし!」黒髪と、湧水のように澄んだ瞳を持つ小柄な少年を、上級生と思しきセーラー服の少女数人が追いかけ回すのを見て、厚柿中学一年生の少年二人組…新聞部の部長・小林小太郎とバスケ部所属・日折司輝は怪訝な顔をした。上級生の女子達に追い回されているのは、小太郎
2024年5月9日 20:56
「くぁあ」小林小太郎は、欠伸をしながら新聞部の部室に向かって歩いていた。近頃はスクープに繋がるような大きな事件も起きておらず、校内新聞に掲載する記事も当たり障りの無い内容のものばかりだ。平和な事は決して悪い兆候では無いが、小太郎は少しばかり退屈さを覚えていた。(コーヒーでも飲むかな)小太郎は、校舎の出入り口付近にあるフリースペースに歩みを進める。昼休みともなると、このフリースペース
2024年3月23日 19:39
とある秋の日曜日。「そんな、困ります…」神奈川県・厚柿市の商店街の一角で、ひとりの少女が狼狽えていた。肩までの長さの黒髪を控えめなツインテールに結び、サクランボを思わしむる赤い飾りがついたヘアゴムで括っている。服装は流行りの秋服。そして楚々とした顔には、赤いフレームの眼鏡。少女の名は高遠咲。厚柿市最大の名門校・私立厚柿学園の3年生。楚々とした容姿に違わぬ文学少女である。そんな彼