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【小説】風にならないか【ついなちゃん二次創作】
此処は天下の険、箱根・足柄峠。
金色のススキの穂が峠を荒ぶ風に煽られ、波のようにうねる。
その峠道を突っ走る大型バイクが一台。
ハーレーダビッドソンを大幅にデチューンした変わった外観のバイクで、サイドカーが装備されている。
運転するのはどうやら女性らしい。目深に被ったヘルメットの隙間から美しい黒髪が覗く。
そして、サイドカーの座席に必死に獅噛みついているのもまた女性のようだった。まだ少女と言
【小説】おめでとう【ついなちゃん二次創作】
神奈川県・厚柿市 。
とある大きな邸宅。
玄関のネームプレートには【風花】の文字。
此処は、厚柿市でもそこそこ名が通った良家・風花家の邸宅。
その客間では、風花家の子女・風花ゆきの親友の誕生日を寿ぐパーティーが開催されていた。
パァン
パァン
クラッカーが景気良く鳴らされる。
「ついなちゃん、お誕生日おめでとう!」
「えへへ…おおきにやで」
ゆき始め、参加者の少年少女に祝福されて、本
【小説】深窓の令嬢【ついなちゃん二次創作】
時空を跨ぎ次元を跨ぎ、悪しき魑魅魍魎を払う若き辟邪の神格、方相氏・追儺はその日、妖怪退治の合間を縫ってとある並行世界に来ていた。
「この世界の"ウチ"は何処に居るのかいな」
空の一角から、追儺はあちこちを小手を翳して見回す。
その時、追儺の視界にあるものが写った。それは、イギリスとかオーストリア辺りにありそうな大きな豪邸だった。
(ほう、この世界の日本には随分景気の良い家柄があるもんやな)
【小説】五平餅【ついなちゃん二次創作】
神奈川県・厚柿市の一角にある、一見普通の雑居ビル様の建物。
その建物内では、謎の秘密結社【狐面党】が日々の野望の為に密かに活動している…と思われるのだが、とてもそうは見えない長閑な空気がその一角には漂っていた。
「戻ったよ、ただいま」
まるで白い狐を思わせる銀髪金晴の美女…狐面党三幹部筆頭・八蜂鞠ククリが、両手に沢山のエコバッグを抱えて建物内に至る。
「クーちゃん、おかえり」
買い物帰りの
【小説】並行世界【ついなちゃん二次創作】
20XX年、晩秋。
神奈川県・厚柿市の住宅街。
白い壁も眩しい一軒家の玄関先を、箒で優しく掃いている女性が居る。
白玉のように透き通るような肌と琥珀色の瞳、腰まで伸ばした真珠色の髪をうなじ辺りでシュシュで結び、身につけているのはデニム地のYシャツにジーンズ、かわいらしい熊のアップリケがついたピンクのエプロン。
その頬は血色良き故にかほんのり赤く、表情は穏やかだ。
彼女の名は渡部ついな。
旧姓・
【小説】証【ついなちゃん二次創作】
神奈川県・厚柿市のとある場所。
「あいててて…後鬼、傷の手当てを頼むわ」
「承知しました。先ずは戦装束を脱いで下さい」
赤と黒と橙色の戦装束を身に着けた真珠色の髪の少女…現代に生きるゴーストバスター【方相氏 】・役ついなが、背が高く豊かな髪と肢体を備えた女の鬼…ついなの式神・後鬼に傷の手当てを頼んでいる。
良く見るとその戦装束はあちこちが裂けている。特に背中側が酷い。当然その背には縦横無尽に引
【小説】One day in spring【ついなちゃん二次創作】
神奈川県・厚柿市。
住宅街の一角、白い壁も眩しい一軒家。
そのリヴィングでは、一軒家に住まう家族とその旧友が、差し向かいでソファに座り談笑していた。
「何年振りやろね、こうしてお茶しながら会話するの」
穏やかに微笑みながらルイボスティーをティーカップに注ぐのは、腰まで伸ばした真珠色の髪をうなじ辺りでシュシュで縛り、清潔そうな白いYシャツにジーンズを身に着けた琥珀色の瞳の淑女…渡部ついな。旧姓・