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骨髄移植について

▶ドナー登録条件

  • 骨髄・末梢血幹細胞の提供の内容を十分に理解している方

  • 年齢が18歳以上、54歳以下で健康状態が良好な方

  • 体重が男性45kg以上/女性40kg以上の方

<登録についての詳細はコチラを>

上記条件に基づいて、提供に向けて手続きが進んでいる場合を除き、満55歳の誕生日で登録取り消しになってしまいます。実際に移植する話まで進んだこともあったのですが患者さんが提供前に症状悪化してお亡くなりになられてしまい手続き終了となったのと、もう1件は他のドナー候補さんのほうが条件的に合致したのでキャンセルとなったのと、で2回とも提供出来ないまま登録取り消しになってしまいそうで、生きてる間に誰かの生きる力になりたかったな…って気持ちでいっぱいです。


▶造血幹細胞とは

造血幹細胞とは赤血球・白血球・血小板のもとになる細胞のことです。造血幹細胞が骨の中心部にある骨髄という組織の中で盛んに細胞分裂をして、赤血球・白血球・血小板がつくられます。造血幹細胞は、赤血球・白血球・血小板に成長する性質と、細胞分裂によって自らと同じ細胞を増やして数を維持する性質とを兼ね備えています。


▶骨髄移植を待っている人数

白血病などの病気は毎年6,000人ぐらい発病し、そのうち約2,500人が骨髄移植を望んでいます。 この中で骨髄バンクを通じて移植を待っている人は年間1,500人程度と予想されます。

▶骨髄移植で型が合う確率

骨髄移植をするには、患者と提供者のHLA(白血球の型)が適合しなければなりません。 HLA型の適合率は兄弟姉妹で4人に1人(25%)と言われており血縁関係がないと数百人から数万人に1人の確率とされています。

▶HLA型とは?

赤血球にはA型、B型、AB型、O型の血液型がありますが、同様に白血球をはじめとする全身の細胞にはヒト白血球抗原(HLA:Human Leukocyte Antigen)と言われる型があり移植には患者さんとドナーさんのHLA型の一致する割合が関係してきます。
造血幹細胞移植ではHLA型のA座、B座、C座、DR座という4座(x2で8抗原)の一致する割合が重要だとされています。4座は各々数十種類存在します。HLA型は両親から各座半分ずつを遺伝的に受け継ぐため兄弟姉妹の間ではHLA型が完全にあったドナーが4分の1の確率で見つかりますが多くの患者さんは家族内にHLA型が適合するドナーを持っていません。

▶HLA型の遺伝

例えば下図のように
・父親
 【A座24、B座52、C座12、DR座15】
  【A座33、B座44、C座14、DR座13】
・母親
 【A座02、B座46、C座01、DR座08】
  【A座11、B座62、C座04、DR座04】
のHLA型を持つ両親から生まれる子供のHLA型は
4種類のいずれかになります。

赤血球の型(血液型)が遺伝するのと同じシステムですね。(下図)

Ao型の父とBo型の母から生まれる子供の血液型パターンの例



▶骨髄移植しない場合(白血病)

抗がん剤で治る白血病であれば移植治療は必要ありません。 しかし白血病が治らない状況にあれば長期的に生きることが難しくなってしまいます

▶移植後の生存率

血縁者間骨髄移植の成績は極めて良好で移植後5年生存率は90%以上です。 非血縁者間さい帯血移植の場合、移植後5年生存率は約75%です。

▶移植後の治癒率

急性白血病の寛解状態の患者さんで、病気の状態の良い標準リスクの患者さんでは移植により約 50〜60%が治癒しておりますが約 30~40%の患者さんでは白血病が再発します。

▶骨髄移植の費用

骨髄移植/自家末梢血幹細胞移植は健康保険が適応されます。 移植前後の 1 ヶ月の間は保険請求(全額負担)で平均400~500万です。

▶移植の種類

  1. 骨髄移植

  2. 末梢血幹細胞移植

  3. 臍帯血移植

各々採取方法が異なり、メリット/デメリットがあります。

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