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ヴェネツィアンマスク

ヴェネツィアのカーニバルの歴史はとっても古く11世紀頃にまで遡ると言われているそうです。当時ヴェネツィア共和国は東ローマ帝国分割で莫大な利益を獲得し政治的にも地中海地域でヨーロッパ最大の勢力をほこるようなり、ヴェネツィア共和国が地中海の富を独占状態になるようになると、カーニバルもいっそう大がかりなものになっていきました。

人々は思い思いの、仮面をつけて騒ぎ、享楽の限りを尽くし、広場には人々が溢れ、カーニバルを楽しみました。また、いくつもの小屋や舞台が建ち並び、芝居や音楽、舞踏会が頻繁に行われたそうです。

更にカーニバルが最も隆盛を極め華やかだったのは18世紀。莫大な富を背景にカーニバルはスペクタクル的な要素も加えられ華麗でゴージャスな祝祭としてヨーロッパ中に知れ渡りました。狭いところに多くの人々が暮らすヴェネツィアでは素性を隠す道具として仮面が古くから使われてきました。

カーニバルの期間中、人々は誰もが仮面をかけて仮装をし、身分や階級、年齢を超えて、平等にカーニバルを楽しむことが許されていたのです。仮面は素性を隠すためだけでなく、日頃抑えられていた欲望を解放させる役割を果たしていました。ヴェネツィアの人々は仮面で素顔を隠すことにより自由を得て快楽に酔いしれることが出来たのです。

現在、ヴェネツィア・カーニバルには約300万人の人々が来訪する行事となり、ベネチアは再びカーニバルの街として世界に知られるようになったのです。

ヴェネツィアには約120軒もの仮面の店があります。1979年のカーニバルが復活してからは仮面は観光都市ヴェネツィアの顔となりました。ヴェネツィアングラスとともに最高のお土産として評価されているのです。


ちなみにヴェネチアンマスクは大きく分けて以下の2種類となります。

<アイマスク>
主に目の周りの部分のみを覆う仮面で喜劇役者の女優ためにデザインされたと云われる“Columbina”というタイプの仮面です。

<フルマスク>
ヴェネチアのカーニバルで一番多く着用されるのが“Volto (Larva)”、そして、その昔貴族の間で流行したという“Bauta”いう2タイプです。“Volto (Larva)”には幽霊という意味があり白い色のものが多く見られます。“Bauta”は付けたまま飲食ができるよう口周りが広がったデザインになっています。

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