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【材料】

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東洋の美術作品に使われている材料や、関連する内容を紹介します。
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#日本画

【材料】虫から抽出する赤 コチニールカイガラムシ

 今回は、虫由来の赤色染料 コチニールです。顔料化したものは、日本画絵具店で販売されてい…

【材料】墨  膠文化研究会公開研究会「膠 玄と色」

 前回のnoteで文房四宝(筆墨硯紙)のうち「筆」について取り上げましたので、今回は「墨」に…

【材料】「膠を旅する――表現をつなぐ文化の源流」

 昨年、武蔵野美術大学美術館・図書館で開催された「膠を旅する――表現をつなぐ文化の源流」…

【文化財】「ヨーロッパ古典絵画の輝き―模写に見る技法と表現」茅ヶ崎市美術館

 神奈川県湘南の茅ヶ崎にやって来ました。鎌倉・藤沢・逗子・葉山も近い人気観光地です。  …

【技法・材料】藤岡雅人先生の「日本画の絵具学」講座

 絵画の命は、色材といっても過言ではないでしょう。日本画の色材には、飛鳥天平時代、あるい…

【材料】『延喜式』研究に役立つサイト

 平安時代に編纂された法制書『延喜式』は、日本の古代を知る基本史料です。日本絵画の材料の…

【材料】松田壽男『古代の朱』

 先日、東洋史家・松田壽男氏の著書『古代の朱』を手にした。そのタイトルに強くロマンを掻き立てられたからである。  本書は、水銀とその原料である辰砂の背景にある壮大な文脈を紐解く、他に類を見ない著作である。  水銀に関する歴史研究は、松田氏以前は全く未開拓の領域。古代史に通じた江戸時代の国学者たちも、水銀に関する和歌の解釈に難儀した。その理由は、古代と現代とがあまりにも時間的に隔絶されており、数少ない記録も扱いが大変困難だからである。  松田氏は戦後の大規模な土地開発を絶好

【材料】多田銅山の群青・緑青

 絵画や仏像、建造物を彩る群青・緑青は、それぞれ藍銅鉱(Azurite)・孔雀石(Malachite)と…