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2023年3月にプレイして面白かったゲーム

いよいよ3度目ともなると義務的に「書かなきゃ」という気持ちも出てきてしまっている気がする。でも実際ゲームはやっているので書く。

『SANABI』

ワイヤーアクションが肝の2Dアクションゲーム。まだ未完成で、アーリーアクセス版を遊んだ。
とにかくアクションが気持ちいい。ワイヤーを駆使してぶら下がり、足場を飛び回るのはとても楽しいし、敵との距離を一気に詰めて息の根を止めるアクションも良い。不便なのが良さのゲームもあるが、この作品はどちらかといえば主人公の最強な機動力を駆使して無双するのが楽しいゲームだ。
また、グラフィックも非常に美しい。かなり高精細なドット絵で、サイバーパンクな世界がリッチに描かれている。
ストーリーも、未完ではあるが、娘を失った無口な主人公とハッカーの少女が少しずつ打ち解けていく流れは王道ながらかなり良いと思った。


『カプコンファイティングコレクション』

スト2をはじめとするカプコン製の格ゲーを多数収録したタイトル。
目当ては、吸血鬼やサキュバスなどの人外がプレイアブルキャラのほとんどを占めるのが特徴の『ヴァンパイア』シリーズである。特にレイレイとフェリシアが気になってた。
対人戦が苦手な自分としては、格ゲーの魅力はキャラクターを動かすことそれ自体の楽しさがかなり大きいと思っている。実際ブレイブルーとかギルティギアはそこら辺を求めて遊んでいるところがあるし。その点で『ヴァンパイアセイヴァー』は素晴らしかった。先述のキャラ含め、みんな魅力たっぷりに動く。一応ドット絵を描いている身としても惚れ惚れするようなアニメの数々だ。
もちろんゲームとしてもかなり楽しい。少し古いゲームなのもあってコマンドは最近のものと比べても比較的入力しづらいものも多いのだが、簡単に必殺技が出せるボタンも用意してあって、ただアーケードモードを気持ちよく遊びたいだけの自分のようなプレイヤーにとっては重宝した。

遊ぶ前は聞いたこともなかったが、『ポケットファイター』もなんか良かった。ゆるいクロスオーバー作品で、頭身激低のキャラで緩く戦えるのが楽しい。アイテム集めなどの要素もあって、遊ぼうと思えば結構遊べそうだ。


『Jump King』

あの『Getting Over It』(通称壺おじ)の流れを汲んでいることを隠そうともしない2Dアクションで、縦スクロールでどんどん上へと登っていく形となっている。配信界隈ではそれなりに名が知れているらしい。ちなみに主人公が上へと登る理由は「ピッチピチのギャルに会うため」である。潔い。
この作品の特徴は、「ジャンプボタンを押す長さでジャンプの高さが変わる」ということと、「一度宙に浮いたら空中での制御が一切効かない」ということだ。ゲームセンターCXで挑戦していた『アトランチスの謎』に近い感じ。このシステムが本作の方向性を決定づけていると言っていい。
ボタンを押す長さやジャンプの地点を調整して、適切なジャンプを試み、上江上絵と登っていく。そしてそれが誤っていれば容赦無く落下。うまく引っ掛からなければスタート地点にまで戻ってしまう可能性すらあるという鬼畜さである。

しかし僕はこのゲームを10時間ほどプレイしクリアまでやってしまったのだった。無論、このゲームをプレイしている時のストレスというかもどかしさはハンパではない。上へ登っては落ち、上へ登っては落ちを繰り返し、時には散々苦労して登ったのがパーになることもある。その時の絶望はすごい。
しかし、それはこのゲームの本質ではない。たとえ落ちても自分自身に蓄積された経験値は無くなっておらず、だからこそ、それまで全然登れなかった場所もいつしかスルッとクリアできるようになるのだ。それが積み重なり、着実にゴールに近づいていく。そういった、RPGのレベル上げなどとはまた違った「熟練」が感じられるのがこのゲームの醍醐味だと思った。
それを適切に引き出すためのレベルデザインも絶妙だ。段階的に難易度が上がっていくのもそうだが、足を踏み外して落ちる際も、簡単に落ちすぎないような丁度良い場所に足場が配置されている(それでも気を抜きすぎるとめちゃくちゃ落ちるようになっているのもまた絶妙)。プレイヤーの心を折り過ぎないギリギリのバランスを保っている気がした。とはいえ人を選ぶゲームであることは間違いないが。
グラフィックやサウンドは明らかにダークソウルシリーズの影響を受けている感じで、ノイズにならない感じで良いと思った。


『Please, Don't Touch Anything』

クリックだけで進むアドベンチャーゲーム。「そのボタン、絶対に押すなよ」と言われてひとつのボタンの付いた装置の前に立たされるところからゲームが始まる。ボタンを押したり、他の行動をすることで目の前の窓から見える風景が変わったり装置に変化が起こったりするのを楽しむゲームだ。その操作によってエンディングが分岐するので、それを回収することがメインのゲームであるとも言える(本当に押さずに終わるエンドもある)。

脱出ゲーム的な謎解きがこのゲームのキモで、かなり面白かった。しかし、「そんなん分かるかい!!!!」と言いたくなるような攻略サイト必須のエンドも結構あり、もうちょっと優しくてもいいかもなと思った。長く遊べる工夫とも取れるし、こればっかりは一概には言えないが。
操作によって様々な変化が起こるのだが、これのアニメーションが小気味良くてかなりいい。平坦な鉄板がぬるっと変化し、ボタンとかレバーとかその他諸々が出てくるのがなんか楽しい。操作結果によって目の前の街が爆破されたり侵略されたりいろんな方法で滅亡していくのだがこれのアニメーションも凝っている。
一本のゲームとしてみるとかなり小規模とも言えるが、Steamのセールで買ってサクッとやる分にはかなりハイクオリティのゲームだと思った。


『Hades』

多方面で評価されており、続編も発表されたローグライクアクション。冥界の王ハデスの息子であるザグレウスが、冥界の脱出を試みるというストーリーである。
何度も死を繰り返すことが前提のゲーム性が特徴的で、何度もトライアンドエラーを繰り返すことで武器が増え、その他強化が行えて攻略の幅が広がっていくのが楽しい。死んだら一階からやり直しというシステムなのだが、ただただ同じことの繰り返しにならないような工夫が印象的だった。

何よりも、それがストーリーとしっかり絡んでいることがすごいと思った。プレイヤーキャラが死んだという事象が無かったことになるゲームの方が多い(人は死んだら終わりなので当たり前)が、冥界の神なので死んでも「クソッ、しくじった」とか言って平然と生き返る。この何度も死を繰り返すというゲーム的流れが「何度死んででも外を目指す」というストーリーに繋がっているのが斬新だと思う。

それに関わるところとして、異様なセリフの多さも大きな魅力だ。ボスに倒されて拠点に戻された際に「アイツに負けたの?」と言われたり、再戦する時に主人公が「今度こそは負けないからな」と言ったり、そういった専用台詞がボイス付きで大量に用意されており、常に変化があるのが嬉しい。本作の重要な要素として、道中のアイテムを通して、ゼウスやポセイドン、アルテミスなどの地上の神々の力を借りられるというのがある(これも様々な種類があって、その時々で臨機応変にカスタマイズするのが楽しい)が、これのセリフ量も尋常ではない。「〇〇に会ったのか?彼は〜」みたいな、他の神について言及するセリフだけでも相当な量がある。ローグライクでありながらそういうテキストの量を多くすることでリプレイ性を高めているのかな〜とか思った。



『ペルソナ3 ポータブル』

もはや説明不要なRPGシリーズ3作目にして、それ以降のキャラクターデザインやサウンドなどの方向性を決定づけた作品。のリメイク作品。
僕にとってペルソナシリーズはアニメシリーズの『ペルソナ4』で触れたのが最初で、『ペルソナ4ザ・ゴールデン』をプレイした後『ペルソナ5』は発売日当日に買って遊んだ、自分にとってゲーム全体を通しても思い出深く、影響を受けた作品群である。自創作に含まれる現代ファンタジー的な嗜好は間違いなくペルソナの影響が大きい。
もちろん、3のことも知っていたし興味はあったが、やはり現行機で遊べない障壁は大きく、長らく手が伸びないままだった。そしていよいよPCで遊べるようになり、セール対象にもなっていたので満を辞して手を出したという訳である。まともな知識は「このタナトスっていうペルソナかっこ良すぎるだろ」という程度で、特にストーリーの本筋については殆どゼロだった。

結論として、あまりにも面白かった。久々に「一日中同じゲームをやる」というのをやった。やはり後続の作品を遊んでから触れると少々荒削りな部分は見られるものの、日常生活パートでキャラクターとのコミュを進めて、RPGパートでそのコミュの恩恵を受けつつダンジョンを進んでいくというゲームの流れの面白さはきっちり完成されており、とにかくずっと遊んでしまう良さがある。敵の弱点を突いて総攻撃で一気に仕留めるシステムも存在していて、バトルの面白さもすでに完成されていると言っていい。

そしてやはり特筆すべきはストーリーだろう。一応ネタバレには配慮するが、少しも知りたくない人は読み飛ばしてもらえれば良い。
OPムービーで「Memento Mori」(死を忘れるな)と大きく示されることや、ペルソナの召喚動作が拳銃自殺であることからも感じ取れるように、本作のテーマは「死」である。
最初の方のシナリオにはそこまで死の香りはしないのだが、物語が進むにつれ、登場人物のそれぞれが「死」を背負って生きていることが強調されていき、最終的には大きなテーマとして提示されていく。主人公たち特別課外活動部のメンバーそれぞれが死と向き合っていくストーリーは一貫性が強くあり完成度が高い。
また、兵器として生まれた少女アイギスもとても良い働きをしている。命を持たず死も無いが心を持つ存在として苦悩する姿が描かれ、その姿は第二の主人公とも思えた。何となく後のクマやモルガナと同じ立場という風に思っていたが、作品全体の雰囲気同様、2人(2匹)と比べると少しシリアス寄りのキャラだと感じた。

コミュもやっぱり良い。本筋の事件と一切関係のない人々とも関わる訳だが、そういう人たちにも人生を感じさせられるというか、遠回しにシナリオのメインテーマについて考えさせられるところもあるかもしれない。特に舞子という小学生の少女のコミュは印象的で、もしかしなくても4の菜々子はこのキャラの好評を受けて誕生したのか!?とか思った。
最近そういうゲームをやっていなかったこともあり、特に伏見千尋さんや特別課外活動部の女性メンバーのコミュはちょっと過激とも言えるところがありビックリした。直球に言えばギャルゲっぽくて、「そんなテンションでやっていいの!?」という感じだった。良いけど。あと、結構本編でがっつり主人公との一対一の対話が多いアイギスにもきっちりコミュがあるのは助かった。信頼関係と恋愛関係の両方を描いているというか……キモいのでこの話やめよう。

音楽もやっぱり最高。OPの『Soul Phrase』と『Burn My Dread』(それぞれP3PとP3に向けて作られた曲。タイトルで放置していると両方聴ける)からもう素晴らしい。特に『Burn My Dread』のイントロにはシビれる。
『Mass Destruction』は通常戦闘曲のくせにラップが入っているという革新的で奇抜すぎる曲だが、なぜだか全く聴き飽きないのが不思議だ。マジでなんで?
日常生活で流れる『When The Moon's Reaching Out Stars』と『Changing Season』も良い。超スタイリッシュな曲なのに、これが学校や商店街の日常的な風景とマッチするのが不思議だ。これは発明と言うほかない。主人公がヘッドホンを付けているのも効いているのだろうか。

どうでもいいけど、ウェブ番組『ペルソナストーカー倶楽部』の空耳アワー的コーナー「ペル空耳劇場」の空耳が克明に思い出されてしまって参った。「そーめん、食おう…」とか。呪いじゃん。

流石に昔のゲームなだけあって気になるポイントもいくつかあった。
難点はやはりタルタロスの探索の単調さだろうか。お金を払って全回復さえすれば1日でいくらでも探索を進められるシステムだし、何日もかけてタルタロスに行くメリットがあんまりないし、『ペルソナ5』の恐るべきバラエティ性を知った後だと超シンプルな自動生成ダンジョンは少々退屈に思えてしまうのは事実だ。
あと、のちに解消されたが男性のコミュがないのは気になった。気になるのにな〜という感じ。
あと、詳しくは語らないが、ラスボスがキツすぎる!!!BGMがド名曲でなければ耐えられなかったかも。あれだけの長丁場をセーブ無しで戦うのはあまりにも……と思った。

ちなみに、この記事の公開が遅れた理由でもある。かなり短期集中でそこまでやり込まなかったが、それでもクリアまで50時間かかってしまった。女性主人公版の一味違う話がまるまる一本分残っている訳だが、さすがに少し期間を空けようと思う。でも劇場アニメは今すぐにでも観たいな……


おわりです

他のタイトルも完成度高かったんだけど、やっぱりペルソナは面白い。3をクリアしたことでP4UシリーズやペルソナQにも手が伸ばせるようになったのでいずれやりたい。でも『ペルソナ5ロイヤル』も詰んでるんだよな……

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