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正確かつ迅速な感知を軸に火災から命を助けたいーー#Techmate体験談 正留世成さん&正留世紀人さん

プロジェクト伴走型メンタリングサービス「Techmate(テックメイト)」では、プロジェクトや業務でテックスキルを必要とする課題に本気で立ち向かっている方に対して、経験豊富な各ジャンルのスペシャリストをマッチングし、プロジェクトや業務の成功をサポートしています。

今回インタビューしたのは、「火災ゼロの世界を実現する。」をミッションに掲げ、ご兄弟でプロジェクトに取り組んでいる正留世成(マサル セナ)さんと正留世紀人(マサル セキト)さん。

3か月間、Techmateのメンターサービスを利用してプロジェクトマネジメントについて学ばれました。

2020年からプロジェクトに取り組み始め、2021年の4月には「RapidX」という名前で法人化され、事業の実現に向けて前のめりに取り組むお二人。

世成さん、世紀人さんの「人生のストーリー」と「テクノロジーの学び」について、お話を伺いました。

正留世成さんのモチベーショングラフ

正確かつ迅速な感知を軸に命を助けるーープロジェクトについて

ー正留さん達はご兄弟でプロジェクトに取り組まれているんですよね。

世成:はい、兄弟ですね。ライト兄弟みたいな感じで(笑)

本当は3人兄弟なんですけど、ちょうど7年前に実家が火災にあって真ん中の弟を亡くしていまして。

それが「火災ゼロの世界を目指す」っていう起業のきっかけになっています。

ーそれではプロジェクトの内容について教えていただけますでしょうか?

世成:火災ゼロの世界を実現することをミッション掲げて、火災による死亡事故を世界から根絶する防火サービスを開発しています。

「火災を何とかしたい」「火災で亡くなる人をゼロにしたい」「火災自体を無くしたい」と思っていて。まず最初に火災をなくすためにどうすればいいか考えた時に、放火とか外部的な要因もあると思うので「発生することを完全に防ぐのは難しいだろう」というところからスタートしたんです。

「火がついたとしてもすぐ消せばいい」という考え方で、最初は室内にドローンを置いて、火災が発生した瞬間にドローンがすぐに室内を飛んで消火する、というサービスをやろうとしていました。

ただ、技術的にはそれがまだ難しかったので、ステップを下げて、火を消すよりも正確かつ迅速な感知を軸に命を助けるところからやろうということに行きついて、今プロジェクトを進めています。(大学との共同研究も進めているとのこと)

ー試行錯誤して今の形に落ち着いたということですね。

世成:火災が起きたときに実際に多いのが、近所の方が通報して気づくケースです。通報して大体平均7分位で消防車が来るんですけど、その時点でもう火が出て10分以上経っている状態なんですよね。

そうすると消火器では消火できないくらい、一番燃えてる時期に差し掛かっていて。

消防車が到着したとしても、もしその時に中にいる人はほぼ救えないというを消防士の方に伺いました。

世成:火災が起きたらすぐ消防車が来て消防士さんが助けてくれる、ってよくドラマとかで見る光景だと思うんですけど、消防車が到着してまだ燃えているときは実際は助けられることはほぼないそうなんです。

なので、住人の方、もしくは家族とか離れている方にもすぐに通知が行くようにすれば、消防士さんが到着するタイミング自体を早められるので、圧倒的に生存率は高くなるんじゃないかなという仮説を立てていまして。

そこでセンサーと連動させるIoTサービスを作ろうとしています。

自分たちでできるところまでやろう!ーー学習のきっかけ

ープロジェクトを進めるにあたってどんなことに悩まれていたんでしょうか?

世成:このプロジェクトの開発自体がハードウェアを使うものだったので、ハードとソフト両方の知識があるCTOポジションのメンバーが欲しいなと思っていました。

協力していただいたエンジニアの方にIoTのプロトタイプを作っていただいて、僕たちでそれを少し調整してセンサーの小型化をするっていう段階には今年の初めくらいには来ていたんですけど。

ラズパイを使ったらこういうふうにできるよね、っていうところはわかるのですが、果たしてそれが最適解なのかどうか?言語も何を使えばいいのか?がわからないところがありました。

あとは、まず企画から要件定義をして、その後にプロトタイプを作ってα版β版を作って…という流れがある上で、今何をやらないといけないのかっていうのをまだわかってなかったので、そういう全体像を知りたいなと思っていました。

世成:そこでCTOをしていただけそうな方を探すにしても、まだ駆け出しのコンセプトやアイディア状態なので、まずは、自分たちで何とかできるところまでやろうって考えました。

グノシー創業者で現 LayerX(レイヤーX)代表取締役CEOの福島良典さんという方が、「エンジニアが居ないなら自分がやればいい」とおっしゃっていたのを見て、本当にそうだなと思って勉強していました。

ーラズパイのお話しがありましたが、プログラミング等はどこかで勉強されたりしていたんですか?

世成:DMM.comが中心となって2020年に開校した「42 Tokyo」というフランス発のエンジニア養成機関があるんですけど。

一次試験のWebテストに合格した後、二次試験で「Piscine(ピシン)」という42Tokyoのキャンパスに合格者が集まって一か月間ひたすらプログラミングをやるっていう入学試験があるんですね。(参加時はオンライン開催)

そこで一か月間仕事しながら受験して、42 Tokyoに合格をいただきました。ただ入学してから仕事が忙しくなってしまい、なかなか学校に通えない状態になりました。

その二次試験の一か月間で結構勉強したので、ラズパイを調整するくらいはできるようになったっていう感じですね。かなり鍛えていただきましたし本当に素晴らしい学校です。

出典:42 Tokyoホームページより

世成:ハードついてはDMM.make AKIBAというものづくりの聖地みたいなところがありまして、そこのスタートアップ支援プログラムに採択いただき、色々教えていただきながら初期プロトタイプを作りました。

最近はDMM英会話で毎日英語を練習してますし、DMMグループにはお世話になりっぱなしですね。

世成:ハード系については世紀人の方が詳しいのかなと思うので、学んだことどうぞ。

世紀人:ハード系で言うと、今の設計の仕事をしているので、上流の仕様書であったりとか要件定義、要求資料みたいなところは仕事で見ることはあったんです。

でもこれまで内容を作ったり考えたりすることはあまりなかったので、会社の仕様書を見て解読しながら、それを転用するっていう学び方が最初のうちは多かったかなと思います。

世成:あとはノーコードでアプリを作れるものがあるんですけども、それで画面設計を作ったりしてました。

でも実際にやりたいものがIoTなので、センサーと連動させて通知が行くとか、消防、警察に通知通報が行くっていう仕組みを作るのはノーコードのアプリだとちょっと実装が難しいので、その時は本当に画面だけ作るっていう感じでした。

実際に作成したもの

メンターから地図をもらったーー継続メンタリング

ーメンターサービスを受けようと思ったきっかけはなんでしたか?

世成:知人からプロのエンジニアからメンタリングを受けることができるサービスがあるっていうのを教えていただいた瞬間に、Techmateに申し込もうと思いましたね。

アドバイスをいただけたら、多分、自分たちで何とかなるだろうっていうイメージがあったので。

ー実際にどのようなメンタリングを受けていたんですか?

世成:まず最初に、プロダクトローンチまでの全体像をお話いただいて、そのために必要なマイルストーンをご提示いただきました。

それを元に、最初はここから行きましょうっていう形で西川さんから課題をいただいて、毎週のメンタリング時に課題チェックとフィードバックをいただいて、次に何をするか決めていくというような流れで進めていました。

教科書とか問題集を解くというよりは、僕らがやりたいものを実際に作っていく作業なので、実践的という感じですね。

「こういう技術で作りたい」だけじゃなくて「こういうこともしなきゃいけない」っていう全体像まで網羅してわかり始めているので、課題が明確になったというか。
あとは解いていくだけっていう状態には来てるかなと思います。

世成:メンタリングをしてくださったメンターの西川さんは、頼りになると言うか、すごく優しくて人柄もよくて。
かつ、ご経験や知識も、こんなすごい方に教えていただけるのかという感じで、すごく安心して教えていただきました。

世紀人:西川さんはすごく丁寧な言葉遣いと丁寧な対応をされる方で、それもすごく好印象なんですけど、何を聞いてもすぐ返してくれて、かつ的確に答えてくれるのがすごくてですね。
頼りがいがあると言うか、本当に「先生」っていう印象を受けましたね。

世成:すごく安定感のある方ですよね。

ーメンタリングの中で、特に印象に残っていることはありますか?

世紀人:要件を洗い出すっていうところはすごく今の事業に必要なことだったので。とても印象に残ってます。

世成:僕もそうですね。要件って、機能要件と非機能要件ってあると思うんですけども。その辺の整理という部分でもすごい役に立ってるというか。あ、そこも考えないといけないんだなと発見できたというのがありますね。

世紀人:オンライン学習では小手先の技術とかスキルは学べるんですけど、考え方やあり方っていう部分まで網羅できないので、メンタリングの会話の中でそういう考え方を学ばせていただいてすごくありがたかったなぁと思うところはあります。

授業内容の中で、例えばこの部分とこの部分を繋げるのに、ここだけじゃなくてあっちも考えないといけないよねとか。ここを考えていると、また別のところと繋がるっていうことも考えないといけないよねっていうような。
何でしょう、すごく説明が難しいんですけども(笑)

世成:僕としては、地図を与えてもらったなっていう感じでしたね。今世紀人が言った事の例えみたいな感じになるのですが。

今までは自分達が作りたい物を動かすための細かい部分のやり方を学んでいたんですけども、ただ目的を達成するまでの道筋がわからないっていう状態だったので、そこの全体像を表した地図をいただいたっていうのはすごく大きいです。

プロジェクトを進めていく中で、いい方向に向いてたらメンターの方に応援していただけるし、その中で違う方向に行くとか、方向がわからなかったらメンターの方がそれを指し示してくださるところがいいなと思いました。

ー3か月間のメンタリングを終えていかがでしたか?プロジェクトの進捗やマインドなど、何か変化したことがあれば教えてください。

世成:1年分を3か月でぎゅっと詰め込んだ感じでしたね。

2、3か月目には行き詰まるところも出てきたりしたのですが、やるしかない!と思いながら乗り越えました。

3か月やった中での一番大きな変化でいうと、工数から各フェーズの人件費が割り出せるようになって開発費の見積もりができるようになったところですね。

開発費の全体像がわかったので、今後の資金調達のリアルな数字を自分達で導き出せるようになったのはとても大きいです。

世紀人:僕は要件定義の後に画面設計の部分を教えていただいたんですけど、その設計したものをエンジニアの方に依頼するまでに何が必要なのかを、全体的な流れとして教えていただきました。

今まではどこまで自分たちやればいいのか、どれくらい大変なのかがわからなかったものが、今は頭の中に箱ができている状態で、何かをやろうとしたときにその箱に当てはめてどこの部分が抜けているかを考えられるようになったので、そこはすごく成長したなと思います。

世成:世紀人がやっていた画面遷移やデータベースの設計も教えていただけて、まだまだ素人ではありますが、プロジェクトマネージャーがどういう視点で考えているかもわかるようになりましたね。

今回3か月間のメンタリングを受けて設計図がしっかりできたので、今度は具体的にプロダクトを作っていくフェーズに入っていくのかなと思います。

ー「自分たちで作っていく」というところのマインドセットや、モチベーションの維持という点で、工夫されていることはありますか?

世成:モチベーション維持で言うと、まずビジョンを実現したいって想いがあります。その志の部分が一番大きいのかなと思いますね。

あとは、週一でメンタリングしていただいたので、前回頂いた課題に対して何も動きがないっていうのは…気まずいって言ったらおかしいですけど、やっぱり学ぶ側としてのプレッシャーになっているところはあります。週一でやることのメリットとして締め切り効果はすごくあると思いますね。

あとは、僕より弟の方が要件の整理であるとか、UXの整理とかってのは断然上手いので、わりと頼っちゃうんですけど。僕と弟で役割分担してやっています。

世紀人:僕は夏休みの宿題とかを最後にまとめてやっちゃうタイプなんですよね。

毎週金曜日にメンタリングしてもらっていたので、一週間で考えた内容を水曜木曜とかの空いてる時間でガッとまとめるっていうような感じでやっていました。

世成:後は、メンターの西川さんがかなり指導のされ方がお上手というか、心地良いんですよね。褒めていただくこともあって。僕とかは調子に乗っちゃって、「これ結構いけるんじゃない?!」って弟に話したりとか。「いや、それは教え方がうまいんだよ」「乗せてくれてるんだよ」みたいなことも二人で話してたんですけど(笑)

同じ人間だし、ちゃんと学べば自分でもいけるじゃん!みたいなのはモチベーションになってるかなと思います。

世紀人:後はメンタリングで、ただ今までやってきた内容の続きをやるんじゃなくて、別ジャンルだったりとか、そのアップデート的な意味での新しいことを教えていただけるんですけど。

単純に新しい知識を学ぶのはすごく楽しいことだと思うので、僕はそこがモチベーションになっていました。

世成:マインドセットっていう面だと、24時間常にプロジェクトの事を考えてる所がありますね。マインドシェアの中ではこの事業のことがかなり大部分を占めるので。

他のことをやりながらも何かしら思考は回っているので、続けられているのかなと思いますね。

前向きマインドが作られた幼少期

幼少期の世成さん・世紀人さん・弟さん

ーお二人ともとても前向きに、失敗を恐れず進んでいる印象を受けます。そのマインドを持つきっかけは何かあったんでしょうか?

世成:関わる方や環境によって成長の具合が全然違うと思っていまして。新しい事でもちゃんと指導者の方が良くて自分の努力がちゃんとあれば、全国レベルまで行けると思うんですよね。

僕小学校の時けん玉で全国二位(男子の部)だったんですけど、ちょうど同じ地域に全国一位(女子の部)の女の子が居て。ゼロの状態から始めても、そういう人たちと関わってたら自分も全国に行けたりとか。

けん玉は僕はかなり初歩で苦労していたのですが、弟二人は割とすぐに高度な技ができたりして、弟たちの方がすんなり成長できていたのを見たりしてるので、やればできるみたいなのはすごい身に付いてますね。

世紀人:僕は、昔から母親が手芸をしているところを見ていたりとか、簡単にゲームも買ってもらえないので、自分で楽しみを見つけないといけないっていうような状況下で、なければ作るっていうような環境で育ってきて。

そのまま高専に行ったら同じような考えの子がいっぱいいたんですよね。

「なければ作ればいいじゃん、買ったら高いけど作ったら安いじゃん」みたいな子達の周りで過ごしていたので、なかったら作る、なかったら自分が覚えるとか、そういうような考え方が凄いインストールされたのかなと思います。

あとさっき兄も言ってたんですけど、出来る人の中でやっていると、自分が低くても平均点を引き上げてもらえる。そういうのはすごく兄を見ていて学びました。兄の背中を見て自分も簡単にステップアップしちゃうみたいなのは凄くありますね。

ー幼少期の経験や育ってきた環境の部分が大きいんですね。

世成:小さい頃のエピソードでいうと、僕プールを習っていまして。そこは10級からだんだん級が上に上っていくようなスクールだったんです。

幼馴染と同じスイミングスクールでやってて、その子の方が泳ぐのが速くて、級も上だったんですよね。
そのスクールには大会に出たりする「選手コース」があって、その子よりも僕の方が早く選手コースに入ったんですよ。そしたら一瞬でその子を抜いて、泳ぐのが速くなったんですね。

その時にまず環境が大事っていうのは凄く思い知りました。

あと、その選手コースに女性と男性のコーチが二人いて。男性のコーチはかなり厳しくて、めちゃくちゃ怖くてイケメンのコーチだったんですけど、女性のコーチは割と優しかったので、僕は女性のコーチの方が良くて。

でも全国に行ったり県大会で優勝する子達は、必ずと言っていいほど厳しい男性のコーチの方がいいとおっしゃってたんですよ。ちゃんと細かいとこまで教えてくれるからって。

なんかもう、その時にメンタルというか、マインドが自分とは違うなと思って。だからその時からそれを見習おうと意識しています。

今後の目標

ーそれでは最後に、今後の目標を教えていただけますか?

世成:まずはここで学んだ設計図をもとに、2022年末にはこのプロジェクトの実証実験まで行きたいです。 PoCもしくは、その手前の部分でMVPを企業さんで試させてもらっている段階ですね。

そこまで行くと資金も必要なフェーズに入ってくると思うので、これまで作ったものをベースにもう一回いちから作り直して、2023年からはベータ版をまわしていきたいと思っています。

株式会社RapidX
https://rapidx.co.jp/

正留世成
Twitter:https://twitter.com/senacccho
note:https://note.com/sena_masaru/

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インタビューを通して、とても前向きにこのプロジェクトを実現させるんだ!というアツい想いとエネルギーが伝わってきました。
Techmateのメンタリングを通じてこのプロジェクトが良い方向に進むよう、スタッフ一同引き続き応援しています。

正留さんの担当メンター西川さんのインタビュー記事はこちら

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