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『平均回帰』誉めても叱っても結果は同じ?

「叱ると伸びる」この言葉を一度は耳にしたことがある人は多いはず。
実はこれ、真っ赤なウソなんです!

バスケットのフリースローで1回目が失敗。
「なにやってんだ!」と檄(げき)を飛ばすと入るようになる。
自分の指導法に自信を持ち、これを繰り返す。

しかし、実際は違うんです。
この選手のフリースローの入る確率が60%とします。
1回目が失敗。
何も言わなくても、2回、3回と続けていくうちフリースローが入る確率が平均の60%に近づいていくんです。
これは『平均回帰』という現象で、日常生活でよく発生しています。

なので、「叱る」と「伸びる」は関係がないんです

『因果関係』理由がないと納得できない?

なぜ、『平均回帰』に気づかない人が多いのだろう。
それは、人は因果関係を求めるから

例えば、サイコロをランダムに3回振る。
出た目が順番に「1」「2」「3」となった場合、
「なにかイカサマをしたのでは?」
「偶然にしてはできすぎている」
などと理由を求める人も多いのではないのでは?

なんなら、「ただの偶然です」やら確率の計算で説明しても、まったく納得してもらえないことも十分ありえます。

このように人は、ひとつの事象に対し因果関係を求る傾向が強い
理由がないと納得できないから。
そこに『平均回帰』との、認知の偏りが発生してしまいます。

良い悪いは『運』まかせ

「叱ると伸びる」の話に戻りますが、

そもそも、成功や失敗というものは、『運』の要素が大きく関係しています。


【成功・失敗の方程式】
成功 = 実力 + ラッキー
失敗 = 実力 + アンラッキー


もちろん、本人の実力が一番重要ではあります。
でも、今日の調子が良いのは「ツイてるから」なんです。

決して、あなたの叱責が成功を導いたのではありません。
良いときは悪くなる確率が高くなるだけです。

まとめ

私は、行動経済学者のダニエル・カーネマンの著書『ファスト&スロー』を読んで、『平均回帰』という現象を知りました。
すごい衝撃を受けたのを覚えています。
「人の認知やべーぞ」って。笑

平均回帰という現象に因果関係を持ち込まないことが大切です。
しかし、人は本能で理由を求めるのもの。
頭で理解しても、なかなか日々の生活で有効に活用するのは困難でしょう。

知っているだけで、『いざ』というとき武器になる。

それくらいの心持ちが良いかと。

あなたの大切な人。
失敗を叱るより、能力の向上を誉めてあげてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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