秘密罪 #12
久しぶりに歩く通学路は、遠いのか近いのか分からない感覚になった。緊張しているのか、変わる為の一歩なのか、どちらにせよ、〇〇は踏み締めて歩いていた。
禅:〇〇と通学路歩くのも久しぶりだな。
〇〇:...まぁ迷惑かけたよ。すまんかった。
禅:いや....俺もちょっと謝らないといけない事があってさ。
〇〇:なに?
禅は〇〇に野球のパンフレットを渡した。
〇〇:なにこれ。 ってか乃木高野球部甲子園ニ回戦突破したんだってな。おめでとう。
禅:お、おう。ありがとう。またすぐ兵庫行かないといけないんだけど。それでさそのパンフレットに選手一覧が載ってるんだけどさ。
〇〇:うん。
禅:乃木高校の欄見てくれ。
〇〇が乃木高の欄を見ると、1番下に井上〇〇の名前があった。
〇〇:お前、これ....。
禅:休んでる間に入部届勝手に出しちゃった。許してちょ。
〇〇:はぁぁ。なにしてんだよーーー。
禅:3年生と監督には話通してあるし、後は実力示すだけって感じになってる。
〇〇:話進みすぎ。
禅:早速今日の放課後来てくれない?三年生が1人怪我しちゃってさ。
〇〇:......まぁ、わかった。行くよ。
禅:あざす!
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PM8:15
男1:おー、久しぶりだな。お前めっちゃ日に焼けてね?
男2:めっちゃ海行ったからな!
男1:もしや....お前
男2:そのまさかだ。彼女できた〜。
男1:クソが!
ガラガラガラ
禅:おはよーっす。おひさ。
男1:おぉ禅!甲子園すごかったな!全校応援のしがいがあるよ。
男2:ん?後ろの人誰? あれ?いつかのイケメンじゃん!
〇〇:あぁ....僕だよ。井上〇〇。
クラス一同:ええぇぇぇぇ!!!
〜〜
〜〜
女1:じゃあ今までのイケメンは〇〇君だったって事!?
女2:まじぃ!?やばいんだけど!かっきー知ってた?
遥香:........。
女2:あれ?かっきー?
遥香:....あ、え?なに?
女1:かっきー、なんかあった?うわの空だよ。
遥香:な、なんでもないよ!
飛鳥:はい、席についてー。HR始めるよ。席替えもやるからねー。
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一年担任:今日は転校生が来てます。
和:彩!転校生だって!
彩:女の子かなぁ。楽しみだね!
一年担任:じゃ入っていいよー。
ガラガラガラ
??:東京から転校生してきました。一ノ瀬美空です
一年男1:可愛くね。
一年男2:めっちゃ可愛いな。彩ちゃんと和ちゃんもいるし。このクラスは勝ちだな。
一年担任:じゃ、席は小川の後ろね。
美空:はい。
美空は移動し、彩の目の前で行った時、固まってしまった。
美空:....か、可愛いぃぃぃ//何この子!好きぃ!大好き!
彩:えぇ!?何急に!
美空:はぁぁ//私が守ってあげるからねぇ//
和:(この子やばい子かな....)
一年担任:じゃ、これでHR終わりー。
〜〜
和:美空さんは東京から来たの?
美空:美空でいいよ! そう!ちょっと人探ししてて。この学校にいるってわかったから。
彩:人探し?
美空:そうだよ。この学校に秋月〇〇っているよね?
彩:えー。知らないなぁ。
和:(秋月って.....〇〇兄の旧姓だ)
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昼休み
〇〇:うぇー。最悪なんだが。
禅:あんなに追いかけ回されるとはな笑 イケメンは辛いねぇ。
〇〇:席替えだけでも、仲間内で固まれて良かったよ。
席替えは、さくらと〇〇が隣。さくらの後ろに禅。〇〇の後ろに遥香という席になった。
遥香:良かったね、さくボソッ
さくら:うん!良かったボソボソ
遥香:(なんかモヤモヤするなぁ)
バァン! その時屋上の扉が勢いよく開いた。
美空:いぃぃぃたぁぁぁぁ!!〇〇ーー!!ギュッ
〇〇:うわぁ!誰!?
屋上にいきなり入ってきた女子は、〇〇を後ろから抱きしめていた。
遥香:ちょっと!何してんの!
さくら:〇〇君から離れて!
美空:えぇーー。何でですかー?
〇〇:その声。そしてこの行動。貴様、一ノ瀬だな。
美空:正解!さすが私の彼氏だねー!
禅、遥香、さくら:は? はぁぁ!?
〜〜
〜〜
〇〇:.....というわけで、こいつは中学一緒で"元彼女"
です。
遥香、さくら:........はい?
美空:えぇ、でも私は今も好きだし、〇〇も嫌いになって別れたんじゃないでしょ?
〇〇:いや、まぁそうだけど....あ、ここにいる人達は、僕の秘密知ってるから別に隠さなくていいよ。
美空:.....信頼できる人できたんだねぇナデナデ
〇〇:おい!急に撫でんなよ!
禅:イチャついておるなぁ。
遥香:(なんか腹が立つ。あー腹が立つ)
さくら:(あぁ、〇〇君が....。悔しい)
〇〇:それより美空。何でこの学校いるんだよ。
美空:〇〇に会いたいからに決まってるじゃん!
〇〇:その為だけに来たのか!?
美空:うん。お父さんの反対を押し切るの大変だったんだよ?
〇〇:...まぁ、ありがとう//
遥香:(なに照れてんの!?)
禅:おーい。イチャイチャ中ごめんだけど、昼休み終わるから行くぞー。
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放課後
飛鳥:なんで呼び出されたかわかる?
〇〇:はい。長い間休んでしまい、すみませんでした。
飛鳥:.....転校初日に頼ってって言ったよね。
〇〇:.....未熟でした。頼らない方が迷惑がかからないと思っていました。
飛鳥:...今は?
〇〇:間違いだったと思っています。少しづつではありますが、周りを頼って自分を見つけていきたいと思っています。
飛鳥:.....なら良い。心配したんだからな!
〇〇:ありがとうございます。
飛鳥:早く野球部のとこ行ってこい!甲子園応援してるからな!
〇〇:先生優しいんですね。行ってきます!
飛鳥:なっ//急に優しいとか言うな//
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グラウンド
監督:君が井上〇〇君だね。
〇〇:はい。登録しているのに部活に来れずすみませんでした。
監督:まぁそれはいい。先生達から君の事情は聞いている。生徒にもそれは言っていないから安心してくれ。
〇〇:ありがとうございます。
監督:早速だが、実力を見せて貰っていいか。
〇〇:分かりました。
怪我をした三年生のポジションはセンターだった。打順は3番。いわゆる強打者。抜けた穴は大きかった。
〜〜
〜〜
監督:よし。センターとしての動きは完璧に近いな。肩も強い。動き出しも早い。
監督:じゃ最後に禅と3打席勝負してくれ。それで試合に出すか決める。お前らもそれでいいな。
野球部員:いや、あんな動き見せられたら、むしろ出てもらいたいんですけど。
〜〜
禅は、以前〇〇と勝負した時から、球速をあげMAX150キロになっていた。その為、勝負は拮抗、1打席目は三振。2打席目はセンター前。勝負は3打席目に委ねられた。
禅:おらっ!
フルカウントの中、禅が投げたのは渾身のストレート。150キロ、ド真ん中だった。
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禅:くそー。あんな綺麗にセンターオーバーされたら自信無くすわ。
〇〇:ブランクなけりゃ入ってたな。 禅も球速上がっててびっくりしたよ。
禅:監督も合格って言ってたし。一緒に頑張ろうな。先輩達に優勝させてやりたいし。
〇〇:おう。頑張るよ
2人は拳を合わせた。
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数日が経って、甲子園3回戦。全国生徒はバスに乗って兵庫へ移動していた。
男1:今日の相手はどこなんだっけ。
男2:神城学園だろ。優勝候補筆頭。
男1:やば。
遥香:あー、なんか応援でも緊張する。
さくら:〇〇君も出るらしいしね。応援頑張らなきゃ!
遥香:そうだね!勝ってほしいなぁ。
〜〜
和:今日は〇〇兄も試合出るんだよ!
彩:〇〇さんと禅兄が一緒にやるのかぁ。楽しみ!
美空:また〇〇の野球見れるのかぁ//カッコいいんだよなぁ//
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甲子園
実況1:今日の1試合目は△△学園 対 □□商業
2試合目は乃木高校 対 神城学園です。
実況2:なんといっても2試合目。乃木高校は前回ベスト8。神城学園は前回優勝校です。
実況1:いわゆる現在の高校2年生は神宮寺世代と言われていますね。
実況2:神城学園の神宮寺選手を筆頭に、春川選手、夏間選手、冬島選手、そして乃木高校の小川選手ですね。歴代最高の豊作の年と言われています。
実況1:今日はその神宮寺世代の2人が対戦という事で、球場も盛り上がっています。
〜〜
〜〜
1試合目が行われている中、2試合目を行う両チームはアップを行なっていた。
監督:よし!試合前アップは終了。各自、体冷やさないように。
部員:はいっ!
〜〜
禅:〇〇、ちょっと走らね?
〇〇:ごめん、ちょっと行くとこあって。 あ、禅もついてこいよ。
禅:どこ行くの。
〇〇:神宮寺のとこ。
〜〜
甲子園の入り口の少し脇に禅と〇〇は向かっていた。
そこにはすでに、神宮寺、春川、夏間、冬島がいた。
神宮寺:おう、〇〇、久しぶりだな。
夏川:まじ久しぶり!
冬島:元気にしてた?
〇〇:ははっ笑 変わんねーなお前ら。元気にしてたよ。神宮寺世代だって?すげぇじゃん。
神宮寺:お前が野球やめてなきゃ、間違いなくお前の世代だったよ。
そう言って、4人は目を合わせて後、〇〇に向かって頭を下げた。
神宮寺:すまなかった。あの時お前を守ってやれなかった。
春川、夏間、冬島:ごめん。
〇〇:顔上げてくれよ。お前らは正しい行動をしたんだ。責められる事じゃない。
神宮寺:ありがとう。お前が元気そうで良かった。また野球始めたんだな。
〇〇:どっかの野球バカが執拗に誘ってきたからな。
禅:え、それ俺のこと?
夏間:あれ、禅君じゃん。一緒のチームなんだ。
春川:手強いな。
〇〇:お手柔らかに頼むよ笑 じゃそろそろ行くわ。
神宮寺:また試合でな、秋月。
〇〇:おう。 禅行くぞ。
禅:あ、うん。(秋月?....)
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甲子園 第二試合
実況1:さぁ、始まります。乃木高校 対 神城学園。
実況2:乃木高校のセンターが2回戦で怪我をしたので心配していたんですが、井上〇〇という選手が入っているようですね。地区予選では出場していません。
実況1:いわゆる未知の選手ですね。
〜〜
遥香:試合始まる?
さくら:始まるみたいだね。勝てるかな。
遥香:絶対勝つ!禅は妹との約束を果たさないといけないんだから。こんな所で負けてられない!
〜〜
試合は神城学園の優勢。8回裏が終わった時点で2対0。9回表、乃木高校の攻撃。打順は〇〇からだった。
実況1:さぁ乃木高校。反撃できるか。
実況2:2点取れなければ神城学園の勝利ですからね。この回何がなんでも点を取らなければなりません。
実況1:打順は井上からですね。今日の成績は、あの神宮寺から二塁打を2本、三振が一つです。
実況2:素晴らしい成績ですね。守備でも活躍していました。
〜〜
神宮寺:(〇〇を抑えれば大丈夫だ。初球はストレート)
ズドンッ
実況1:初球はストレートですね。9回でも球威が落ちません。153キロ!
〇〇:(統計上、次はゆるいカーブだ。揺さぶっとくか)
〇〇:ふぅ。ストレートはっやいな。タイミング早めに取るか。
捕手:(速さに目が慣れてきてるな。ゆるいカーブで振ってくれる)
捕手はサインを出した。要求はカーブ。要求通り神宮寺が投げ込んだのはカーブ。〇〇は見逃さなかった。
カキンッ
実況1:おっと!これは!捉えた!外野はもうすでに見送っている!
実況2:ホームラン!この大会で初めて神宮寺はホームランを打たれましたね。これで2対1!勝負はまだ分かりませんね。
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バス
男1:まじ惜しかったな。
男2:...うん。〇〇、ホームラン打ってたな。
遥香:.........。
乃木高校は負けた。2対2まで追いついたが、9回裏に禅が打ち込まれ、敗退。
神宮寺:〇〇に小川。また来年勝負だ。
〇〇:あぁ、めっちゃ強くなっててびっくりしたよ。
禅:...う、うぐっグスッ...次はまげねぇがら!
周りには記者達が多く、写真や記事を書いていた。〇〇は帽子を深く被り、顔がわからないように努めていた。
禅は泣きじゃくっていた。〇〇はチームに思い入れがない為泣けなかった。だが、もっと早く部に入っていれば良かったと強く思った。
監督:よし。帰るぞ。
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野球部は一泊してから、帰路についた。
部室
三年男1:最後の甲子園、楽しかったよ。神城と良い試合したんだ。悔いはない。
三年男2:来年は優勝しろよ?禅。あと〇〇も、任せたぞー。
主将:キャプテンは禅。お前にやってもらいたい。いいか?
禅:......わかりました。任せてください。絶対に優勝します。
主将:頼もしいな。じゃ、頼んだぞ。〇〇も禅を支えてやってくれ。
〇〇:はい。
主将:お前らとやれて楽しかった。ありがとう。
部室は部員の涙で溢れていた。三年生の高校球児にとって、夏の終わりは、引退を意味する。受験勉強に勤しみ、野球とは無縁となる。それは下級生も全員わかっていた。
〜〜
〜〜
〇〇:ほら、禅帰るぞ。
禅:....うん。
歩きながら禅と〇〇はずっと野球の事を話していた。
〇〇:禅はスタミナだな。9回で球威が落ちた。
禅:わかってるよ。なんか淡々としてんな。
〇〇:負けた後は次だ。後悔は勝負に1番無駄な要素だ。
禅:...だな。
〇〇:この後、僕の家こい。飯食わせてやるから、色々話そう。
禅:わかった。
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〇〇:.....で何故いる。
遥香:慰めようと思って。
さくら:私も。
美空:私は〇〇に会いたくて//
〇〇:ま、いいや。飯作るから待ってて。
〜〜
〜〜
遥香:なんか....あんま引きずってない感じ?うまっ。
さくら:なんか意外と元気そう。うまっ。
美空:うまっ。うまっ。モグモグ
和:うまうま。モグモグ
〇〇:そもそも慰めるつもりで来てないな君ら。
禅:ははっ笑 でもなんか楽しいからいいよ笑
遥香:まだ来年あるんだから!約束もまだ果たせるんだよ。
禅:そうだな。ありがとう。なんか元気になった。
〇〇:俺も毎日練習でるよ。禅には地獄のメニューこなしてもらうけどな。
禅:えぇー...。
遥香:あははは笑
〜〜
美空:へー、和と〇〇は一緒に住んでるんだ。
和:そうだよー。
美空:ねぇ〇〇。私も一緒・・
〇〇:ダメです。
美空:はやっ!ねぇダメー?
〇〇:....1人暮らしなんだろ。時々飯作りに行ってやるから我慢しろ。
美空:むぅ....わかった。我慢する。
〇〇:偉いぞー。
美空:えへへ//
遥香、さくら:........。
遥香:ねぇ、さく。
さくら:うん。これはまずいね。
遥香:あのー、美空ちゃんちょっと距離近くない?
美空:えーだって〇〇の彼女なんですもん!
〇〇:ちげぇわ。
遥香:〇〇君も!私達と接し方違う!
美空:んーー?なんか怪しいですねぇ。もしかして遥香さん、〇〇の事好きなんですかー?
遥香:はぁ!?べ、別に好きじゃないから!
美空:ふーん。ライバルかと思ったのに。ま、〇〇は私のだしねー。
〇〇:遥香は僕の大切な友達だよ。あんまからかうと怒るよ美空。
遥香:(友達...か。そうだよね)
さくら:......。
〇〇:あの...さくらなんか怒ってる?
さくら:怒ってない!今日は帰る!
さくらは〇〇の家から飛び出すように出て行った。
禅:〇〇のせいだな。
遥香:うん。〇〇君のせい。
和:〇〇兄、ひどい。
美空:〇〇、ダメだよ。
〇〇:なんで僕が悪いみたいになってんだよ。
〜〜
〜〜
禅:じゃそろそろ帰るわ。
遥香:私も。
〇〇:おう、また明日な。
遥香:あ!もう一個言わないといけない事あったんだ!
〇〇:ん?なに?
遥香:甲子園負けちゃったから、禅と〇〇君は体育祭出れるんだよね。
禅:あぁ、そうだな。
〇〇:体育祭いつあるの?
遥香:9月の初めかな。
〇〇:もうすぐじゃん!
遥香:そうだよ。夏休み明けてすぐだから皆んな、夏休み中準備してたの。〇〇君は休んでたけど。
〇〇:.....ごめんなさい。
遥香:あはは笑 いいのいいの。でも体育祭で活躍してね?
〇〇:わかりました。全力でやります。
遥香:2学期は色々あってね。9月に体育祭。10月に文化祭。11月は修学旅行ね。
〇〇:忙しすぎない?
遥香:委員長の仕事たくさんあるから。一緒にやろうね。一緒にね!2人で!
〇〇:お、おう。頑張ろう。
遥香:じゃ、帰るね!バイバイ!
〜〜
〜〜
禅:なぁ、遥香、やっぱり〇〇の事好きだろ。
遥香:好きじゃないって!
禅:ちゃんと伝えないと、さくらさんとか美空ちゃんとかに取られるよ。
遥香:....好きじゃないし。(和ちゃんもいるしな...)
禅:ま、いいけどさ。あ、一個聞きたい事あるんだけど。
遥香:なに?
禅:秋月って聞き覚えある?
遥香:秋月?んー...どっかで聞いた事あるような。どうかしたの?
禅:いや、なんでもないんだ。
遥香:そう。
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〇〇:....でいつ帰るの。
美空:え?今日泊まるけど。
〇〇:はぁ?
美空:だって外もう暗いし、久々に〇〇と一緒にいたいし、ダメ?
〇〇:その顔ずるいぞ。
和:いいんじゃない?私も〇〇兄の昔の話聞きたいし。
〇〇:...和がいいって言うなら。
美空:やった!和、ありがとう!
和:全然!(ライバルのことは知らないとね)
〜〜
〜〜
3人でテレビを見たり、中学の卒アルを見たりして過ごしていた。夜も深くなり、和からお風呂に入ることになった。
和:私がお風呂入ってる間に変なことしちゃダメだよ?
〇〇:しないよ!変なこと言わない!
〜〜
2人でテレビを見ていた。数分経ち不意に美空が〇〇の肩に頭を乗せてきた。
美空:.....ねぇ、〇〇
〇〇:ん?
美空:.....私、寂しかった。
〇〇:.........。
美空:〇〇が急にいなくなって。とっても寂しかったんだよグスッ
〇〇:....泣くなよ。 ごめんな。あの時は、あれしかなかったんだ。
美空:...元気で良かった。
〇〇:僕が皆んなに非難されてた時、美空だけは僕の味方になってくれてたよな。
〇〇:あと、さくらの件もありがとう。僕が急に連絡したのに協力してくれた。
美空:当たり前じゃん。彼女なんだから。
〇〇:"元"な。
美空:....もう彼女には戻れない?
〇〇:...今はまだ恋愛とかわかんないかな。でも嫌いになった訳じゃないよ。
美空:そっか。まだ可能性あるんだね。
〇〇:.....自分の事がもっとわかって、整理がついて、落ち着いたら恋愛もしてみたいと思ってる。だから可能性はあるってことかな。
美空:えへへ//嬉しい//
〇〇:だって、わざわざ僕に会いに東京から転校してきたんだろ?嬉しかったよ。ありがとう。
〇〇は美空の頭を優しく撫でた。
美空:〇〇の手やっぱり優しい//安心する//
〇〇:グイグイくるくせに、やられたら照れるとこは変わってないんだな笑
美空:う、うるさい// もっと撫でて//
〜〜
〇〇:さ、もう寝よう。
和:うん。
〇〇:美空は和の部屋で寝てね。
美空:〇〇の部屋で寝るけど?
〇〇:ダメです。
和:いいんじゃない?
〇〇:ほんとにいってる?
和:私も〇〇兄の部屋で寝るから。
〇〇:それが目的か。
美空:ほらほら、行くよー。
3人で一つのベッドに寝るとなると、必然的にくっつかなければ、狭くて落ちてしまう。〇〇が真ん中で両脇に和と美空がいる状態になった。
美空:〇〇の匂いがする//
和:〇〇兄、もうちょっとこっち来てギュッ
美空:あ!ずるい。じゃ私もギュッ
〇〇:ちょ、やめろって// (これはまずい。非常にまずい)
〇〇:あのー、もう少し離れていただけると...。
美空:うぅん....すーっ....。
和:〇〇...兄..すーっ...すーっ....。
〇〇:もう寝てんのかよ.....寝れねぇ。
寝ている間ずっと抱きつかれ、〇〇は一睡も出来なかった。
〇〇:寝れねぇぇえええ!!!
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To be continued
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