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秘密罪 #26


〇〇:ほら飯だ。

神宮寺:うわっ!うまそう。

夏間:いただきまーす!パクッ....うめぇええ!!

〇〇:飯食わせてやったんだから、約束通り写真消せよ?

神宮寺:わかったって笑

夏間:てか、秋月って妹いたんだな。初めて知った。

〇〇:義理の妹ね。再婚相手の連れ子。

和:紹介遅れました。初めまして、〇〇の妹の和です。後々恋人になる予定です。

神宮寺:ブフッ...な、なんだって?

夏間:あっはは笑 和ちゃんは秋月のことが好きなんだね笑

和:はい!大好きです!

〇〇:いや、こいつらの前でそういうことは///

夏間:照れてんのぉ??

〇〇:コロス


旧友との食事は楽しいものであった。昔の思い出は〇〇にとって嫌なことばかりだったが、彼らとの思い出は良いものばかりだった。

〜〜

美空:〇〇〜、遊びにきたよ〜.....って先輩達なんでいるの!?

夏間:うわっ!? 美空ちゃん!?久しぶりー!

神宮寺:おぉ、懐かしいな。

和:美空、知ってるの?

美空:うん。よく〇〇の野球の練習着いて行ってたから。

夏間:そうそう!ずーーっと秋月にべったりだったよなー。

神宮寺:でも、なんで美空ちゃんがここに?

美空:〇〇と復縁する為に東京から引っ越してきました。

夏間:す、すげぇ.....てかちょっと怖ぇ。

美空:〇〇への愛は無限ですから。

〇〇:うん。だからこいつらの前でそういうことは言うなって///

神宮寺:照れんなよ。

〇〇:だーーー!うぜぇ!

美空:(ふふ笑 昔の〇〇に戻ってる笑)

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夏間:はぁー笑 笑ったわ笑

〇〇:笑うな。

神宮寺:久しぶりだなこの感じ。ほんとに....久しぶりだ。


ほんの少しだけ空気が重くなった。全員が〇〇の過去を思い出したからだろう。


〇〇:暗くなるのやめろよな。

神宮寺:すまん。

夏間:は、話変えようぜ。 高校生活はどうよ秋月。

〇〇:あー楽しくやってるよ。皆んな良い人ばっか。あー.......でも最近はなぁ.....。

夏間:なに、最近なんかあったの。

〇〇:まぁ....お前らだったら関係もないし話しても良いか。

〇〇:美空も聞いてよ。最近悩みすぎて夜寝れねぇんだ。


そう言ってから〇〇は遥香との事を話した。〇〇は真剣な表情で少し俯きながら話していた為、オーディエンスの表情は見えなかったが、ようやく話を終えて顔をあげると.....


夏間:....ふっ笑.....あっはっはっは笑....腹いてぇ笑

神宮寺:秋月....お前...そんな漫談持ってたんだな笑

〇〇:漫談じゃねぇ!

美空:......どっちも不器用でなんか腹立つ...。

和:不器用だよね笑 

〇〇:なにがおかしいんだよ。結構ギクシャクしてんだぞ。女子の考えてる事とかよくわかんないし....美空と付き合ってる時は美空が全部思った事伝えてくれてたから.....。

美空:.........〇〇は遥香さんのこと好きなの?

〇〇:好き....かもしれないみたいな? 和と美空とさくらは僕に好きって伝えてくれてて真剣に向き合うって決めたけど。

〇〇:遥香は好きな人いるかもしれないし、邪魔しちゃ悪いかなぁって思ったり....。

神宮寺:受け身なんだな。秋月は。

夏間:まぁお相手さんもじゃね。

〇〇:お前らになにがわかんだよ💢

夏間:俺と神宮寺は彼女いるからなぁ。秋月よりは女心わかる。

〇〇:くっ、、、なんも言えねぇ。

夏間:んーー.....あ、そうだ。その遥香って子さ。明日の練習連れてきてよ。

〇〇:はぁ?

神宮寺:あー、いいなそれ。連れてきて。

〇〇:はあぁぁ!?

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翌日


和:じゃ、ちゃんと仲直りしておいでねー!

〇〇:まぁ...うん。行ってきます。

夏間、神宮寺:行ってきまーす。


バタンッ

〜〜

禅:あ!〇〇! 言われた通り遥香・・ムグッ

〇〇:余計な事言うな!

〇〇:おい、言われた通り、自然に連れてきたんだろうなボソッ

禅:おう、〇〇が連れてこいって言ったとは教えてないぞ。でもなんで急に連れてこいなんて言ったんだ?ボソッ

〇〇:僕に聞かれてもボソッ


神宮寺と夏間に遥香を連れてこいとは言われたが、何をするかは教えられていなかった。


夏間:君が遥香さんかぁ。よろしくね?

遥香:は、はい!(甲子園で見た人だ)

神宮寺:よーし、じゃあ練習しようか。遥香さんは危ないからここで見ててね。

遥香:はい。(乃木高と対戦したチームのエースの人だ!)

神宮寺:じゃ、キャッチボールからしようか。

神宮寺と〇〇、禅と夏間が横並びでキャッチボールをすることになった。

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遥香:(素人でも上手ってわかる...すごいな...)


4人は流石、豊作の年と呼ばれるだけあってキャッチボールから質が違かった。

少し経った後、夏間が大声で横にいる〇〇に話しかけた。


夏間:なぁ!秋月!最近学校どうよ!

〇〇:声でかっ! 最近?だから昨日言った通り・・

夏間:まぁまぁ!彼女とか出来たか?

遥香:(秋月....あぁ、〇〇君のことか。)

〇〇:出来てねぇよ。

夏間:へぇー!モテモテ秋月君ならとっくに彼女出来てると思ったんだけどなー!

〇〇:だから昨日言った・・

夏間:まぁまぁ、話合わせろボソッ

夏間:好きな人はいんの!?

遥香:(ビクッ.....今その話題は....)

夏間:へぇー!3人から好かれてるんだ!流石だなぁ。んでその3人から選ぶってわけか!

〇〇:だから、なんも言って・・

夏間:いいからボソッ まぁ気持ち伝えてくれるってのはありがたいよなー! 鈍感って言われても人の考えてる事なんてわかんないしなー!

遥香:(..............)

〇〇:お前はちゃんと伝えてんのかよ。

夏間:おー!俺はちゃんと彼女に好きって伝えてるぞ!いつまでもその人が自分のそばにいるって思っちゃダメなんだよ。伝えれる時に伝えないと後悔するからなぁ!

〇〇:ふーん。.....まぁそれはちょっとわかるよ。

遥香:......そうだよねボソッ

神宮寺:よーし!じゃあそろそろ次のメニュー行こうか!

〜〜

次のメニューはピッチング練習だった。主に禅のピッチングフォームの改善。秋月がキャッチャーをして、夏間と神宮寺が教える形式だった。


パァン!


〇〇:おぉ....ナイボー!

神宮寺:おぉ、どんどん良くなるな。

禅:あ、あぁ、ありがとう。でもなんで教えてくれるんだ?

夏間:強い奴と戦って勝った方が気持ちいいから。

禅:そ、そうか。(勝負事の変態だな)

神宮寺:俺ちょっと水飲んでくるからそのままやってて。

夏間:うーい。


神宮寺は水筒をもってそのまま遥香の元へ向かった。

〜〜

神宮寺:やぁ、退屈していないかい?

遥香:はい!見てるだけで楽しいです。

神宮寺:同い年なんだからタメ口でいいよ。

遥香:え、あぁ、うん。わかった。

神宮寺:....秋月は学校でどんな感じ?

遥香:えっ?.....うーんと、皆んなの中心って感じ。皆んなから人気で頼られてて、頭もいいし、優しいし、でもちょっと不器用なところもあるし・・

神宮寺:おー、たくさん出てくるね笑

遥香:あっ..//

神宮寺:....でも良かった。中学の頃の〇〇は見てられなかったからね。

遥香:......理由はわかってるよ。

神宮寺:....〇〇を変えてくれたのはきっと遥香さん達なんだろうね。

遥香:いや、私はなにも.....。

神宮寺:昨日〇〇から色々聞いたよ。〇〇は皆んなに感謝してた。でも遥香さん含む4人には何か特別な思いを持っていたよ。

遥香:...........。

神宮寺:......俺はさ、昔交通事故で彼女を亡くしたんだ。

遥香:えっ!?

神宮寺:その時、痛感したよ。もっと多く伝えておけば良かったって。早く出会っていたかったって。

遥香:.........。

神宮寺:.....またいなくなってしまうかも知れないって思って、人と関わらない時期もあったけど、〇〇が教えてくれたんだ。いなくならないようにお前が守ってやれって、お前がその人にとっての、いなくならない理由になれって。

遥香:....〇〇君が...。

神宮寺:....いつまでも悩んでいると、秋月はどこかへ行ってしまうよ。好きなんでしょ?

遥香:ふぇ!? ど、どうして....。

神宮寺:君、練習始まってからずっと秋月のことを見てるよ笑 じゃ俺はそろそろ行くよ。

遥香:あ../// ....なんか...色々とありがとう。

神宮寺:それほどでも。

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それから3時間ほど経ち、昼過ぎから始めた練習はもう夕方になっていた。途中で遥香も参加させてもらったり、一見楽しい1日だったが、〇〇と遥香の間に会話はなかった。

〜〜

禅:あー、なんか1日で上手くなった気がするわ。

神宮寺:勝つのは俺だけどな。

夏間:俺だわ、あほ。

〇〇:.....明日もやるんだろ。早く帰って休もうぜ。

神宮寺:あぁ、そうだな。

夏間:........あ、そうだ、禅!ゴニョゴニョ

禅:ふっ笑 おっけい。

夏間:ア! 用事オモイダシタ! サキニ、カエッテルワ! 禅、神!行くぞ!

神宮寺、禅:イソゲー!

〇〇:あ!おい!

遥香:ちょ、ちょっと!


神宮寺達は〇〇と遥香を置いて先に行ってしまった。

〜〜

〜〜

〇〇:..............。

遥香:...............。


重い空気がいつも歩いている道に溜まっている。話そうにも、喉まで出かかって....止まる。

そんな事を考えている間にもう、〇〇の家の前だった。


〇〇:......じゃ、じゃあ・・

遥香:.......あ!あの!


玄関の扉にかける〇〇の手が止まった。


遥香:.....修学旅行は!.....一緒の班が良い!.....だ、ダメかな....。

〇〇:.........わかった。


バタンッ

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井上宅


〇〇:ほれ、カレー作ったぞ。

夏間:うぇーい。うまそう。

和:で?〇〇どうだった?仲直りできた?

〇〇:......やっぱりお前らの策略か。

神宮寺:まぁまぁ、でどうだったの。

〇〇:.......修学旅行は....一緒の班で行くことになった。

夏間:.....は?それだけ?

〇〇:それだけってなんだよ。

和:あはは笑 〇〇と遥香さんらしいね笑

神宮寺:ま、大きな一歩だな笑

〇〇:あ?話が見えてこないな。

神宮寺:ま、引き続き頑張れ笑 明日は連れてこなくていいぞ。

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翌日も練習会は続いた。1日目とは打って変わり、スパルタだった。


〇〇:おらぁ!次は禅!


カキンッ


禅:うぉっ! きっつ!

〇〇:次ぃ!夏間!


カキンッ


夏間:うげぇ! 


〇〇による地獄のノック。まるで昨日のストレスをすべてぶつけるようなものだった。


〜〜


禅:ま、まじきつかった.....。

神宮寺:久しぶりに秋月のノック受けたな笑

禅:前も受けたことあんの?

夏間:U15の時も、監督より秋月の方がノックうまかったしな。作戦もオーダーも打順も結局秋月が決めたし。

神宮寺:まぁ、なんでもできるんだよ。

禅:へぇ....やっぱ〇〇すごいんだな。

〇〇:もっと敬え。

神宮寺:まぁ...恋愛以外はな!

〇〇:うっせぇ!

夏間:ははっ笑 じゃあ俺と神は帰るわ。

〇〇:そうか。また来年だな。

神宮寺:お前らちゃんと勝ち上がれよ。

〇〇:わかってる。今度は倒すからな。

禅:絶対倒す。

神宮寺:待ってるよ笑 じゃーな。

〇〇:じゃーな。


濃い二日間を過ごした。共に甲子園で会う事を誓い合い、神宮寺達は帰って行った。

〜〜

その後も普段通り学校は続いたが、未だ〇〇と遥香の関係はギクシャクしたまま。そのまま修学旅行前日を迎えた。

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              To be continued




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