秘密罪 #10
〇〇の部屋
〇〇:...........。
遥香:...........。
〇〇と遥香は、〇〇のベッドに横並びで座っていた。
〇〇:(まずい、何を話したらいいかわからん)
遥香:(うわぁぁぁ!!勢い余ってあんな事言っちゃったから、、、)
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数分前
遥香:〇〇君の家で今日一緒に過ごさせてくれたら許す!
〇〇:え、えぇえぇえぇえ!?
遥香:....ダメ?友達だったら普通だよ?
〇〇:(友達だったら普通なのか。いや絶対そんな事ない気がする)
〇〇:で、でも家に和もいるし....。
ガチャ
和:〇〇兄ー。今から彩の家で遊んでくるねー!
〇〇:え!?あ、そう...。気をつけて。
和:行ってきまーす!
バタンッ
遥香:行っちゃったね。
〇〇:そ、そうだね。
遥香:というわけで〇〇君の部屋に行きたいと思います!
〇〇:えぇ.....。
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とまぁこんな感じで今に至ります。
遥香:あ、あの!
〇〇:は、はい!
遥香:〇〇君の好きな食べ物はなんですか。
〇〇:えーっと、カレーと寿司です。
遥香:じゃ、じゃあ好きな漫画はなんですか。
〇〇:漫画とか今まで読んだ事なんて、昨日初めて読んだんだけど、「ハイキュー」ってやつです。
遥香:え!?は、ハイキュー読むの!?
〇〇:え、うん。昨日義父さんから貰って、ちょっとハマってる。
遥香:私もハイキュー大好きなの!
それからおすすめの漫画やアニメの話をした。話しているのはほとんど遥香で、〇〇は笑いながら聞いていた。
遥香:はっ!なんか私ばっかり話してた!
〇〇:あはは笑 そうだね。でも楽しかったよ。
遥香:〇〇君の事知ろうと思ってたのに...。
〇〇:だからあんなに質問してたの?
遥香:うん。
〇〇:卒アルとか...見る?
遥香:見る!
〇〇:じゃあ、持ってくるから待ってて。
バタンッ
遥香:....ふぅ。緊張してたけど、意外と大丈夫かも。
遥香は多少リラックスした様子で〇〇の部屋を見渡していた。
遥香:そういえば、男の人の家に2人っきりって初めてだ。
遥香:あれ。なんか急にドキドキしてきた//
ガチャ
〇〇:おまたせー。
遥香:ひゃい!//
〇〇:ひゃい?笑 遥香さん顔赤いけど、大丈夫?
遥香:だ、大丈夫// アルバム早く見よ//
それから〇〇と遥香は2人で、〇〇の中学の時のアルバムを見ていた。
遥香:髪短い〇〇君かっこいいね。
〇〇:そ、そうかな。
遥香:へー、野球部のキャプテンやってたんだ。あ、委員長もやってる。
〇〇:まぁその頃は色々やってたかな。
遥香:いっぱい表彰されてるね。やっぱ〇〇君凄かったんだ。
〇〇:...........。
遥香はページをめくり進める内にある事に気づいた。
遥香:.....三年生の時の〇〇君の写真....ないね。
〇〇:...うん。
〇〇は苦虫を潰したような表情をしていた。まるでこの卒業アルバムは中学3年生の時に、〇〇が転校したような載せ方をしていた。
遥香:....辛かった?
〇〇:今でも時々思い出すんだ。夢にも出てくる。その卒アルは倉庫にしまってたんだ。
遥香:どうして私に見せてくれたの?
〇〇:.....遥香さんには僕のことを知って欲しくて。少しづつだけど。
遥香:....ふふっ笑 嬉しい。ありがとう〇〇君。
そう言って遥香は震える〇〇の手を優しく包んだ。
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遥香:ぶーっ。〇〇君料理上手すぎ....
〇〇:簡単な物作ったつもりだったけど、嫌だった?
遥香:嫌じゃないけど、こういうのって女子が作って、男子を惚れさせるみたいなのあるじゃん。
〇〇:....惚れさせたかったの?
遥香:ち、違うよ!いじわる。
〇〇:ぷっ、あははは笑
遥香:ねぇー!なにがおかしいの!
簡単な昼ご飯を作り、〇〇と遥香は一緒に食事を取った。その後も漫画やアニメ、ゲームをしたりして過ごした。時計の短針は5の数字を指していた。
遥香:あー!楽しかった!今日は〇〇君の事をたくさん知れた気がする。
〇〇:...僕も遥香の事、たくさん知れた。ありがとう。
遥香:ふふっ。じゃ、私そろそろ帰るね。
〇〇:うん。
遥香は帰り支度をし、玄関を開けた。
ザァー ザァー
遥香:うわ、土砂降りだ。
〇〇:うぉっ、すごい降ってるね。傘貸すよ。
遥香:う、うん。ありがとう。
遥香が〇〇から傘を借り、帰ろうとした瞬間。灰色の空が一瞬、真っ白になった。
ピカッ ゴロゴロゴロ
轟音が響いた。
〇〇:うわっ、雷まで鳴ってるな....って遥香さん?
遥香は〇〇に抱きついていた。
遥香:...うぅ...怖いよぉ...
〇〇:は、遥香さん?もしかして雷苦手?
遥香:....うん。
〇〇:一旦家に入ろうか。
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〇〇:うーーん。天気予報見ても、今日の夜ずっと降ってるみたいだなぁ。
遥香:雷も...なる?
〇〇:う、うん。鳴るみたい。
〇〇が天気予報を見ている間も遥香は〇〇の服の裾をずっと掴んでいた。
〇〇:(どうしよう、可愛すぎるな)
遥香:もう....帰れないよぅ。〇〇君泊まっていったら...ダメ?
〇〇:えぇ!?泊まる!? それは...ちょっとなぁ。
ピロンッ 〇〇のスマホにLINEがきた
和L:傘忘れたから、今日彩の家泊まってく!
〇〇L:えぇ!?大丈夫なの?
和L:うん。いいって。
〇〇L:あんま迷惑かけないようにな。
和L:わかった! 遥香さん雷苦手だけど大丈夫?
〇〇L:今それで困ってて、帰れる様子もないしどうしようかなって。
和L:泊めてあげたら?私のベッド使っていいから。〇〇兄守ってあげて。
〇〇L:仕方ないか。そうする。
遥香:ねぇ....ダメかな。
〇〇:....親御さんに連絡しといて。色々準備するから。
遥香:いいの!?
〇〇:ベッドが一つ空いたからね。いいよ。
遥香:ありがとう!
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和:彩!今日泊まってっていい?
彩:いいよー!お兄ちゃんもいい?
禅:和ちゃん泊まるの?いいよー。
和:ありがとうございます!〇〇兄の為にも。
禅:〇〇?なんかあったの?
和:えへへ笑 秘密です。
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ゴロゴロゴロ ピカッ
遥香:...うぅ...こわいよぉ....。
〇〇:あのー、少し離れてもらってもいいですか?
遥香:.....ダメ?
〇〇:.....いいです。(その顔ずるすぎる...)
遥香はずっと〇〇の腕を掴んでいた。
〇〇:夕ご飯なにがいい?
遥香:....なにがあるの?
〇〇:うーん、今作れるのだと、カレーかな。
遥香:...私も一緒に作る!
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〇〇:遥香さんって、もしかして料理苦手?
遥香:れ、練習中だから!〇〇君が上手すぎるだけ!
〇〇:あはは笑 美味しいよ。
遥香:そ、そう? なら良かった//
〇〇:...結婚したらこんな感じなのかな。
遥香:えっ!?
〇〇:ん?遥香さんと結婚したらこんな感じなのかなって。
遥香:き、君は時々そう言う事さらっと言うよね//
〇〇:あ、え、なんかまずかった?遥香さん。
遥香:.....遥香でいい....。
〇〇:え?
遥香:だから...さん付けじゃなくて遥香でいい!
〇〇:あ、、そう...遥香//
遥香:なんでそこで照れるの!?
〇〇:あはは笑 ごめんごめん。
遥香:....ふっ...あははは笑
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夕ご飯を食べ終わって2人はテレビを見ていた。時々談笑しながら。それでも遥香は雷が鳴る度に、驚いていた。
〇〇:(ふぅ。ここからが僕の理性との戦いだ)
〇〇:あの、遥香さん。
遥香:さんじゃなくて遥香。
〇〇:あ、遥香。
遥香:なに?
〇〇:あのーお風呂の事なんですが。
遥香:え、あ、うん//
〇〇:着替えとタオルはこっちで用意する。だけど。
遥香:う、うん。
〇〇:和の部屋あさるの悪いから、僕の服になっちゃうんだけど、、
遥香:う、うん。大丈夫だよ。
〇〇:良かった。じゃ遥香さんお先どうぞ。
遥香:わかった。 覗かないでよ!
〇〇:当たり前でしょ!ほら早く行った行った!
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〇〇:このパーカーでいいかな。
〇〇:遥香。ここに服置いておくよ。
遥香:は、はい//わかった//
〇〇:雷大丈夫?
遥香:だ、大丈夫// ほら早く行って//
〇〇:はいはい。
風呂後
遥香:上がったよ。
〇〇:あ、そう。じゃ次僕入る。
遥香:....ん?なんか様子おかしくない?
〇〇:え? そ、そんな事ないけど。
遥香:なんでこっち見ないの。
〇〇:いや、別に見てるけ.....ど...。
〇〇はその時初めて風呂上がり後の遥香を見た。
〇〇:(うっわ。可愛い)
遥香:な、なに?
〇〇:いや、可愛いなって。
遥香:ばか//早く入ってきて!
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風呂
〇〇:じゃなんで見ろって言ったんだよ。
〇〇:それにしても可愛かったな。過ちを犯すなよ〇〇。本能を殺せ。
リビング
遥香:こっち見るように仕向けたのは私だけど....可愛いって//
遥香は撃沈していた。
遥香:...〇〇君のパーカー。 ふへへ//いい匂い//
遥香:あれ?私ってこんなにヤバい奴だっけ。
遥香は風呂場の扉が開く音に気づいていなかった。
〇〇:上がったよ..って。服変な匂いした?
遥香:へっ!?いつの間に上がってたの!? 変な匂いなんてしてないよ!
〇〇:じゃ、なんで嗅いでたの?
遥香:これは...違くて...っていうか髪が...。
〇〇:あぁ髪?風呂上がりは邪魔だからいつもピンで止めてんの。
遥香:(か、かっこいい。てか可愛い。やばい。見れない)
〇〇:どうしたの?
遥香:な、なんでもない!
〇〇:そうか。 じゃ、そろそろ寝る?
遥香:うん。
〇〇:遥香は和の部屋ね。
遥香:わかった。今日はありがとう。おやすみ。
〇〇:おやすみー。
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〇〇:ふぅ。なんか怒涛の1日だったな。友達いるってこんな楽しいもんなのか。
今までに経験したことがない事ばかりだった。疲れているが、嫌ではない。どこか心地いい疲れを〇〇は帯びていた。
〇〇:ふぁあ、眠い。寝よ。
〇〇はそのまま眠りについた。
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遥香:なんか今日は緊張したなぁ。
今日一日のことを思い返していた。
遥香:〇〇君と友達になれて良かったなぁ。ホント。
遥香:彼女募集中かぁ。ふへへ//
ゴロゴロゴロ ピシャァ
遥香:ひっ! こんなんじゃ眠れないよ。 こ、こうなったら!
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コンコンッ
遥香:失礼しまーす...
ガチャ
〇〇:すーっ......すーっ.....
遥香:寝てる?
〇〇:むぅ....うぅん...すーっ....
遥香:横失礼していいかな。
〇〇:...........すーっ....
遥香:なにも言わないってことはいいってことだよね。こうじゃないと寝れないし///
ゴソゴソッ 遥香は布団をめくり、〇〇と一緒のベッドに入った。
遥香:あ、〇〇君の匂いがする//寝顔可愛い//
〇〇:うぅん......は...るかぁ....
遥香:へっ!?
〇〇:...あり...が...とう.....すーっ...
遥香:えへへ//私も//ありがとう。
遥香:おやすみ。〇〇君。
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翌朝
和:〇〇兄、ただいまー! あれ、まだ寝てるのかな。
和:お部屋入るよー!
ガチャ
和:あ!〇〇兄も大胆だなぁー。
〇〇:すーっ...すーっ.....
遥香:むぅ...あれ?もう朝?
和:遥香さーん?これはどういうことかなー?
遥香:え、あ!和ちゃん!?これは違くてね!?雷が怖くてね!
和:遥香さん昔から雷怖かったもんねー?でも、それだけですかー?遥香さんから布団に入ったんでしょ?
遥香:....それだけって?
和:私は〇〇兄の事好きですよ。兄妹としてじゃなくて。優しいし、かっこいいし。
遥香:.....わっ私だって、皆んなに優しいし、かっこいいし、ちょっと危なっかしくて放っておけない所とか、全部含めて.......って私何言ってんだろ///
和:ライバルですね。遥香さん。負けませんよ。
遥香:.......私も....負けないから!
〇〇:うぅーん.....うる....さい....。
遥香:君の事で争ってるの!ペシッ
〇〇:いたっ! あれ?なんで和と遥香がここに?
遥香://私帰る!泊めてくれてありがとう。じゃあね!
〇〇:あ、うん。 じゃ、じゃあね?
バタンッ
〇〇:なんか、ちょっと怒ってたかな。
和:〇〇兄早く準備して!
〇〇:え、なんで?
和:今日は私とお出かけするの!
〇〇:えぇーー!?
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To be continued
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