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秘密罪 #22


文化祭も終わり、皆んなが写真を撮るなどして騒いでいる中、〇〇は保健室のベッドの上で正座させられていた。


遥香:やっぱり〇〇君だったんだ。

禅:俺らに嘘ついてたって訳だな。挙句の果てに走り過ぎて倒れたって事か。

〇〇:....すみませんでした.....。でもどうしてここに?

遥香:さくから連絡あって、保健室に来てって言われたから。

さくら:この2人には教えといた方がいいと思って。

遥香:さくはいつから気づいてたの?昨日は気づいてなかったよね。

さくら:い、いやぁ?たまたま保健室行ったら〇〇君がイタッテダケダヨ。

遥香:......そう。ほらもう帰るよ!〇〇君にお土産買って損しちゃった。

〇〇:....いやぁ、本当にすみません。

遥香:ふふっ笑 もういいよ笑 〇〇君の家行ってお土産食べよー!

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下校中も〇〇は遥香達にいじられていた。


禅:にしても〇〇がうさぎの着ぐるみ着てコミカルな動きをしていたとは笑

〇〇:....記憶から消してくれ.....。

遥香:動画撮っちゃった笑

〇〇:うぉぉ!? ....僕の立場が...ネタにされる...。

さくら:途中で声出しちゃってたしね笑

遥香:(あれ...そっか...じゃあさくは〇〇君に好きって事バレてるんだ)

〇〇:で?結局いくら稼いだの?

禅:俺の分抜いて50万。

〇〇:おおっ!予想以上。

禅:結局天知がテレビ呼んだから客集まったみたいになって癪だな...。

〇〇:あー....あいつ結局何しに来たんだろうな。僕も会ったけど。

遥香:え!?大丈夫だった!?

〇〇:うん。正体もバレてたけど、ほとんど何も聞かれなかった....。あ!

さくら:どうしたの?

〇〇:そういや倒れる前に、あいつに何か貰ったんだった...。


〇〇は着ぐるみのポケットをまさぐった。そこには賞金用の10万円、それと小さなメモ用紙と小切手が入っていた。


〇〇:えーっと.....はぁ?

遥香:なんて書いてあった?

〇〇:....."テレビ出演のギャラ、それと楽しませてくれたお礼だ。好きに使え" だってさ。


着ぐるみのポケットに入っていたのは、そう書かれたメモと、50万円の小切手だった。

〜〜

〜〜

遥香:やっぱこの焼きそば美味しい!

禅:まじ美味い。売れたのわかるわ。

〇〇:試行錯誤した甲斐があったよ笑 

禅:んでさ。その50万どうする?

〇〇:.......できるだけ、あいつの金は使いたくないんだよなぁ....。

禅:....天知ってほんとに悪い奴なのか?

〇〇:何言ってんだよ!あいつは僕の記事を.....

禅:また記事書くって言っても全然聞いてこないし、客集めも手伝ってくれた。それに50万の小切手も。

〇〇:............そう言われれば、...そうだな。よし決めた。2年1組に寄付するよ。

遥香:え?ってことは....

〇〇:修学旅行の費用は100万円になったって事。

禅:1人25000円....。なんかすごい事になったな。

〇〇:あいつには恨みがあるからな。その分使ってやる。

〇〇:にしても...あと大きなイベントは修学旅行か
...。楽しみだなぁ。

さくら:.........〇〇君は行った事ないんだよね。

〇〇:うん。初めて行く。

さくら:.....じゃあ楽しまなきゃね!


ガチャ


和:ただいまー!〇〇ちょっと来てー!

〇〇:はいよー。


〇〇は玄関に行き、和が持っている両手いっぱいのお土産を運んでいた。


遥香:ねぇ、さく。〇〇君に好きって言ったことバレてた?ボソッ

さくら:.....うん。それで...明日明後日デートする事になった////ボソッ

遥香:....えぇ!?(好きバレしてる状態で!?これひょっとしたら付き合うんじゃ....)

さくら:...私に気を遣わなくていいって言ったけど...私も、もう止まれないからボソッ

遥香:.........。

〜〜

〜〜

〇〇:...うぅ...もう腹一杯....。

和:買い過ぎちゃったかな笑 

遥香:私達そろそろ帰るね。

〇〇:お、そうか。じゃまた学校で。

禅:おう。

さくら:...ま、また明日//

〇〇:あぁ...うん、また明日//

遥香:............。

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〇〇:和、僕明日ちょっと出かけるから。

和:わかったー。どこ行くの?

〇〇:た、食べ歩きとか、まぁ色々。

和:.....1人で食べ歩きはしないよね。誰と行くの!?

〇〇:えーっと...さ、さくらと行くよ。

和:デートだ!〇〇が私以外とデートするんだ!

〇〇:前々から約束してたんだよ。

和:むぅ....じゃあまた私ともデートしてね?

〇〇:わかったよ笑 ほら寝るよ。

和:うん。また一緒に寝る。

〇〇:もーー、また?

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翌日 


〇〇:和ー。行ってくる。

和:うん。行ってらっしゃい!楽しんできてね。

〇〇:うん。

〜〜

さくら:じゃ遊びに行ってくるね。

さくら母:あら、誰と?

さくら:と、友達!行ってきます!


バタンッ

さくら母:あんなにおめかししちゃって笑 彼氏でもできたのかしら。

さくら父:なにぃ!?

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AM10:00 駅前


〇〇:さくらは....まだだな。ふぅ....なんか緊張してきた....。


トントンッ


後ろから肩を叩かれた。


〇〇:ん?...あ...。

さくら:へへ// おまたせ。待った?

〇〇:い、いや待ってないよ///

さくら:な、なら良かった//

〇〇:えっと// さ、最初は映画だっけ。(可愛すぎて目見れねぇ....)

さくら:う、うん。行こっか/// (うぅ、髪とか服装乱れてないかなぁ...それに〇〇君かっこいいよぉ)

〜〜

〇〇:なんか今日人多いね。

さくら:イベントあるらしいよ。全国から屋台が出店するんだって。

〇〇:へー、じゃあさ...映画見終わったら食べ歩きでもしよっか。

さくら:する!えへへ// 楽しみだなぁ//

〇〇:...可愛いボソッ

さくら:え!?今....。 〇〇君?はいっ。

〇〇:ん?なにこの手。

さくら:は、はぐれたら嫌だから。手、繋ぎたいなぁって//

〇〇:へっ!?

さくら:ダメ?

〇〇:わ、わかったよ。ほらギュッ

さくら:へへ// ありがとう//

〜〜

映画館


〇〇:何見る?

さくら:これ見たい!

〇〇:えっと、これって....。


さくらが指差していたのは〇〇がいつも読んでいる小説を映画にしたものだった。


〇〇:じゃ、これ見よっか。

さくら:うん!

〜〜

上映中


〇〇:(あぁ、ここ僕が好きなシーンだ。やば、泣きそう)チラッ


自然と涙が溢れてきたが、さくらに泣いているのを見られるのは恥ずかしくて、横目で少し確認した。


さくら:....グスッ...うぅ...グスッ...。

〇〇:(さくらも...泣いてる)

映画:"他の人間との繋がりの糸を、一本ずつ増やしていくしかない。君を中心にした蜘蛛の巣のような繋がりが出来れば、誰も君を無視できなくなる。"

〇〇:(あぁ、あの時、さくらが言ってくれた...)

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〇〇:...良い映画だったなぁ。

さくら:ほんとに良かった。

〇〇:途中で、さくら泣いてたね。

さくら:え!?バレてた....。〇〇君も泣いてたね。

〇〇:ぼ、僕もバレてたのか....。

さくら:ふふっ笑 あはは笑 お互い泣いちゃったね。

〇〇:......ありがとう。

さくら:え?

〇〇:あの時、さくらがあの言葉を言ってくれなかったら、僕は皆んなと友達になろうなんて思わなかったよ。

さくら:お礼なんていいよ!私達が〇〇君と友達になりたかったんだし。

〇〇:それでも感謝してるよ。グゥーーー

さくら:あ、お腹鳴ったね。

〇〇:恥ずっ//

さくら:あはは笑 食べ歩き行こー!

〜〜

〜〜

イベント会場


〇〇:何食べるー?

さくら:あ!みそかつだ!みそかつ食べたい!

〇〇:ふふっ笑

さくら:ん?どうしたの?

〇〇:いや意外と子供っぽい所もあるんだなぁって思って。

さくら:は、恥ずかしいよ//

〇〇:人多いな。買ってくるからここで待ってて?

さくら:わかった。ありがとう。

〜〜

さくら:ふふーん。待ってる時間も楽しいなぁ//

△△:お姉さん、1人?

□□:1人ならさぁ、俺達と遊ぼーよ。

さくら:い、いや1人じゃないです....。

△△:えー、でも今1人でしょー?一緒に行こうよー。

さくら:いやっ、やめてください!

〇〇:おまたせー。ん?誰ですか?

△△:あ?誰だよお前。この子は今から俺たちと遊ぶの。

〇〇:人の彼女に手出してんじゃねぇよ。グイッ

さくら:あっ!


〇〇はさくらと腕を組んだ。顔と顔がくっつきそうな程に距離は近くなったら。


□□:チッ....彼氏かよお前。行こうぜ。

△△:はよ別れろカス。


男達は捨て台詞を吐きながら去っていった。


〇〇:なんちゅー事言うんだあいつら。ま、いいや。みそかつ買ってきたよ。あれ?さくら?

さくら:///////彼女////// 顔近い///ボシュウウ

〇〇:さくら?大丈夫!?


さくらの顔は真っ赤だった。周りから目立つくらい真っ赤だった為、少し離れた場所で座って食べる事にした。


〇〇:落ち着いた?

さくら:う、うん。助けてくれてありがとう。

〇〇:そりゃ助けるよ。

さくら:あと、彼女って///

〇〇:あ、あれは助ける為に咄嗟に出たというか//

さくら:ふふっ笑 わかってるよ。でもいつか彼女になれたらいいな....。

〇〇:......ほ、ほら!みそかつ食べよ!

さくら:うん!

〜〜

さくら:んっ...モグモグ....うまっ!

〇〇:モグモグ...ほんとだ美味しい!

さくら:いくらでも食べれちゃうかも...。

〇〇:さくらは細すぎるからもっと食べた方がいいよ笑

さくら:細い?

〇〇:うん。スタイルめっちゃいいって事。心配になるくらい。

さくら:スタイル良いか// 〇〇君は私が喜ぶ事をさらっと言うね。

〇〇:そうかな笑 あ、あとこんなのも買ってきたんだけど食べる?ゴソゴソ

さくら:なにー?あっ!みたらし団子!

〇〇:好き?

さくら:うん!大好き!あ、でも今手が塞がっちゃってる...ちょっと待って。

〇〇:んー、いいよ。ほら、あーん。

さくら:え!?あ、あーん//  ん!うまっ!

〇〇:ははっ笑 良かった。

さくら:一本ちょうだい。

〇〇:ん、いいよ。

さくら:はい、〇〇君、あーん。

〇〇:えぇ!?ちょ、あ、あーん//  ん、美味しい//

さくら:ふふっ笑 自分がされたら照れるんだね笑


その後も、2人で色んなものを買い、食べ歩きをした。

〜〜

〇〇:ふぅ...お腹いっぱい。

さくら:楽しかったね!あ、もうこんな時間だ。

〇〇:この後は?もう帰る?

さくら:...最後にもう一つだけ行きたい場所があるの。

〇〇:うん。わかった。行こっか。

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2人は10分ほど歩き、ある場所に着いた。


〇〇:さくら、ここって......。

さくら:ごめんね。デートなのに...。でもどうしても来たくて....。


さくらと〇〇が着いた場所は墓地だった。人は〇〇とさくら以外いなかった。


さくら:今日....里紗の命日なんだ。

〇〇:里紗さんの...命日。


里紗の墓にはたくさんの花が添えられていた。さくらは鞄から線香とライターを取り出し、線香「火をつけ添えた。


さくら:里紗....あの日から2年経ったね。ごめんね、誰かに頼るって里紗と約束してたのに、また私いじめられちゃってた。

〇〇:............。

さくら:でもね、里紗みたいに助けてくれる人がいたの。今日連れてきたよ。井上〇〇君って言うんだけど、とっても良い人なの。

〇〇:い、井上〇〇って言います。さくらから里紗さんの事を聞きました。とても強く優しい人だったと聞いています。さくらは...僕の事も助けてくれました。里紗さんの言葉、さくらは忘れていませんよ。


そこから2人はしばらく目を瞑り、手を合わせていた。


さくら:ふぅ....じゃあそろそろ行くね里紗。私頑張るから。また...来るね!

〇〇:じゃあ、行こっか。

さくら:うん。

"さくら、頑張れ"

さくら:えっ!

〇〇:ん?どうかした?


里紗の声がした気がした。いや、はっきりと聞こえた。中学の頃から聞き慣れた、もう2度と聞けないと思っていた親友の声が。


さくら:いや、今声が.......ううん何でもない。

〇〇:..そう。じゃあ行こうか。

さくら:(ありがとう。里紗)


さくらは再び歩き始めた。その足取りは以前よりも強く、里紗の思いも抱きながら。

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さくら:はぁー!今日は楽しかったー!

〇〇:僕も楽しかったよ。明日は何するの?

さくら:えーっと、明日は...〇〇君の家で一緒にいたいなぁ...なんて//

〇〇:え!?...ま、まぁいいけど。

さくら:いいの!?やったぁ!!

〇〇:ふふっ笑 もし良かったらさ今日夕ご飯食べてく?

さくら:え!いいの?

〇〇:いいよ。和もいるけど。

さくら:やったぁ!〇〇君の料理また食べれる//

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井上宅


〇〇:ただいまー。

さくら:お邪魔しまーす。

〇〇:ソファ座ってていいよ。もう少ししたら料理作るから。

さくら:うん!ありがとう!


〇〇は一旦部屋に戻り、荷物を下ろし着替えをした。


〇〇:今日は何作ろうかな。


ゴロゴロゴロ ピシャァ!


〇〇:うおっ!雷!近いな。


カーテンを開けて外を確認した。


〇〇:うわ....めっちゃ雨降ってる。この時間に帰ってきてて良かったな。


ガチャ


〇〇:さくらー。雷凄かったな....ってさくら?


さくらはソファの上で耳を塞ぎながら丸まっていた。


〇〇:さくらー。大丈夫?

さくら:うぅ....怖いよぉ...。

〇〇:(なんか既視感あるな) さくら、大丈夫だよ。

さくら:〇〇君....雷止む?

〇〇:ちょっと待ってね.....うわ、一晩中雨と雷だな。

〇〇:(ん?これもしや)

さくら:〇〇君...あの....

〇〇:(いや、まさかな、2度もあるわけ...)

さくら:今日泊まっちゃダメかな..

〇〇:えぇ!?

さくら:雷怖いぃ...

〇〇:い、いやぁ、和にも聞いてみないと....

さくら:テーブルの上にこんなのあったよ。

〇〇:ん?


テーブルの上にあったのは、置き手紙だった。


"〇〇へ 1人で寂しくて暇だったので、彩の家に行ってきます。あと今日彩の家泊まるから!明日の夕方頃帰ります。 和より"


〇〇:........なるほど。

さくら:....泊まっちゃダメ?

〇〇:...仕方ない。良いよ。泊まっていきな。

さくら:ありがとう!


雷が鳴り響く中、さくらにとって初めてのお泊まりが始まった。

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               To be continued



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