秘密罪 #15

さくら:えーっと、お題は.....す、す、好きな人！？

さくら:ど、どうしよう...

放送1::さぁ、お題を確認して一斉に動き出しましたね。

放送2:ですが、2年1組だけ、立ち止まっていますね。

〇〇:あれ、さくら止まっちゃった。どうしたんだろ。

さくらはお題の紙を見ながら、その場で動かなくなってしまった。他の出場者はすでに走り出していた。

〇〇:....困っちゃってるな。あ、そうだ、さくら！

〇〇は大きな声でさくらを呼び再びリストバンドを掲げた。

〇〇:落ち着いて！意外と近くに探してる人いるかもしれないよ！

さくら:....！よ、よし！

さくらは走り始めた。真っ直ぐとその人の元へ。

さくら:ま、〇〇君！ついてきて！

〇〇:え！？僕！？

2人は手を繋ぎ生徒会長の元へと走った。

〇〇:ちょ、さくら。お題なんだったの？

さくら:それは後で！今は生徒会長の所走るよ！まだ1位取れるかもしれない！

〜〜

生徒会長:お！遠藤さくらちゃんだね！連れてきたのは、人気沸騰中の井上〇〇君だ！じゃお題見して。

さくら:ちょっと待ってください！ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

さくらはお題を渡す前に会長に耳打ちをした。

生徒会長:ふむふむ。なるほど。じゃお題はこう変えてあげよう。　遠藤さくらちゃんのお題は、デートに一緒に行きたい人ーー！！

観客:おぉー！！

遠藤:ちょ、ちょっと！

生徒会長:さぁ！証明してみようか！

〇〇:さ、さくら？

さくら:..〇〇君...私とデート///してくだしゃい！///

生徒会長:はい！合格！1位だよ！返事は2人でやってねー。　あとさくらちゃんちょっと。

さくら:はい？

生徒会長:協力したんだから、デートで好きにさせなさいよ？ﾎﾞｿｯ

さくら:えっ/////

〜〜

〜〜

さくらと〇〇は2人で陣地へと戻っていた。

〇〇:お題ってデ、デートに行きたい人だったの？

さくら:...うん。

〇〇:じゃあ、呼びかけない方が良かったかな。デート行きたい人探してる途中だった？

さくら:....ううん。わ、私..〇〇君とデートしたくて//

〇〇:え？ほ、ほんとに？

さくら:うん。だからいつでもいいから、デートしてください//

〇〇:....僕で良かったら、よろしくお願いします//

さくら:やったぁ！//

〇〇:.....一つ聞きたい事があってさ。

さくら:うん。なに？

〇〇:......や、やっぱなんでもない。

さくら:そう？

〇〇:(夏祭りで僕に好きって言ってたのは、本当の事だったのかな......)

さくら:私、係の仕事あるから先に行ってて！

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陣地

遥香、禅:おかえりー。〇〇:ただいま。

禅:ふふん笑　どーだい〇〇君、なにか俺に言うことはないかい？

〇〇:うっぜぇなぁ！　まぁ...おめでとう。

禅:あっりっがっと！俺今人生で一番幸せなんすよ〜

〇〇:わかったっつの。　遥香は？どうするの？

遥香:どうするのって？

〇〇:告白されてたじゃん。

遥香:....体育祭終わったら、屋上に来てって言われた。

〇〇:そっか。　ん？あれ？

遥香:どうしたの？

〇〇:なんか、モヤモヤすんだよね。なんだこの気持ち。

遥香:っ！//

禅:それはなー〇〇。遥香のことが好k ﾑｸﾞｯ

遥香:調子乗るな！禅！

〇〇:なに。どうしたの。

遥香:な、なんでもないよ！

遥香:(まだ。今はまだ。)

禅:〇〇は？さくらちゃんとデート行くの？

〇〇:え、あぁ、行くよ？約束したし。

禅:いいね〜。なんだったら一緒に行くか？

〇〇:行かねぇよバカ。

遥香:......なんか嬉しそうだね。

〇〇:え？ま、まぁ嬉しいかな// 高校ではこういうの無縁だと思ってたし。

遥香:ふーん。(今はまだとか言ってる場合じゃないのかな....)

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生徒会長:体育祭も大詰め！こっからはリレー3連戦やって結果発表だよ！リレーは得点が高いから一発逆転できるよー。

生徒会長:まずは全校リレーから。学年毎に各クラスリレーして、タイム順に順位つけて、得点決めるよ。

〜〜

〇〇:よし。頑張るぞ。

女1:頑張ろー、〇〇君！

全校リレーは各クラス男子4人女子4人混合で行われる。女子→男子の順に走る事が決められている。

女2:順番どうする？

〇〇:僕アンカーやるよ。

女1:じゃ、〇〇君に渡すのは、かっきーね。

遥香:え！私！？

〇〇:遥香が渡してくれるの?

遥香:え、じゃあ...うん。私が〇〇君に渡す！

女2:ふふっ笑　よし！じゃあ頑張ろー！

〜〜

〜〜

リレーがスタート。2年1組は2位で遥香にバトンが渡った。

男1:遥香さん！頼んだ！

遥香:わかった！

遥香は1位までの差をグングン縮めた。コーナーで遥香が1位を追い越そうとした時、

遥香:あっ！？

足がもつれた。天地がひっくり返ったかのような一瞬の出来事。観客からは心配の声や、少しの落胆の声。遥香にはしっかりと聞こえていた。

遥香:痛ったた....あぁもう前に2人いる...1位は無理か..

〇〇:遥香ぁぁ！！

遠くから聞こえる聞き馴染みのある声。遥香は顔を上げた。

〇〇は右腕を高く掲げ、手首に巻かれているお揃いのリストバンドを振りかざしていた。

遥香:...〇〇君っ！

遥香は走った。何も考えずただ〇〇にバトンを繋げる為だけに。周りの声は気にならなかった。

遥香:〇〇君！ごめん！

〇〇:大丈夫。僕が勝つよ。

バトンを渡した瞬間、突風が吹いたと思ったら〇〇はもうそこには居なかった。気がついたら〇〇の腹にゴールテープが巻かれていた。

放送:1位は2年1組！

〜〜

女1:やったぁ！〇〇君に凄い！

〇〇:いや、皆んなが繋いでくれたからだよ。それより遥香！

遥香:ん？なに？

〇〇:足怪我してる。行くよ！

遥香:え！？なに、うわっ！？

〇〇は遥香をお姫様だっこして保健室へ走った。

女1:やるねぇ、〇〇君

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保健室

養護師:軽い擦り傷だね。すごい形相で駆け込んでくるから何事かと思ったよ。

〇〇:すんません...。

養護師:でも一応保健室で安静にしててね。

遥香:はい。

養護師:じゃ私は怪我人がいないか、校庭行ってきまーす。

ガラガラガラ

保健室には〇〇と遥香の2人だけ。

遥香:...部活対抗リレー行かなくていいの？

〇〇:うん。禅に代わり頼んどいた。

遥香:....そう。

〇〇:大丈夫？

遥香:....私ほんとダメだなぁ笑　あそこで転んじゃうなんて。転んでなきゃタイムもっと早かったのに。

〇〇:気にする事ないよ。誰も遥香を責めない。

遥香:...〇〇君は何でもできるよね....勉強もスポーツも。私となんか全然釣り合わないな.....。

〇〇:....怒るよ遥香。

遥香:え？

〇〇:僕を救ってくれたのは遥香なんだ。遥香がいなかったら僕はこんな所にいないよ。僕が凄いんだったら、それを救ってくれた遥香はもっと凄いんだ。

遥香:.......。

〇〇:そのリストバンド貸して。

遥香:えっ！？

〇〇:遥香のリストバンドもつけて最強リレー走ってくる。遥香と一緒に走ってくるから。

遥香:........。

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生徒会長:さぁ次は最後の競技、最強リレーだよ！学年毎に足が速い子だけを集めた最強決定戦！

生徒会長:この競技は一位にしか点数が入らないからね。1位の学年の全クラスに平等に割り振られるよ。

〜〜

女1:あっ！〇〇君きた！

〇〇:あぁ、おまたせ。これって何人出るの？

女1:各クラス女子男子1人づつ出るから、12人だね。

〇〇:なるほど、僕が順番を決めていいかな。

女1:え、うん。いいけど。

〜〜

審判:じゃ始めます。　位置について、よーい、

ドンッ

銃声と共に一斉にスタート。選ばれたメンバーということもあり、一走者目から混戦。観客も盛り上がっていた。

途中、1年生でバトンミスがあり、大きく差が開いた。実質2年生対3年生のような勝負になった。

10走者目にバトンが渡り、アンカーの〇〇は用意を始めた。

その時点で、3年生がリード。10メートル程の差があった。

〇〇:ふぅ。よし。

3年生男1:なにが、ふぅ。よし。だよ笑　この差もう勝てねぇだろ笑

〇〇:これはこれは僕にハチマキを取られた先輩じゃないですか。アンカーなんですね。

3年生男1:黙れ。ここで勝って、俺たちが優勝する。禅に100m走は負けたけど、これだけ差がありゃ、お前にも勝てるよ笑

〇〇:そうですか。

3年生男1:それにしても全校リレー無様だったな。コケてんのまじ笑えたわ笑　お荷物抱えると大変だな。

〇〇:...お荷物？

3年生男1:あぁ、お荷物。結局あのコケた分のタイム差で俺らのクラスが一位だったしな。お荷物で役立たずでしょ。

〇〇:......勝てなきゃお荷物ってことですね。

3年生男1:あぁ、そうだろ笑　今総合一位はたぶん俺のクラスだからな。騎馬戦は負けたけど総合で勝てば良いんだよ。

〇〇:.....叩き潰してやりますよ。先輩。

3年生男1:あ？

放送:さぁ！11走目がコーナーを回った！アンカーは200m走ります。依然として3年生がトップ！今3年生のアンカーにバトンが渡りました！

3年生男1:じゃ、お先に笑

放送:続いて、2年生のアンカーにもバトンが渡りました！

女1:ごめん！追いつけなかった！

〇〇:大丈夫。任せて。

〜〜

3年生男1:(よーし。このままぶっちぎって1位だな)

3年生男1:(あれ？なんか俺に視線向けられてなくね？)

観客は全員、先頭に目を向けていなかった。それよりもっと後ろに目が向けられていた

その数秒後、先頭に目線が映った。

〇〇:どーもー。

3年生男1:は！？

100m地点すでに、〇〇は先頭に追いついていた。

〇〇:散歩でもしてたんですか。

3年生男1:なんだと！？

〇〇:じゃあ、お先に失礼します。お荷物さん。

〇〇は次第にスピードをあげ、差はどんどん開いていった。

3年生男1:くそっ....うおっ！？

追いつこうと無理やり足を動かそうとしたが、転倒。こんなに惨めなことはなかった。

〇〇は遥香のリストバンドをつけている左手でゴールテープを切った。

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閉会式

生徒会長:じゃあ、まずはダンスの結果を発表するよ！ダンス優勝は.......2年生！

禅:おぉ！！

生徒会長:センター2人に女ながら惚れちゃったよ！

〇〇:さくら、やったじゃん！

さくら:えへへ// 嬉しいな//

生徒会長:じゃ最後に総合優勝を発表するよ！総合優勝は.........

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保健室

コンコンッ

〇〇:遥香！

遥香:あ、〇〇君。

〇〇:遥香！ダンス2年生が優勝だったよ！センター2人が良かったって言ってた！

遥香:え！？やったぁ！嬉しい！

〇〇:僕は優勝すると思ってたよ！いやー嬉しいな笑

遥香:それよりリレーは？総合優勝は？

〇〇:あぁ、どっちも優勝。それよりダンスだよ！やっぱり凄かったもんなぁ.....

遥香:....いやいや！さらっと流さないで！優勝したの！？

〇〇:うん。優勝したよ。

遥香:〇〇君のおかげじゃん！総合優勝したってことは最強リレーも1位だったんでしょ？

〇〇:え、あぁ、そうだけど。

遥香:普通それを先に言うでしょ！

〇〇:僕の事はどうでもいいんだよ。それよりダンス優勝は遥香の努力が認められたって感じがして嬉しかったなぁ.....。

〇〇:もちろんさくらも。3年生に見せつけてやったって感じがして、感動しちゃったよ。

遥香:....ふっ...あはは笑　

〇〇:え？

遥香:やっぱり〇〇君って、自分の事、全然考えてないんだね笑

〇〇:そ、そうかな。

遥香:普通自慢するもんだよ？私が代表して言うよ。優勝させてくれてありがとう〇〇君。ほら教室戻りな、みんな待ってるよ。

〇〇:何言ってんの。遥香の事迎えにきたの。ほら行くよ！

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教室ではクラスメイト達が優勝した余韻に浸っていた。

男1:優勝しちゃったな！

男2:そうだな。まさかほんとにできるとは。

女1:〇〇君凄かったなぁ。

女2:それな。あれは誰でも惚れちゃう。

男1:ダンスも凄かったよな！

女1:かっきーとさくらちゃんが特にね。もう後ろから見ててもアイドル！って感じがしたよ。

さくら:....ありがとう//

ガラガラガラッ

〇〇:遥香連れてきたよー。

女1:あ！かっきー！大丈夫？

遥香:うん！軽い擦り傷だった。

女2:心配してたんだよ。　それと！優勝したよ！

遥香:聞いたよ！ほんと凄い！

ガラガラガラッ

飛鳥:皆んなー！優勝おめでとう！飛鳥ちゃんは絶対優勝すると思ってたけどな！

男1:先生！ご褒美ちょうだい！

飛鳥:私からのご褒美はないけど、〇〇、なんかあるんでしょ。

〇〇:あ！そうだった。皆んな、ジュースとアイス買ってきたよ！

一同:まじで！？

〇〇:今配るから待っててー。

〜〜

〜〜

男1:じゃ、球技大会の時の差し入れも〇〇だったんだなぁ。

〇〇:あ、隠しててごめん。でも今回は僕だけじゃなくて、遥香とさくらと禅と僕からだよ。

女1:そうなの？　かっきーありがとう！

女2:さくらちゃんもありがとう！

男2:禅、気が利きますなぁ。

〜〜

飛鳥:じゃ、皆んな疲れてると思うから今日はもう解散！たくさん寝て疲れを取ること！

一同:はーい！

皆んな帰り支度をすると思いきや、そうではなかった。

女1:〇〇君写真撮ろ！

女2:私もー。

〇〇:え？ま、まぁいいよ。

教室の外にも〇〇と写真を撮ろうと生徒が集まっていた。

久:あの....禅君...写真撮ろ？

禅:よぉろこんで！

〜〜

〜〜

長い長い撮影会が終わり、皆んなやっと帰り支度を始め、教室には4人が残った。

〇〇:...なんかいつもの4人が残ったな笑

禅:そうだな笑

さくら:....私は〇〇君と写真が撮りたくて待ってたんだけどﾎﾞｿｯ

遥香:....私行かなきゃ。

〇〇:え？どこに？

遥香:屋上。行ってくるね。

ガラガラガラッ

〇〇:.....遥香、告白OKするのかな。

禅:んー、わかんねぇなぁ。なんで？

〇〇:.....なんか...モヤモヤすんだよなぁ....。

さくら:.............。

〇〇がどう思っているか知るはずもなく、遥香は屋上へと歩いて行った。

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　　　　　　　　　　　　　　　To be continued