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秘密罪 #14


生徒会長:これからぁ!乃木高体育祭をぉ!始めまーーーす!

男1:しゃあ!絶対勝つぞ!

男2:彼女の為に頑張りまーす。

男1:くそぉ!すでに負けた気がする。

〇〇:僕、後半に競技固まってるから暇なんだけど。

禅:応援も楽しいもんだよ。

〇〇:なるほど。


開会式を終え、各クラス毎に集まって、時間の確認や一致団結の音頭を取っていた。


男1:よしっ!じゃあ円陣組もうぜ!

女1:いいねぇ!じゃ掛け声は委員長お願い!

〇〇:えー、じゃあ遥香やっていいよ。

遥香:2人でやろーよ!

男2:ほら、〇〇はよやってくれ。

〇〇:わかったよ。遥香耳貸して。ゴニョゴニョ

遥香:わ、わかった。

〇〇:いくよ。せーの!

〇〇遥香:2年1組、絶対優勝するぞ!

クラス一同:おぉぉ!!

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100メートル走


禅:しゃぁ!早速出番だな。

女子:キャーー!禅せんぱーい!

女子:頑張ってーー!!

3年生男1:チッ!またお前かよ。

禅:あれ、〇〇にバスケでこっぴどくやられた先輩じゃないすか。

3年生男1:うるせぇ。今日は勝ってやるよ。

審判:じゃ、位置について、よーい。ドンッ

〜〜

女1:よしっ!禅君、1位!

遥香:やった!

禅:先輩まじ僅差でした。足速いんすね。

3年生男1:くそっ!

禅:リレーでもよろしくお願いします。

3年生男1:.......。

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ダンス


この競技は学年ごとに発表され、順位ごとに点数が振り分けられ、その後各クラスに振り分けられる。


〇〇:さくらと遥香、ダンス上手いのかな。

禅:俺練習見たけど、凄かったぞ。

女1:私の事も見ててねー!

女2:私のこともー!

〜〜

〜〜

禅:1年生のダンス良かったな。

〇〇:....うん。和まじで上手かった。大声で"頑張ったな!"って叫びたい。

禅:言ってやりゃいいじゃん。

〇〇:妹だってこと隠してるから無理なんだよ。

禅:じゃ後でいっぱい言ってやりな。

放送:じゃあ、次は2年生の発表です!

禅:お!始まるぞ。

〜〜

〜〜

他男1:お、おい、真ん中の2人凄くね?

他男2:....うん。なんかアイドルみたいだ。

他女1:なんか引き込まれるね。

〇〇:....すっげぇな。アイドルみたい。

禅:あぁ、なんかあの2人だけ違う世界行ってるみたいだな。

〜〜

〜〜

三年生の発表も終わり、順位の発表は閉会式の途中で行われるとの放送があった。


遥香:〇〇君、ど、どうだったかな。

〇〇:本当に凄かった!カッコよかったし、可愛かったし!

遥香:えへへ//1位取れるかな。

〇〇:絶対取れるよ!

さくら:私も..頑張ったよ!

〇〇:さくらってあんな表情もできるんだね。びっくりしたよ。ダンスもめっちゃ上手かった!

さくら:....か、可愛かった?

〇〇:うん!とっても!

さくら:やった!えへへ// ありがとう//

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その後玉入れが行われ、2年1組は現在18組中4位。そんな中、午前中最後の競技、騎馬戦が行われようとしていた。


〇〇:よし。この騎馬戦で1位取ればまだ優勝狙えるな。

禅:18組の騎馬が一斉に出るからな。どういう作戦で行く?

男1:俺先頭の騎馬やるよ。

男2:じゃ、俺も騎馬でー。

〇〇:禅も騎馬やってくれないか?

禅:いいけど、〇〇が騎手ってことか?

〇〇:うん。任せてくれ。

男1:よし!じゃあ隊列は決まりだな、作戦どうする?

〇〇:男2には、後ろを警戒してほしい。視野が広いと思うから。

男2:おけー。

〇〇:後は近づいてさえくれれば、全部奪る。

禅:ははっ笑。なんか頼もしいな。

男1:頼んだぞー〇〇。そろそろ行こうか。

〜〜

〜〜

審判:今から騎馬戦開始しまーす。変則ルールだから説明するね。騎手のハチマキを奪われても終わりじゃないよ。最後に1番多くハチマキを持ってたクラスが勝ち。ハチマキは頭じゃなくて、首に緩く巻くこと。じゃ騎馬組んでー。


ルール説明が終わり各クラス騎馬を組んだ。


〇〇:皆んな急だけど、作戦変更だ。よく聞いて。

〜〜

〜〜

遥香:禅達勝てるかなぁ。

さくら:大丈夫だよ。〇〇君も禅君も居るんだし。

審判:それでは!騎馬戦を始めます!開始!

〜〜

3年生男1:おい、2年1組のやつ狙うぞ。

3年生男2:おっけー。お、いたいた。

3年生男1:おらっ!


ドンッ


〇〇のハチマキは、いとも簡単に奪われてしまった。


〇〇:痛った!

3年生男1:ははっ笑。ザッコ。次行くぞー。

〜〜

遥香:ねぇさくら!奪われちゃったよ!?

さくら:.....でも〇〇君達落ち着いてる。何かあるんじゃない?

〜〜

〜〜

放送:さぁ!騎馬戦も大詰め!残り時間はわずか、戦況は熾烈です! 現在1位は3年1組です!


男1:な、なぁまだ動かんの?

〇〇:待て、もう少し。


〇〇達は中心のゴチャついている戦場から少し離れた場所に陣取っていた。


遥香:ねぇどうするの!全然動かないんだけど!

さくら:んー、諦めたわけじゃないと思うけど。何してるんだろ.....。


放送:さぁ時間は残り2分!戦場の中心部では砂埃が待ってよく見えません! 


3年生男1:はぁ、はぁ、後何分だ!?

3年生男2:わかんねぇよ!こんだけ狙われてたら何がなんだかわからん!

他クラス:お前ら強引に取りやがって!怪我した奴もいるんだぞ!

3年生男1:しらねぇよ。お前らが弱いだけだ。


3年1組は多くのハチマキを所有している状態。取り返しそうと他のクラスは躍起になって奪い取ろうとしていた。

その時、中心地の外野から大きな声が響いた。


??:あと30秒だ!急げ!

他クラス:30秒か急ぐぞ!

3年生男1:あと30秒なら守り切れる!


さらに戦況は過激化。他クラスは奪おうと躍起なり、3年1組は守りに徹した。そして・・


??:試合終了!


騎馬達の動きが一斉に緩んでいった。


3年生男1:よっしゃあ!9本持ってる!

3年生男2:ふぅー。ようやく終わりか。

〇〇:いやー、やっぱり先輩達すごいっすね。


砂埃の向こうから〇〇が笑みを浮かべてゆっくり騎馬で進んできた。


3年生男1:あれ笑?一本も持ってねぇじゃん笑 やっぱ雑魚だったな笑。

〇〇:さすがです。それ何本あるんですか?


そう言って〇〇達は騎馬のまま、ゆっくり近づいていった。


3年生男1:見るか?半分の9本奪ったんだ・・え?


〇〇は近づくと騎手から9本のハチマキをを奪った。


〇〇:騎馬!全力で引け!

3年生男1:は?


〇〇達は戦場にの端まで、一気に後退した。


3年生男1:あ、あいつら何して・・

放送:試合終了ーー!!現在持っているハチマキが1番多い組が1位です。 よって......2年1組!2年1組が9本所持で1位です!

3年生男1:は?ちょ、ちょっと待てよ。さっき試合終了って。

禅:あ、それ俺の声っす。

3年生男1:は?

〇〇:先輩は強引に奪ったハチマキを守ろうと必死でしたので、どうせ放送も聞こえていないだろうと思い、嘘の時間を教えさせていただきました。

〇〇:まんまと騙されてくださったので、ガラ空きのハチマキを奪っただけです。ありがとうございました。

3年生男1:....いや...そんなの許されるわけ・・

〇〇:お前が言うな。僕はルール内で戦った。君はルールに記載されている「首から下は攻撃しない」というルールを犯していた。強引に振り払い騎馬から落ちて怪我をした騎手もいる。失格になっていないだけマシだと思え。

〇〇:それと、最初に奪われたのは、ハチマキを持っている事で狙われないようにする為だ。まんまと引っかかってくれたな。

3年生男1:......くそっ!

〇〇:雑魚は君の方だったな。

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遥香:すごーい!1位凄いよ!

〇〇:ありがとう笑。これで優勝の可能性出て来たよ。

さくら:なにかあるとは思ってたけど、本当に1位取れるなんて....さすが〇〇君だね。

〇〇:皆んながいなきゃ取れなかったよ。

男1:んなこと言って作戦立てたの全部〇〇じゃん。

男2:やっぱすげぇな笑

他クラス:あ、あの!〇〇君だっけ。

〇〇:あ、うん。そうだけど。

他クラス:...ありがとう!負けたけど、スカッとしたよ!

〇〇:なんてことないよ。僕が許せなかっただけだから。

他クラス:優しいんだな君。とにかくありがとう!


そう言って他クラスの騎手は走り去っていった。


禅:.....〇〇、ちょっと良いか?

〇〇:...うん。いいけどこれから昼だぞ?

禅:その前にちょっと。


禅は〇〇と共に屋上へ向かった。

〜〜

〜〜

禅:〇〇....お前大丈夫か?

〇〇:え?なに?どうかした?

禅:騎馬戦の時、お前、あの時の目になってたぞ。

〇〇:え?


あの時の目というのは、なんとなく想像がついた。恐らく七華達のいじめを咎めた時と同じ目。


〇〇:...そうか。また...か。

禅:ちゃんと覚えてるか?

〇〇:.....うん。はっきりと覚えてる。今回は明確な意思があってやった。

禅:じゃ良かった。

〇〇:え?

禅:今回は誰も傷つけてないし、ルール内でやったこと。記憶もある。段々変わってきてるんじゃないか?

〇〇:......そうか。段々変わってきてるか....。

禅:それにカッコよかった,"雑魚は君の方だったな"って。痺れたなー。

〇〇:...バカにしてんな?やんぞ?

禅:キャー!やめてー!


自分がわかってきている。そして変わってきている。そう思えた〇〇はとても胸が空く気持ちになった。

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和:〇〇兄!昼一緒に食べよー!

〇〇:おぉ!和!ダンス凄かったな!ナデナデ

和:えへへ// 〇〇兄に見てもらう為に頑張った//

美空:〇〇!私のダンス見てた?

〇〇:おー、見てたぞ。昔からダンス上手かったもんな。今回も上手かったぞ。

美空:そ、そう?// じゃあ、撫でなさい!

〇〇:撫でろって言ってくる奴に、撫でたくはないなぁ。

美空:むぅ!


屋上にはいつものメンバーが集まっていた。


遥香:〇〇。体力とか大丈夫?

〇〇:ん。大丈夫。ほぼ動いてないし。午後から活躍しないといけないしね。

遥香:ならよかった。あ、あの、あのさ//

〇〇:うん?

遥香:お、お弁当自分で作ってきたんだけどさ...。

〇〇:おー!これ自分で作ったの?家でカレー作った時料理下手だっ・・

遥香:わー!声が大きい!

さくら:?

遥香:そ、それで、卵焼き成功したから食べてほしいなぁ、なんて。

〇〇:え!いいの?喜んで食べるよ!

遥香:じゃ、口開けて。

〇〇:いや自分で食べれるって。

遥香:いいから!ほら!

〇〇:いやムグッ...モグモグ..あ、美味しい!

遥香:ほんと!?良かったぁあ!

〇〇:たくさん練習したんだね。

遥香:うん。今日の為にね//

さくら:.........。

〇〇:.......さくら?なんか怒ってる?

さくら:....私のも食べて。

〇〇:え?いいの!?

さくら:うん。コロッケ一個あげる。はい、あーん。

〇〇:だから自分で食べれるってムグッ...モグモグ...ん!これ自分で作ったコロッケ!?

さくら:そうだよ。

〇〇:めっちゃ美味しい!さくらすごいね。

さくら:そ、そうかな//

遥香:(むぅ!悔しい!もっと料理勉強しよ)

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生徒会室


生徒会長:いいねぇ!盛り上がってるねぇ!

役員:そうですね。午後一発目は借り物競争ですし。

生徒会長:ちょっと借り物競争のお題見せて。

役員:いいですよ。

生徒会長:ふむふむ。。うーん。ちょっと盛り上がりに欠けるなぁ。

役員:そうですか?

生徒会長:よし!借り人競争にしちゃおう!お題も変えよう。

役員:今からですか?

生徒会長:大丈夫大丈夫!お題は考えてあるからグフフ

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3年生男1:チッ!あいつマジで腹立つ。

3年生男2:それな。仕返ししないと気がすまねぇよ。

3年生男1:まだチャンスはある。絶対に仕返ししてやる。

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午後の部


生徒会長:午後の部始めるよぉ〜!最初は借り物競争....のはずでしたが!借り人競争に変更ー!

さくら:え!?

生徒会長:お題の紙を置いておくから、確認したら、お題に合った人を私のとこに連れてきてねー。

〇〇:さくら、大丈夫?

さくら:う、うん。頑張る。

禅:よしっ!俺も行くか。

〇〇:あれ、禅もでるの?

禅:そだよー。

〜〜

〜〜

メガネをかけてる人。背が高い人。異性の友達。憧れの先輩。など、さまざまななお題が飛び出した。ダンスが得意な人というお題では和が連れていかれる場面もあった。


〇〇:なんか凄い盛り上がってるなぁ。

遥香:そうだね!さくら大丈夫かな。

他クラス男:す、すみません!遥香さん!

遥香:え?私!?

他クラス男:つ、ついてきてください!

〜〜

お題に合っているか証明する為に、会長のインタビューを受けなければならない。

生徒会長:お!連れてきたのは、学校のアイドル賀喜遥香ちゃんだねぇ。お題見して。

他クラス男:え!あ、はい。

生徒会長:ほうほう。お題は好きな人!さぁ証明してみよう!

観客:おぉーー!!

他クラス男:えっと...あの...ずっと好きでした!

生徒会長:はい合格!返答は後々2人でやってねー。

遥香:///

〇〇:ははっ笑。すげぇ度胸だな。(あれ、なんでこんなモヤモヤしてんだ?)

〜〜

生徒会長:じゃ、次の走者並んでー。

禅:よしっ!俺の番だ。


横一列に4人が並んだ。スタートの合図が鳴った。


禅:えーっと、俺のお題は.....好きな人かよ...。よしっ!


禅は3年生のクラスの陣地へと走った。


禅:久保さんっ!来てください!

久:え!?私!?

禅:はい!

〜〜

生徒会長:お!学校の人気者、小川禅君だね。はいお題見せて。

禅:はい、どうぞ。

生徒会長:お題はー....好きな人!

久:えっ!?

観客:えぇーー!!?

禅:久保さん!ずっと好きでした!付き合ってください!

生徒会長:ありゃ、付き合ってくださいまで言っちゃった。

久:.......はいっ!私も好きだったよ!よろしくお願いします!


生徒会長:な、なんと!成立!おめでとうーー!!


観客は、拍手と、禅に彼女ができたことによる女子の落胆の声で溢れていた。


〇〇:うぉお!禅すげぇ!


遥香も行ってしまった為、〇〇は1人で騒ぎながら見ていた。そして迎えた最終組。


〇〇:あ、さくらだ。頑張れー!


そう言って〇〇は右手につけたリストバンドを掲げた。


さくら:あ!〇〇君!


さくらも答えるように右手につけたリストバンドを掲げた。


生徒会長:さぁ!最終組!よーい、スタート!


一斉にスタートした。


さくら:(よーし!絶対1位でゴールするぞ!)

さくら:えーっと、お題は.....す、す、好きな人!?

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              To be continued













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