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秘密罪 #20


男1:えっと...ふぉ、フォール君?だっけ


フォール君は大きく頷いた。


遥香:〇〇君からなにか聞かされてる?


それを聞くとフォール君は一枚の紙を取り出した。


遥香:えーっと、なになに"人員の配置、シフト、注意事項等は全部この紙に書いてある。困った事があったらフォール君に聞いて筆談で全部答えてくれる"だって。

さくら:なんかちょっと.....怖いねフォール君。

男2:まぁ、〇〇が用意したなら大丈夫か。

禅:だな、ほら準備始めようぜ。

〜〜

〜〜

生徒会長:今からぁ!乃木高文化祭をはじめまぁーーす!!!

生徒会長:30分後に一般のお客様を来場させるから準備してねー!

〜〜

〜〜

禅:周りのクラス、スイーツ多いな。

遥香:だね。焼きそば売れるかな。


トントンッ 遥香は後ろから肩を叩かれた


遥香:ん?フォール君どうしたの?


フォール君は筆談を始めた。


フォ:"大きいわたあめを一つ用意してくれ。できれば色のついたやつ。あと、焼きそばは11時過ぎてから、それまではわたあめで。あと、さくらと遥香はもう着替えて"

遥香:(中に入ってるのは男の人かな) わかった!今用意するね!

〜〜

〜〜

開場と同時にちらほらと生徒の親や、他校の生徒が来場してきた。

他クラス男1:いらっしゃっせー!チュロスいかがですかー?

他クラス男2:いらっしゃいませー!チョコバナナいかがですかー。

幼女:うわぁ!うさぎしゃんだぁ!おっきいわたあめ持ってるよ!お母さん!

幼女母:そうだねぇ。2年1組だって。行ってみようか。


フォール君は大きなわたあめを持ち、首に2年1組の看板を掲げコミカルな動きをしながら練り歩いていた。


他クラス男1:めっちゃ注目浴びてるな。あのうさぎ。

〜〜

幼女:ここだ!にねんいちくみ!

遥香:いらっしゃいませ!

幼女:うさぎしゃんが持ってたおっきいわたあめください!

遥香:わかりました!男2くんお願いね。

男2:りょーかい。

幼女:おねぇちゃん、可愛い!

遥香:え?そうかな// ありがとう!

さくら:はい!これわたあめ!

幼女:わぁ!ありがとう!おねぇちゃんも可愛い!

さくら:ありがと// また来てねー!

〜〜

1時間後


禅:なんか皆んなわたあめ持ってない?

遥香:ほんと皆んな持ってる...。

さくら:お客さんいっぱい来たもんね。

男2:禅達は午前のシフトここで終わりって紙に書いてあるよ。宣伝して歩いてって書いてる。

遥香:わかったー。

さくら:どこか行く?

禅:俺、史緒里さんとこ行ってくる!じゃまた!

遥香:行っちゃった..私達は和ちゃんのクラス行こうか。

さくら:そうだね。

〜〜

〜〜

和のクラスに向かっている途中遥香達は人だかりを見つけた。


遥香:あ、あれフォール君じゃない?

さくら:ほんとだ!


フォール君の後ろにはたくさんの子供達が群がっていた。


幼女:うさぎしゃん可愛い!

幼男:うさぎさん遊ぼー。

遥香:フォール君、声出せないから困ってない?

さくら:助けよう。

幼女:ん?どうしたのおねぇさん達。

遥香:うさぎさんは、2年1組のわたあめ買ってくれたら嬉しいって言ってるよ!

幼男:え?そうなの?

フォ:コクコク


フォール君は首を大きく縦に振った。


幼女:じゃあ行こ!わたあめ食べたい!

〜〜

さくら:フォール君、子供に人気だね笑

遥香:だから売れてるのかな笑


フォール君は立ち上がり遥香達にお辞儀をした。


遥香:お辞儀なんかしなくていいって。フォール君この後一緒にメイド喫茶行かない?

さくら:そうそう。宣伝しながら行こうよ。楽しまないともったいないよ。


フォール君は少し悩んだ様子を見せた後、首を縦に振った。

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遥香:結局、文化祭はさくとフォール君と回る事になったね笑

さくら:これって、フォール君と結ばれるってことかな笑

遥香:そうかも笑

フォール君:.............。

遥香:あ!着いたよ。


ガラガラガラッ


和:あ!おかえりなさいませ!お嬢様!...とうさぎ様?

遥香:あはは笑 うさぎ様連れてきちゃった。和ちゃん可愛いねぇ。

美空:おかえりなさいませー!!

さくら:美空ちゃんも可愛いね。

フォ:うわっ...可愛い...あっ!

遥香:ん?フォール君今....

さくら:今喋って....

和:こちらのお席にどうぞー!

遥香:あ、うん。

遥香、さくら:(今の声....どっかで...)

〜〜

〜〜

和:はい!こちらオムライスになります!

遥香:おぉ!美味しそう!

美空:ケチャップでハートを書いてぇ、うさぎさんだけに特別ですよ?

フォ:??

美空:みーきゅん、キュン!


フォ:.......。

美空:えー、うさぎさん反応なーい。

さくら:フォール君は喋れないの。たぶん喜んでると思うよ?


さくらがそう言うと、フォール君は顔を手で覆い、照れてる様子を示した。


美空:フォール君、可愛いぃ!! ごゆっくりどうぞ!

さくら:ありがとうー。

〜〜

〜〜

遥香:ん!美味しい!

さくら:ほんとだ。うまっ!

フォ:........。

遥香:フォール君は食べれないね笑 あとでちゃんと脱いで食べるんだよ?

さくら:.....フォール君は、〇〇君とどんな関係があるの?

フォ:"友達"

遥香:友達かぁ。フォール君の前では〇〇君はどんな人?

フォ:"不器用な奴。周りに支えられてないと生きていけない奴。"

さくら:不器用な人は合ってるかもね笑 でも〇〇君には私達が支えられてるんだよ?

フォ:"〇〇は君達に感謝してるって言ってた。これからも〇〇と友達でいてくれるかな"

遥香:もちろん!でも...友達かぁ...。

さくら:...ここだけの話ね、私〇〇君が好きなの。だから友達は無理かなぁ。

フォ:え!?

遥香:え、今の声・・

他クラス女1:ねぇ!テレビ来てるらしいよ!

他クラス女2:ほんと!?行ってみよ!


フォール君は窓際まで行き、模擬店が行われている外を確認した。


遥香:あ、フォール君どこ行くの!?


フォール君は凄まじいスピードで教室を出て行った。


バタンッ

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リポーター1:今日は乃木高校の文化祭に来ています!乃木高校は、甲子園常連校。今年も優勝を決めた神城学園と熱戦を繰り広げていました。

リポーター2:今日はどうして乃木高校へ?

リポーター1:それはですね、今世間に絶大な影響力を持つ週刊アマチ。その週刊アマチが乃木高校の文化祭の特集を組むということで注目を集めているんです!

リポーター2:高校の文化祭の特集を組むとは珍しいですね。

リポーター1:そうなんですよ!乃木高校には甲子園で話題にもなった、小川禅君や井上〇〇君がいますからね。注目度は高いです!

〜〜

〜〜

男1:ほんとにテレビ来てるじゃん!かっこよく映してくれよー?

女1:どうしよ、ちょっと緊張してきた。

女2:あ!フォール君!


フォール君は2年1組の模擬店へ向かっていた。指示を出すために。


フォ:"これから人が増える。焼きそばを今すぐ作ろう。匂いで集客できる。お客さんはスイーツに飽きてきた頃だ"

女1:わかった!

〜〜

リポーター1:お!なにか良い匂いがしてきましたね。

リポーター2:ちょっと行ってみましょうか。


ジューーー ジューーー


リポーター1:ここは...2年1組ですね!焼きそばを作っています!2つもらっても良いですか?

男1:2つで600円になりまーす!

〜〜

リポーター2:じゃ、食べてみましょうか。パクッ

リポーター1:ん!美味しい!ほんとに美味しい!

リポーター2:これは高校の文化祭のレベルじゃありませんね笑 本当に美味しいです。

リポーター1:このクラスはゆるキャラもいるみたいですね!

女1:この子はうさぎのフォール君でーす!


フォール君はカメラの前でコミカルな動きを演じた。


リポーター1:可愛いですね!明日も開催されているので、ぜひ乃木高校文化祭に来た際には、この焼きそばとフォール君に会ってみてはいかがでしょうか!

ディレクター:はい!一回止めまーす。

リポーター1:皆んなほんとに美味しかったよ!あと5個くらい買って良いかな笑

男1:もちろん!1500円です!

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遥香:見てさく、すっごい人来てるよ。

さくら:ほんとだ。すごい売れてるんじゃない?

遥香:やっぱ〇〇君はすごいね。ほんとに皆んな分稼いじゃうかも。

さくら:すごいよね。....釣り合わないかな....。

遥香:...そんな事ないよ!さくは可愛いし、優しいし!

さくら:えへへ// ありがとう。...かっきーは?〇〇君の事好きじゃないの?

遥香:え!?なんで!?

さくら:見てればわかるって笑 私に気を遣わなくていいんだよ。正直なれば?

遥香:....好き....なのかな...わかんない。〇〇君のこと考えると心がモヤっとするし、会いたくなる。

天知:ははっ笑 それは好きってことだよ。秋月君はモテモテだなぁ。

遥香、さくら:!!!


遥香とさくらは驚いて後ろを見た。そこには天知が1人、チュロスを食べて笑っていた。


遥香:盗み聞きですか。

天知:人聞きが悪いな。僕が食べていた目の前で君らが話していただけだよ。

さくら:それより秋月君って誰ですか。

天知:あぁ....今は井上君か。秋月は彼の旧姓だよ。どうも慣れなくてね。

遥香:(秋月.....あれ、どこかで聞いたことある)

さくら:で、何しに来たんですか。

天知:いやぁ、井上君を探していたんだが、どうも見当たらなくてね。

遥香:今日は〇〇君は休みです。風邪を引いたみたいです。

天知:そうなのか。じゃもう用はないな。知名度を使ってテレビも客も呼んだんだ。無駄にしてくれるなよ?じゃ、またどこかで。


天知はそう言い残し、去っていった。


さくら:あの人、一体何者なんだろうね。どうしてあんなに〇〇君を追うんだろう。

遥香:...........。

さくら:かっきー?どうしたの?

遥香:...ううん!なんでもないよ!違うとこ見て回ろっか!

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男1:ふぅ、ちょっと落ち着いたかな。

女1:途中で禅君もシフトに入ったから人気で大変だったよー。

禅:それにしてもめっちゃ客来たな。

女2:あれ?フォール君は?

禅:今いくら稼いだか、計算してる。

フォ:"わたあめと焼きそば合わせて18万円稼いでるよ"

禅:へー18万ね。....18万!?

男1:嘘だろ!?

女1:テレビ効果で明日はもっと来るだろうし、今日もまだ残ってるし。これほんとに禅君の分と私達の分稼げるんじゃない?

フォ:"明日はもっと稼ぐ方法があるって〇〇は言ってたよ"

禅:まじか....。なんか楽しくなってきたな笑

男1:やっぱ〇〇すげー。

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1日目の一切が終わり、皆んな教室に戻り放送を聞いていた。


生徒会長:じゃー今日の売り上げ1位を発表するよー!

生徒会長:今日の売り上げ1位はー......2年1組!売り上げは20万!


各教室でどよめきの声が上がった。


男1:すっげ...ちょっと引いてる...。

禅:すげーなー笑 〇〇にも教えてやらんと。

遥香:先生、フォール君はどこいったんですか?

飛鳥:フォール君は帰ったよ。明日も〇〇が来なかったら来るって。

女1:今日はフォール君のおかげでもあるよねー。

女2:あとでお礼言おうーっと。

〜〜

〜〜

飛鳥:今日は皆んな早く帰って疲れをとってね。明日も頑張ろー。

一同:はーい。

さくら:ねぇ...この後〇〇君の家行かない?

遥香:賛成、お土産も持っていこ。

禅:じゃ、もう行こうか。

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禅:〇〇何してるかなー。

遥香:風邪は嘘だろうから、元気にしてるでしょ。後、確認しないといけないこともあるし。

さくら:.....そうだね。

〜〜

〜〜

ピンポーン


〇〇:誰だ? はーい。

遥香:〇〇君。お土産買ってきたよ。

〇〇:遥香!? ちょ、ちょっと待って、まだ扉開けないで!

さくら:私もいるよー。早く開けてー。

〇〇:さくらも!?待って、今すぐあげるから!


30秒ほど経ち、玄関が開いた。


禅:よぉー...って、〇〇汗すごいぞ。

〇〇:あ、あぁちょっと野球の練習しててな。まぁ入れよ。

遥香、さくら:...........。

〜〜

禅:20万だよ!20万!すげーなー。やっぱ〇〇はすげーよ。

〇〇:まだ1日目だろ。こっからもっと稼ぐんだよ。

遥香:焼きそば持ってきたよ。チュロスとかも。

〇〇:おぉ!ありがと。今日まだ何も食べてなかったんだ。

さくら:へぇ...なにも....。

〇〇:天知は来てたか?

遥香:うん。来てた。〇〇君がいないことがわかってすぐ帰っていったよ。

〇〇:.....そうか。じゃ、行かなくてよかったな。

さくら:....〇〇君。お手洗い借りてもいい?

〇〇:うん。いいよ。そこ曲がって左。

〜〜

〜〜

さくら:........ここ、〇〇君の部屋か....。


ギィ さくらは音を立てないようにゆっくりと扉を開けた。


さくら:やっぱり.....。


そこにあったのは、うさぎの着ぐるみの抜け殻だった。

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              To be continued







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