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技術書典 開発日誌

@mhidakaです。イベント前後の感想を含めた日誌ということもあり、ちょっと長めの読み物で3000文字程度あります。時間がない人向けの要点を載せておきます。
・技術書典を知ってる人向けです
・ざっくり https://techbookfest.org/market/ の番宣です。欲しい技術書があれば買ってください!
・応援祭の出展者さんはnoteやブログなどで自分の技術書(一覧・おすすめなど)を紹介してください #技術書典 ハッシュタグがおすすめです

前置き

@mhidakaは技術書典の代表をしているので、そちらで見聞きしている人も多いかもしれません。ブログも技術書典公式のものがあるのですが、もうちょっと個人で書けるところが欲しいなと思ってnoteに書いています。自身は技術書典だけでなく、DroidKaigiといったカンファレンスのOrganizerもしています(ソフトウェアエンジニアです)。

余談ですが、欲しかったnote IDが使われていたため友達に「迷ってるんだよね…」とこぼしたところ「お前はtechbookfestと一体化して生きていけ」と煽られてnote IDが決まりました。もっとも今後は技術書典の話に限らず色々な話題に触れていければと思います。

さっきからチョイチョイでてくる単語「技術書典」とは1万人があつまる技術のお祭りです。手作りながらも光る技術書、プロの作り上げた至高の技術書、ニッチだけど手にとったら最後、持って帰りたくなる技術書など、胸に響く本が一堂に会します。

技術書典8は2月29日、3月1日に開催予定でしたが新型コロナウイルス感染症に関わる状況の急激な変化のなかで苦渋の中止となりました。費用面でも心配いただいているので速やかに経緯や顛末をお話したいところですが、まだまだ残務も経理も終わっておらず、できる状況にありません。そのうちやると思いますので気になる人はmhidakaや@techbookfestをフォローしてください。

技術書典 応援祭に向けて

中止を受けて3月上旬よりオンラインマーケットでの販売というかたちで技術書典 応援祭を開いています。準備期間は驚愕の2週間でしたが、中止となった技術書典8の協賛企業と出展者の多大な協力を得て、すでに800品種以上の技術書が並んでいます。壮観です。

このオンラインマーケットは準備期間が2週間ぐらいしかなかったこともあり、本を買う&本棚でダウンロードするという最低限の機能しかありません。しかも、そこかしこに妥協があったりするので、毎日我が子のように可愛がりながら改善し機能追加し、デプロイしています。ステージング環境では1日に3~4回マージされており、平均すると1日に数個の改善機能が本番環境に羽ばたいています。

仕事ならこんな無茶なスケジュールでは絶対やらないんですが、技術書典8に向けて書かれていた技術書を埋没させることなく、世の中に出して技術の普及に貢献したい、出展者の努力が形となって発表されてほしい、締切の力を見せつけてやれ!という気持ちからスタッフ一堂、頑張りました。

技術書典では購入した書籍を一元管理できる「本棚」機能もあり、私の本棚の一部をスクショで紹介します!

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数学や量子コンピュータ、雑学のススメから自作キーボードやIoT、NimやPython、Rubyなどのプログラミング言語、組織開発や設計技法、サーバサイドからフロントエンドまでありとあらゆる著者のスキが詰まった技術書があります。余談その2ですが、mhidakaは気持ちのこもった技術書を見ると買って技術を応援したくなるのと、新しい技術に触れる楽しみを感じて多読する傾向が強いので本棚には100冊以上登録されています(ヘビーユーザー)。

自分の好きな本を見つける難しさ

しかしながら、どの書籍があなたや読者に合うかはわからないのと、はじめの1冊を買うというのは相当な勇気が必要です。その意味では玉石混淆といえます。この問題を解決する決め手は欠けていて、応援祭では沢山の本からスキを探すために書籍の全文検索を新たに導入しました。下のはAndroidアプリでの検索結果です。

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PDFなどの本文から気になるワードにマッチするかなど眺めることができます。いまは本文中のどこに検索がヒットしたのか詳細がわかるように改良しようとしていて、このように「なんでこの機能がないんだよ~」という足りないパーツを埋めながらマーケットを運営しています。頑張って追加した機能が使われていたり、技術書を届ける役に立つ様子は見ていて気持ちがほっこりします。

好きを見つけるための改善

これまでの購買履歴から、技術書を買うとき、同じサークルの本を、直後にもう一冊買っているということがわかったのでサークル一覧ページも追加しています。

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スクショのようにサークル名からジャンプすると出展者の書籍を一覧できます!これも当初予定になかったのですが追加した機能のひとつです(リリースから3日目の出来事でした)。

出展者のPR記事をお待ちしています

そして3月15日(日曜日)からは紙の書籍を通販で買える「技術書典 応援祭~物理本祭り~」の特集がオープンします。送料が1冊あたり400円かかるのが玉に瑕ですが、本来であれば技術書典8に出るはずだった紙の書籍が期間限定で買えるメリットがあります。売り切れ御免の大特集です!

出展者側も、せっかく刷った紙の書籍ですから、ダンボールにいれて自宅の片隅に積むよりは、欲しい人や同好の士に貰われていってほしいはずです。一方で自分だけで販売しても中々、見てもらえません。3月15日になると紙の書籍特集を組むのでそこにむけて力の限り、自分の本の良さをPRしていただきたいです。

オフラインなら会話をしたり、見本を読んでもらったりPRのしがいがあるのですが、オンラインでは少し勝手が異なります。
例えば販売ページでは本文サンプルが喜ばれます(表紙+本文で最大4Pを是非登録ください)。また書籍を買う人は、同じ出展者から本を何冊かかう傾向にあります。

そこで、noteやブログでどんな本か、どういうことがわかるのか、出展者のきもちを書いて読者に伝えてください。これは推測まじりですが、どうもニッチな内容に特化した技術書典だと公式アカウント等から訴求しても効果が低くなりそうです。Twitterやブログなど出展者ご自身の興味領域に近い人が見てくれたほうが良い効果が得られるというのがわかってきています。技術書典ではそういう人に向けて「おすすめ機能」を強化してカスタマイズしています。購買履歴などを使って改善・検証中ですが結果が出るまで少しかかります。それまでのあいだ、著者のページで書籍リストと概要がわかるもの、この2点があるだけで随分違いそうです。

・note、ブログなどで著者の書籍をまとめて紹介する(おすすめポイントがついてるといい)
・どんな人が対象読者か、得られる知識、前提とする事柄などサンプルと一緒に説明する

目に触れる人が多いほど買ってもらわれやすくなるため、出展サークルのローンチページのようなものといえます。もちろん一般論なので効果は保証できませんが、今すぐできて効果が得られやすいと感じています。運営側の改善もスピードに限界があるため&オンラインマーケットはオフライン開催のイベントとも異なった難しさもあり、一緒に試行錯誤してくれると嬉しいです。

最後に、ざっと検索したところ、すでに実践されている方がいたので紹介しておきます。

お祭り期間中、いろんな取り組みをしていきます

たとえば協賛企業でもあるとらのあなさんでは技術書特集をしていただいてます!ここなら買い物かごがあるので送料も沢山になりません。しかも還元率がすごいキャンペーンもしてくれています。

この応援祭、1ヶ月のお祭り期間はオンラインマーケットで沢山の技術書が読者に届くために、試行錯誤していきます。今はFigmaをつかって画面のデザインなどをしているのですが、実は画面も細かく変更が入っていっています。

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応援祭の間、いろんな試行錯誤を通じて運営も一緒にお祭りを楽しみたいですね。1ヶ月あるので積ん読じゃなくて本を読んでもらいたいなぁ、とも思うし、書評から話題になる書籍があってもいいんじゃないかな、と思います。書籍との一期一会を楽しめるようにしていきます:)


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