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TC技術検定3級を受けてみた

「TC技術検定」という検定試験が存在します。
おそらく、マニュアル制作業界の人以外で知っている方はほとんどいないのではないでしょうか。
取扱説明書やマニュアルだけでなく、実用文を作成するために必要な日本語文章能力を向上するために、「テクニカルコミュニケーション協会」(通称、TC協会)が夏・冬の年2回実施をしています。
試験は、現在3種類実施されています。

3級 テクニカルライティング試験[TW]
2級 使用情報制作ディレクション試験[DR]
2級 使用情報制作実務試験[MP] 

私は2020年の2月23日に、3級 テクニカルライティング試験[TW]を受験し、合格しました。

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選択得点は88点、記述得点は74点という結果でした。

選択式試験の対策

選択式は日本語スタイルガイドの第2章が肝要
まず13時頃から50分間、選択式問題試験が実施されます。その後20分程度休憩を挟んで、50分間、記述式問題試験が実施されました。
終わるのはおおよそ16時くらいだったと思います。
選択式問題なのですが、試験が終了する15分程度前には解き終わりました。
解いてるときに、「なんだこれ...こんな問題、テキストにあったか...?」という問題もありましたが、選択問題については公式のテキストである日本語スタイルガイドの第2編の第2章と第3章のライティングルールを覚えればなんとかなる試験だと思います。
ちなみに、私は下記のような勉強を行なっていました。

正誤の根拠を唱えながら解く
日本語スタイルガイドに記載されている、ライティングルールを確認します。

2.1.5 時制を統一する
操作を示す文の時制は、現在系で統一する。そうすることで、利用者文章を読み進めながら、機器やソフトウェアをその時点で自らが動かしている(現在進行中)のような気持ちになる。過去形にすると、利用者は第三者が操作しているよう感じて混乱する恐れがある。(出典:P.67 日本語スタイルガイド第3版)

その後に続く例文のみを抜き出して、プリントを作成します。

[確認]ボタンを選択した後に、入力内容の一覧が表示されました。
[確認]ボタンを選択した後に、入力内容の一覧が表示されます。
(出典:P67 日本語スタイルガイド第3版)

上の文が不正解、下の文が正解なのですが、ただ「×」「○」とだけかいて答え合わせをするのではなく、「時制は現在形で統一する」文の横に走り書きしたり、唱えながら問題を解くようにしていました。
また、「この文は、文が過去形になっているため不正解です。なぜなら操作者が別の誰かが操作しているように感じて、混乱してしまう恐れがあるからですね」と誰かに講義をしているつもりで唱えて、覚えるようにしていました。
こういった勉強を、試験の4ヶ月前から週に2時間程度続けていました。

記述式試験は(ほぼ)対策できない

辛くも合格はしたのですが、記述式試験は時間内に全ての問題を解き切ることができませんでした。
問題は大問が4つあり、それらの問題文は1題につき、A4ページの1〜1.5ページを埋める程度の量でした。
また、この検定試験は公式のテキストは日本語スタイルガイドのみであり、問題集は存在しません。また、過去の試験問題も非公開であるため、私は記述試験はほぼ対策できませんでした。
ただ、試験1ヶ月程度前に下記3点を行いました。

●TC協会主宰の検定試験事前対策セミナーに参加し、配布された演習問題を繰り返し解く
●日本語スタイルガイドの総合的例題(多岐選択問題)を解く
●TC協会HPの3級テクニカルライティング試験 記述例題を解く
(ただ、こちらは日本語スタイルガイド(pp.309-313)多岐選択問題を記述問題にしたものであるため、2番目の対策と重複する)

ただ、上記に挙げた対策で解いた記述式問題の例題は、実際に出題された問題よりもかなり簡単でした。また、文章量も本番よりかなり少なめ(半分くらい)です。
記述式試験は、実務経験が問われると思います。

受験した感想

試験中と結果発表を待つ間はさておき、結果が発表された後の感想としては
受験して良かった」と思っています。
まず、「何をしない方が良くて、何をすべきなのか」のライティングルールが日本語スタイルガイドには示してあるため、執筆する上での判断がスムーズにつくようになったからです。
「あ、ここはテキストの○○ルールに従ったらよかったかな」「ここはどう書いたらいいかな?たしか△△ってルールあったような」という具合に、日本語スタイルガイドを「字引」として使っています。
字引的な使い方ができるのは、ある程度中身を把握しているからできることなので、勉強をしてよかったと思います。

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