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【技術史】シールド工法

鳥が飛ぶ姿をモデルとして飛行機が発明されたように、生物をヒントにした機械や発明品は生物模倣(バイオミメティクス)と呼ばれる。
トンネル工事のときに活躍するシールド工法は、フナクイムシという生物をヒントにして発明された。海岸沿いに木片が落ちていると、無数の穴が空いている。その正体は、フナクイムシだ。フナクイムシは木材を食べながら穴を掘り、石灰質の体液を分泌して巣穴を作る。
 


シールド工法は、フランス人技師マーク・イザムバード・ブルネルによって発明された。1843年にロンドンのテムズ川水底トンネルで世界最初に使われた。
ブルネルは、ロンドンの中心部を流れるテムズ川にトンネルを建設しようと考えたが、川底の軟弱な地盤を掘る技術はまだなかった。ブルネルは、世界最初のスクリュー船を発明した技術者としても知られ、造船所に足を運ぶことが多かった。ある日、フナクイムシが舟の木材を食べながらその後ろに石灰質の膜を巧みに貼り付ける様子をヒントにして、シールド工法を発明した。
 
『参考資料』
http://www.chiyodakansen-gesui.tokyo.jp/service/method_shield.html
https://www.obayashi.co.jp/tunnelworld/lesson/shield/

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