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【技術史】エアバッグ

1960年代、アメリカのアレン・ブリードは、「車がぶつかった瞬間、眼前にパッと風船みたいなものが広がれば、交通事故で死亡する人を減らせるのではないか。」そんな思いがこの安全装置発明の原点だった。
これは、車体に衝撃がかかった瞬間に自動的に作動しなければいけない。少しでも遅れる
とドライバーや同乗者はフロントガラスに叩きつけられてしまう。また、車体設計の良し悪しで、瞬時に受ける衝撃に差が生じる。この難題にアレンは挑戦した。
1968年、安全装置「エアバッグ・システム」を取り込んだ世界初のセンサーが完成した。
しかし、自動車業界は腰が重い、1973年にアメリカのGM社がエアバックのテストを行っている。その後すぐにはエアバックが標準装置として普及することはなかった。自動車業界としては、急いで多くの費用をかけて装備する必要性がないと判断したのだ。
1980年代自動車が急速に社会に広がり、交通事故による死亡者数が増加、国家手動でエアバックなどの安全装置搭載が要請された。
ようやく日の目を浴び始めたエアバッグだが、新たな難題が出てきた。エアバッグが車に搭載されるようになってからは、多くの人命が助かっている。しかし、一方ではエアバックによる怪我も少なからず報告されていた。エアバッグによる事故で怪我を負った人の調査結果によると、ほとんどのケースが、膨らむ力が強すぎることに起因していた。つまり、衝撃を吸収するために取り付けられたはずのエアバッグ自体が、ドライバーに衝撃を与えていたのである。


ブリードは、さらに改良を重ねる。エアバッグに排気装置を取り付けることにより、その膨らむ速度を緩めながら運転者や同乗者の安全を確保できるようにしたのである。

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