【技術史】写真・映像技術1
写真技術の原型は、10世紀、一方の壁に小さな穴の開いた箱型の暗い空間(暗室)に、穴から光差し込むと、反対側の壁に外の景色が反転して映し出され、それを画家が筆でなぞることで、投影された風景を記録できるというものでした。
その後、1727年ドイツの化学者ヨハン・シュルツェは、塩化銀が日光にさらされると暗く変色することを偶然発見しました。シュルツェの発見から100年後、フランスのアマチュア発明家ニセフォール・ニエプスは、塩化銀で加工した紙をカメラ・オブスキュラ(暗室)の背面に置き、画像を撮影しました。これが初の写真と言われています。しかし、画像は直射日光に当たると加工紙が真っ黒に変色し消えてしまいました。1826年、ニエプスは錫と鉛の合金板をカメラ・オブスキュラに取り付け、自宅の大きな屋敷の上階の窓から、中庭を写真に収めることに初めて成功しています。露光時間は何と約8時間!!
『参考文献』
科学技術大辞典 ロバート・スネッデン著
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