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【技術史】木炭による製鉄から石炭製鉄へ

古代より製鉄業に共通の問題は、燃料に木材を使うことでした。周囲の森林を切り倒して木炭を作り、これを燃料として鉄鉱石から鉄を取り出してきました。森林資源の枯渇は鉄鋼業の終焉を意味し、製鉄所は森林資源を求めて移動し続けなければなりませんでした。

そんな中、無秩序で広範囲な森林の伐採に、英国政府は森林から作った木炭を製鉄の燃料に利用することを禁じる決断をします。

制限の中で、新たな技術革新が生まれる。政府も特別の法令により、治金に鉱物性燃料を使用して問題を解決するようと、発明家たちは奔走します。17世紀から18世紀初めにかけて、英国人やその他の国々で、石炭を使って銑鉄を作る試験が繰り返し試みられました。けれども当時は、まだ石炭をコークスに変える条件がわからず、また、コークスに適する石炭の品種も知られていなかったことから、ことごとく失敗を重ねていました。

 
石炭を使った銑鉄製造に初めて成功したのは、英国のダッ ド・ダドリーです。ダドリーは、1619年に鉄鉄生産に関す特許を取得しています。
 
『用語解説』
コークスとは
周囲の空気を遮断して、炉の中で蒸し焼きにした石炭。揮発分や重油分が抜け出して、硬いが、気孔だらけの軽石のような外観になる。構成物は炭素だけ。石炭をそのまま燃焼させると、揮発分がガスとして出てくるので、燃焼温度が上がらない。
 
『参考資料』
http://fnorio.com/0056history_of_iron_manufacture1/history_of_iron_manufacture1.htm

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