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【材料学】見えない殺し屋 アスベスト

古代ギリシャ人とローマ人は、アスベストの織物が火によってそこなわれないことから、邪悪な影響を寄せ付けない魔法の物質だと考えていた。
中世ヨーロッパの皇帝シャルルマーニュはアスベストでできたテーブルクロスをもっており、食事のあとでテーブルクロスを火の中に投げ入れてきれいにし、無傷で炎から引っ張り出して客たちを驚かせるのが好きだった。
19世紀以降、工業化が進むと、アスベストは建築で広く使用され、耐火材、コンクリート、パイプ、天井、屋根などに使われた。さらに、1950年代にアメリカのタバコブランドであるケントはタバコのフィルターにアスベストを導入した。
 
アスベストは、ヒ素や水銀のようにすばやく体の組織を攻撃するような毒ではないが、長期間肉眼では見えない微細なアスベストの破片を吸い込むと、肺の慢性的な炎症をおこし、呼吸困難や心不全、中皮腫につながることがわかり、現在は1989年以降、使用が禁止されるようになった。
 
『参考資料』
https://www.eco24.jp/asbestosmenu/asbestos/
 

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