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【2分でわかる技術史】照明のあゆみ青色LED

照明の第一世代はガス灯、第二世代は白熱灯、第三世代は蛍光灯、そして第四世代がLED照明です。ガス灯から約60年で白熱灯(エジソンが1979年に発明)、さらに約60年で蛍光灯(1930年代後半に実用化)の時代になりました。そして、1996年に白色LEDが開発され今に至っています。
 
まず1960年代に赤色と黄緑色のLEDが開発されました。当初は、光源としての能力は小さいものでしたが、その後明るい高輝度発光ダイオードが開発されました。1990年代には、表高輝度の赤、黄緑、橙色のLEDが実用化されています。
しかし、フルカラーで表示するには、光の三原色である「赤・緑・青」が必要です。
青色LEDの実用化は研究者や業界の悲願でした。数多くの科学者が挑戦しても約30年間、青色LEDはできなかったのです。「20世紀中の実用化は無理ではないか」とまで言われていました。
有力材料は窒化ガリウムではないかと、研究者の間では早くから知られていました。しかし、窒化ガリウムは融点が2500度と非常に高く、基板上に薄い膜状の結晶として重ねるのが非常に難しかったのです。

窒化ガリウムの結晶


1985年に名古屋大学の赤崎勇と教え子の天野浩は、窒化ガリウムの単結晶を作ることに成功しました。きっかけは、窒化アルミニウムの層をつくる電気炉の調子が悪く、炉の温度が上がらなかった時に窒化アルミニウムの層を作り、そこに炉の温度を上げてガス状の原料を降り積もらせたら、たまたまきれいな窒化ガリウムの結晶ができたのです。
徳島県の日亜化学工業でも、中村修二が窒化ガリウムを材料にした青色LEDの開発に取り組んでいました。結晶薄膜装置を自作し、従来よりも100倍明るく光る高輝度青色LEDを製品化した。

中村氏の自作装置


天野が、窒化ガリウムの高品質結晶作りの技術の発明に成功して基礎を作り、中村は世界で初めて高輝度の青色LEDを発明して実用化しました。


 
『参考資料』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO78142840Y4A001C1000000/

https://www.jst.go.jp/seika/bt47-48.html

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