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【技術史】女神様の内なる悩み

ニューヨークの自由の女神像は、アメリカの独立100周年を記念してフランス国民が贈呈したもので、1886年にリバティー島に作られました。正式名称は「世界を照らす自由」です。鉄製の骨格に、青銅製の外壁をリベット止めする巨大構造物です。
設計に参加したエッフェル(エッフェル塔の設計者)は、異種金属接触腐食作用を考慮し、絶縁性の樹脂を染み込ませたアスベストにより、鉄骨と青銅を接触させない最新鋭の技術を用いました。「きちんと手入れをして面倒を見れば、エジプトの記念碑と同様長く残るだろう」と、エッフェルは書き残しています。
しかし、この時内部鉄骨の塗装が検討されていませんでした。像の内部だから、防食は手抜きになったのかもしれません。後に内部鉄骨にコールタールや、アルミペイント、エナメルなどの塗料が何層にも塗られることとなりました。
自由の女神といえど、金属でできているからには、腐食からは逃れられません。

『参考資料』

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/自由の女神像_(ニューヨーク)

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