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【技術史】車輪の発明

人類が生み出した物の起源をたどると、自然から発想を得ているものが多い。しかし、車輪の発明は違います。これまでに明らかになっている、車輪が最初に使われたのは5000年以上前のメソポタミアで、陶工の仕事を補助する目的で使われていたと考えられています。(現代のろくろ)車輪が輸送手段に使えそうだという、すばらしいアイデアを思いついたのは誰だったのかはわかっていません。


車輪と車軸の発明は至難のわざだったと考えられます。回転する車輪に固定された車軸をつけるには、車軸の両端と、それをはめ込む車輪中心部の穴が、可能な限りなめらかな円形である必要があります。円形でないと摩擦が生じ、車輪が回転しづらくなるからです。また、車軸が太すぎると強い摩擦が生じ、細すぎると荷が支えられなくなるため、最適な太さにしなくてはなりません。
車輪と車軸が実際にどこで生み出されたのかについては、さまざまな議論の対象となっています。その中でも、紀元前3800年頃にウクライナのトリポリエ文化で車輪付きのオモチャが発見されていることから、おそらく実物代の荷車も存在していただろうと考えられています。


『参考資料』
科学技術大辞典 ロバート・スネッデン著

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