漫才 世の流れ

テコリスト漫才#1

世の流れ


二人  はいどうも~。
若杉  いやぁ~新年あけましておめでとうございます。
齋藤  本年もよろしくお願いいたします。
若杉  あ、そうやそうや、ね、初めての方がほとんどだと思いますので、自己紹介をおねがいいたします。
齋藤  俺だけ?
若杉  いうがな。齋藤君の後にはちゃんと啓君も自己紹介させていただきますから。
齋藤  いいんですか?私みたいなのが最初で。
若杉  良いの良いの。ねぇ、初めての現場でね、こいつ誰や?っていう空気をね、全身で受けてもらえれば、君みたいなもんでも役に立てたと思うんだよ。
齋藤  はっはっは不快不快。新年早々に啓君は不快をまき散らすね。
若杉  まき散らすのは飛沫だけにしましょうね。
齋藤  一番いけないやつだ。今の世の中一番まき散らしたらイケないやつだよ。
若杉  ねぇ、昨年から始まりましたこの新生活。皆さんいかがお過ごしですか?我々もね、ちゃんと気を付けて、収録させてもらってます。
齋藤  そうですね。ちゃんと距離をとっております。ソーシャルディスタンスと言うやつですよ。
若杉  150メートルはとっておりますね。
齋藤  取りすぎでしょ!声聞こえづらくなるでしょう。いくら見えないからって嘘はいけません。
若杉  嘘ちゃいますがな。私の言っているのは心の距離の話や。
齋藤  中途半端な距離離れているのね。
若杉  君とは仕事で付き合わないかん関係やんか。ギリギリ顔の見える距離やがな。
齋藤  2021年は不快な空気が漂ってますね。
若杉  そうですね。なんか辛い事あったんですか?
齋藤  お前だな。
若杉  俺か?いや違う。君の心の中に弱い部分があるからや。今の時代そんな事ではこの先、生きていけないぞ。目を覚ませ齋藤!
齋藤  目は冷めてるよ。おはよう!
若杉  今起きたんかい!
齋藤  わけのわからないことを言ってないでね。ちゃんと説明してください。
若杉  なんのですか?
齋藤  感染防止策の説明ですよ。我々がどうやって収録してるかをちゃんと説明しないとね。この二人大丈夫かなぁ?って聞いているお客様が不安になって漫才どころじゃなくなってしまうと思うんだよ。
若杉  やりづらい世の中になってしまいましたよね。安心してください。我々は飛沫が飛ばないようにちゃんとマスクをして、手洗い、うがい、アルコール消毒、多人数での会食、有給を駆使しながら適度な距離を保って収録をさせていただいております。
齋藤  いけないのありましたね。
若杉  そうですか?
齋藤  なぁ、多人数での会食を駆使してってどう言う意味なの?有給はそちらの自由だからふれませんけど
若杉  ちっ!ふれろや。有給もらえるような所で働いてないんやから。
齋藤  それこそ知りませんよ。
若杉  時給200円や。
齋藤  こんな所でしゃべってないで、労務局いけ。
若杉  一緒についてきてよ。
齋藤  今日の情緒不安定すぎるよ。
若杉  なんや細かいところつつきますな。そういうところ嫌いやわぁ。会食の何がいけないんですか?
齋藤  ・・・・ああ、戻ったのか話。あのね、若杉啓くんね。今の世の中ね、4人以上の会食は控えてくださいって言われてるんだよ。
若杉  齋藤優君、それは知ってますがな。でもね、特に強制力はないんよ。
齋藤  わ。それ聞いたことある。
若杉  まぁ、国民の皆様に勘違いさせてしまったかな?
齋藤  その流れはね、一通り終わったんですよ。ちょっと前に。
若杉  何が?
齋藤  元ネタがある奴だよね。それ。
若杉  ネタちゃうがな。国のトップが言った事実やがな。
齋藤  ネタだったらよかったね。一番怖いのは現実かもしれないね。
若杉  そうかもしれへんな。若杉啓です。
齋藤  齋藤優です。
二人  テコリストです。
齋藤  なんで今急に自己紹介始めたの。
若杉  齋藤君、君はのんびりしすぎだと思うんや。
齋藤  お客さんも僕も意味が分からないと思っております。
若杉  世の中のスピードは2020年から格段に上がっているのです。
齋藤  ああ~今日啓君は終始面倒くさいね。
若杉  やめさせてもらいます。
齋藤  えっ!何を?あ、この漫才か・・・ありがとうございました。一人でサクサク帰るのやめなさい。

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