認定 十勝最強のグルメタウン・音更
気温もぐっと下がり、秋の気配を迎えた十勝を離れ、札幌に戻ってきました。
プチ移住の最終回は、帯広に隣接するベッドタウン・音更町のグルメを紹介します。
十勝名物・豚丼の名店と言えば「豚丼のかしわ」。昼のみの営業ですが、開店する11時には席が埋まる人気店です。ここで使われるのは帯広産の「かみこみ豚」。100頭当たり3頭程度しか基準を満たさないという、赤身に脂が差し込んだ貴重なブランド肉がいただけます。
炭火焼きの香ばしさとマッチする甘だれに絡んだお肉は、まるでウナギのよう。テーブルにサンショウが置かれているのもうなずけます。ウナギの産地ではない北海道。「土用の丑(うし)はこれでよいのでは」と思えるおいしさです。
続いて伺ったのが、「ハード系」のパンが人気の「あさねぼうのベッカライ」。ベッカライとはドイツ語でパン屋の意味。あさねぼうではないと思いますが、ベーカリーにしては遅めの午前10時に開店します。
この日、昼過ぎに到着すると、ごま編みパンとイギリスパンが焼き上がったばかり。それぞれ1斤ずつ買い求めました。車に載せると、車内に小麦の香りが広がります。ひと口分を取り分けて食べると、まさに至福の味。「パンは焼きたてに限る」と実感できます。翌日朝にトースターで焼いて食べましたが、パリッとした食感と小麦の香りが格別で、バターもジャムも付けずに堪能しました。
地場産食材を買うなら、木野農協が経営するスーパー「HAPIO(ハピオ)」をおすすめします。生鮮食料品の品ぞろえは、おそらく十勝で一番。少々値は張りますが、間違いないクオリティーの品を買い求めることができます。
土産品として絶大な人気を誇るのが、もっちりとした十勝小麦の生地に地場産チーズをたっぷり入れた「ハピまんチーズ」です。冷凍品を電子レンジで1分少々加熱すると、想像以上に伸びるチーズと、ほんのり甘い皮の相性が絶妙。販売から3年間で累計40万個を売り上げたというのも納得です。
「食」重視の1日を締めくくったのは、十勝産小麦「春よ恋」などを練り上げた麺と、ボリューミーな絶品チャーシューが味わえる「つけめん五春(ごしゅん)」。月曜、火曜のみ夜も営業しており、開店前の17時20分ごろ到着すると、駐車場に車が続々と。あわてて店の前に並び、夜の一番客になりました。
ふつうサイズのつけめん(980円)にも、めんの器を覆うサイズのチャーシューが付いてきますが、150円のサービスチャーシューを追加すると、麺を入れるスペースがないほど、大ぶりのチャーシューが、つけだれに入って出てきました。
合計400グラムはあるかと思われるチャーシューと麺を味わい、最後に〆の割スープを加えて完食すると、おなかが苦しいほど。さすがに毎日は食べられませんが、音更を訪れるたびに足を運びたくなる名店だと思いました。
9月1日夜からは食欲の秋を満喫するイベント「十勝マルシェ」が帯広駅前で開幕します。十勝においしい物は数あれど、お肉にご飯物、パン、ラーメン、チーズまんじゅうと、3食に加え、おやつも満喫できる音更町を最強グルメタウンに認定したいと思います。