見出し画像

相手の話をよく聞くという事①

世の中は自分の話を聞いて欲しい人で溢れています。それは、聞いてくれる人がいないからだと思います。

友達がいない人、というわけではありません。


面白い事があった、嫌なことがあった、そんな話から、何となく具合が悪い、元気が出ない、時々痛む、といった誰に話していいかわからないものも含めてです。

痛みを伴う時には病院に行く人が多いのではないでしょうか。

でも医者は話は聞いてくれません。熱を測り症状を聞きます。それが医者の仕事です。何も間違っていません。


でもそれでは解消されないものが沢山ありました。それは病院で診るものではないからです。


先日、のどの調子が悪い人が私のお店に来ました。喉を治してくれ、と言いに来たのではありません。身体をほぐしにみえたのですが、話のついでに出ただけです。


「三週間も喉の調子が悪くて。癌かもしれないから大きい病院に予約を入れたら二週間待ちなのよ。病院って混んでるのよね。二週間後には治っちゃうかもしれないわ」と怒っています。


長い付き合いのお客さんだったので、私は喉の不調の原因がわかるような気がしました。


その人は常に口呼吸をしています。飴も舐めません。マスクもしません。季節は冬です。うがいもしません。喉を傷める生活をしているように思います。


「鼻の通りが悪いですか?」と聞くと頷きました。


私のお店ではアロマを焚いているのですが、まるで香りに気が付きません。ペパーミントのオイルを少し、鼻の下に塗ってもらいました。


「鼻から空気を吸い込むことで、乾燥した空気を鼻腔で湿らせて喉に下すことができます。鼻の中には鼻毛もあって、そこでフィルターのようにゴミも止めてくれるんですよ。調子の悪い時は、直接外気を喉に当てない方が良いです。喉の調子が悪い時に飴を舐めるのも、口を閉じるためです。マスクも自分の呼気を吸い込むことで湿った空気が喉に入るんですよ。口呼吸を止めて、それらをやってから病院に行った方が良いと思います」

と伝えると、あら、と言って彼女は黙りました。


病院の予約の日まで、口を閉じて鼻で呼吸をし、飴を舐めてマスクをしてみる、という事になりました。

それでも二週間後には予約を入れている病院に行くそうです。

翌週また彼女に会いましたが、マスクもせず、飴も舐めず、口で呼吸をしていました。


病院が混むのもわかる気がしませんか?


私がお伝えした事は整体の手技とはまったく関係の無いものです。でも整体師としては関係があると思っています。


会うたびに何度でも、繰り返し、同じことを伝えています。彼女は話を聞いていないわけではありません。毎回、やってみます、と言います。でもやりません。


整体師って何なんでしょう。


すごく喜びます(≧▽≦)きゃっ