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聴けばもっと紅茶が美味しくなる!?お茶の生産者さんの苦労話とは?byオンラインお茶会

2021年2月24日のオンラインお茶会は、SAMURAI teafarm 牧之原山本園さん(静岡)、お茶の木下園さん(東京)、つしま大石農園さん(長崎)の豪華メンバーによる座談会でした。

作る人と飲む人がつながるオンラインお茶会

今回のテーマは、「静岡、東京、対馬、冬のご当地お茶作りあるある」についてです。事前に視聴者から、生産者さんの苦労話をお聞きしたいというリクエストもあり、興味深いお話がたくさん聞けました。

茶園の冬の作業とは?

山本園の山本さんは春が近づいてくるとそわそわとして、3月10日頃から霜の対策を始めます。防霜ファンの点検作業をしたり根っこに肥料をあげて茶畑の越冬を助けてあげます。

大石農園の大石さんは、茶園を広げる準備をしているところです。ゆずも生産しているので、冬も収穫作業が待っています。

スライドをご用意頂いてたっぷり苦労話を聞かせて頂いたのは東京にある木下園の木下さんです。都営住宅もすぐ近くにある住宅地で茶畑を管理している木下園では、肥料のにおいや茶摘みの音もご近所の迷惑にならないように様々な工夫をされているそうです。

そんな木下園もこの冬はあらたな品種を植えるため、重機をつかって茶畑を掘り起し大規模な整備をしています。古い根を引き抜き、粉砕し、土をならしていく作業を写真を使って丁寧にご紹介頂きました。

隣の茶畑は青くみえる?

お話しを聞かれていた山本さんから、牧之原でも土を掘ると岩にあたり、こんなに水はけがよくて良いのかと思うことがあるという話が始まります。対馬の大石さんも、父が切り開いた茶畑はゆんぼで削るとすぐに岩盤にあたるとおっしゃいます。

山本さんから木下さんに「東京は周りに人口が多くて飲む人もたくさんいるのが羨ましい」と語りかけると、木下さんは「核家族化でお茶の文化が孫に伝わっていないし、周りにスーパーがあって、たくさんのお茶が安くで売られている」といった実情をお話しされます。お互いの生産環境が羨ましくみえても、苦労はひとそれぞれですね。

木下さんは茶畑の広さも限られることから大量に売ることよりも、いろんな種類のお茶を作ってお客様に喜んでもらいたいと語ります。そこからは、今注目している紅茶の品種のトークが始まりました。差別化のいきつくところはやはり品種なのだそうです。

なぜ和紅茶を選ぶのでしょうか?

今回、20名を超える参加者で大盛況となったお茶会ですが、”紅茶は大好きだけどこれまで和紅茶には親しみが無かった”という方も参加されています。実は時々頂く「なぜ和紅茶なのですか?」という質問は、参加者それぞれの回答があってとても面白い会話が広がります。

生産地ごとの違いの面白さは対馬の大石さんから語られました。日本より韓国に近い風土でありミネラルをたくさん含んだ土と海洋性の気候で特徴のある紅茶が作られます。

風土の違いだけではなく、生産方法が変わってきていること、それによってお湯をいれたあとの抽出時間の変化にもつながってきています。

山本さんは、やはりお茶離れしてきている日本人に香りでもっとアプローチをしていきたいとお話しされていました。木下さんも、スリランカなどの外国産の紅茶に近づけるのではなく、その土地ならではの味、香りを生み出せるよう生産者もどんどん変わっていかないといけないと語っていました。

2時間たっぷりお話し頂いたクロストークですが、途中に用意されていたお茶淹れ休憩の10分間も、御三方のさりげない近況トークが面白すぎて、視聴者が席をたてない盛り上がりでした。

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