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中学生にとってパルプ・フィクションはエログロの登竜門だった

不登校だった私が大して腐りもせずグレなかったのは「パルプ・フィクションに出てくる大人たちが怖かったから」ってことがけっこう関わってると思っていて、大人になった今、感謝の気持ちを込めながらAdobe Fireflyとともに思い出をつづります。


中学生の頃の私は、家にあった謎DVDコレクションの中でも「パルプ・フィクション」が1番気になってました。

なぜかっていうと、まず、あらすじを読んでもぜんぜん意味がわからない。(個人的にはブルース・ブラザーズのあらすじくらい説明が難しい)
パッケージ裏にはその意味不明なあらすじと物騒で状況がよくわからないカット達があるし、全体的にデザインは過激。
でも何より、パッケージにいる気だるげな目つきのツヤツヤ黒髪おかっぱ美人(ユマ・サーマン)のパワーがすごかった。

こんなハレンチで怖い映画を昼間から観たら怒られる!と思った中学生の私は、深夜にこっそり観ようと決意。

Adobe Fireflyで生成:劇中でマフィアが楽しそうに話すパリのハンバーガーの話を再現

しかし、決意という強い気持ちを持って観はじめるも、あまりの過激さに耐えきれず中断。
パッケージの黒髪おかっぱ美人が泡を吹いて死にかけてるところでギブアップとなりました。
あれは人生ではじめて、死を身近に感じた瞬間だったと思います。おかしい理由で死にかけると、どんな美人でも恐ろしいものに変化するんだなって…。

ですが、2、3日後めげずにリベンジ→敗北。
黒髪おかっぱ美人が泡を吹いて死にかけたあと、蘇生のために注射器を胸に刺すシーンでヒエーーーーーッ!となって中断。
「なにか」を覚悟した表情で、緊張の滝汗をかきながら注射器を振り下ろすマフィア(ジョン・トラボルタ)…という状況で、また脳が破壊されました。怖すぎ。

Adobe Fireflyで生成:美人とマフィアが行った店で出てくるクソデカバーガーとクソ高いミルクシェイク(見出しにも使った)

ですが、ここで負けては今後の人生に支障が出る。
「過激な映画を観れるようになってこそ1人前である」と思っている中学生は(時間も余ってたので)かんたんには諦めません。

粘って何度かリベンジし、やっと最後まで観ることに成功。けっきょく5回ぐらいかかったと思う。

しかし、成功後も懲りない。
度胸試しの精神で、一時停止しながら通しで観たり、とくべつ怖かったところだけ観たりを繰り返します。
「スムーズに通しで観る」が最終目標になってました。

Adobe Fireflyで生成:劇中に出てくる不健康でおいしそうなパンケーキの再現

中学生の私はこれを深夜、バレないように神経使いながらやってたわけです。
根気あるよな。たしか23時半〜26時あたりがコアタイムでした。
(不登校ゆえに昼間は寝て夜は起き続けるという生活をしていたから出来た所業)

「スムーズに通しで観る」ことができる前に飽きてしまったので、いつの間にか終わっていた深夜の「パルプ・フィクションチャレンジ」…

大人になった今では難なく観れてしまう「パルプ・フィクション」だけど、中学生の私にとっては間違いなくエログロの登竜門と言える作品でした。(言うほどエロはない)

うん。
思い返すと深夜に1人ビクビクと観たあの時間は、紛れもなく素晴らしい時間だった気がします。
「パルプ・フィクション」「深夜に1人でこっそり」、そして「中学生のやわらかい感性」という3つが作用してこそ、成り立つ時間でした。
中学時代唯一の青春と呼んでも大げさではない。真面目に。

不登校の中学生に、青春とスリルをくれた映画。
わざわざ言うまでもないことですが、「パルプ・フィクション」は名作です。


以下言及した作品の予告編やワンシーン。

↓「パルプ・フィクション」予告編

↓「ブルース・ブラザーズ」のワンシーン


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