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短編小説(フィクション)

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2017年10月の記事一覧

大切だと思っていたものをなくして、途方に暮れた先にあったもの

大切だと思っていたものをなくして、途方に暮れた先にあったもの

*この話はフィクションです。

「ごめん。やっぱり、結婚できない……」
直樹は、頭を下げて、テーブルを見ながら、そう言っていた。
一瞬、私は、何が起こったのか、わからなかった。
直樹は、頭を下げたまま、上目遣いで、私の顔を一瞥し、
「本当にごめんなさい」
今度は、テーブルに、頭をつけてそう言った。

直樹と私は同じ年だったけれど、短大卒業の私の方が、会社では先輩だった。
新人で入ってきた直樹の教育

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買う権利を、譲ろうと思ったけど、やーめた!

買う権利を、譲ろうと思ったけど、やーめた!

*この話はフィクションです。

なんで、抽選で当たったのに、朝早く並ばないといけないのよ……。

スマホのアラームを消しながら、思う。
画面に映っている4:30が霞んで見える。
隣では、息子の達也が、軽くいびきをかいている。
あわよくば、夫の大樹に、並んでもらおうと思っていたけど、仕事で帰りが遅くなったようで、布団に入った気配を感じたのが1:00だったから、さすがに頼めなかった。
布団に入ったまま

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