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人はさぁ、懲りられないんだよ

「クリエイターなんて、例えばミュージシャンや画家は勿論、広告代理店などの正社員形態の奴を含めても、今を生きる人間の何パーセントだ?」

「圧倒的少数だろ、そっちの方が。」

「何かをクリエイトしてないのが普通なんだよ。みんな何もクリエイトせずに生きていってってるんだよ。みんなある程度はしたいと思いつつね。」

「社会人になった後に何度もなりたいと言う願望が出てくる…そうするとさ、『こんなに何度も、自分の中の理性が跳ね除けてもそれでも思うなら、これは自分が目指すべき道じゃないか?』と思う人がね…多いよ。」

「でもさぁ………人はね、懲りない…てか、うーん…………人はさぁ、懲りられないんだよ。懲りるのは難しいことなんだよ。」

「俺はね、もうそいつが顔を覗かせたら潰すのを100回はやってると思う。きっとそいつが死に切ることはない。少し経つと蘇るんだ。」

「たまに、大きくてしぶとい奴が来る時もあって。時には、着いていきそうになる。その時は、本当に何かが始まりそうな期待が体に染みていくような気持ちで、潤みかけるよ。このままついていってもいいかなって。でも、待てダメだと。そこで、どうにか、足を止める。そしたら、次に手を振り解いて、潰すんだ。完全に、動かなくなるまで。」

「作りたいものなんてほんの少しだし、そのための手段獲得にだって全然すぐ心折れて手放してるよ。元々趣味嗜好は狭いし薄いし浅いけど、それでも他で充分代替できてるし、この熱は絶対に空腹をかき消すほどの何かはないよ。」

「それを分かっていても、こうなんだよ。だから懲りるのはね、難しいことなんだ。」


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