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10-リンキティンク
{◎あらすじメモは無料です。後ろの個人的な感想が有料となってます}

〜インガ王子と3つの真珠〜
★まず最初に……元々、この話はオズシリーズとは別の物語でした。ボーム氏が1905年頃、執筆したものでオズシリーズ10巻目が作者の映画製作が忙しく、間に合わなかったため、穴埋めとして過去の未発表作にドロシーたちを登場させることでシリーズに加わってます。…なので読んだ印象としては今までのオズシリーズとは雰囲気がちょっとちがっていて(舞台はオズ国の一部ですがノーム国や砂漠で、はなれてるため統治者がバラバラです。そのため侵略戦争が起きてます)オズ国の住人はラストに少し出てくるのみです。あらすじとしては、インガ王子が陽気な「リンキティンク王」と辛口ヤギ「ビルビル」と共に祖国を取り戻す冒険物語となってます。そんなわけで画像も他の話と別の色に変えてます。


■■■オズ国の領土の一部に「ノネスティック海」という海があり、そこには島国が点在する。オズ国との間にノーム国と砂漠を挟んでいる「リンキティンク国」、その北側に美しい真珠が名産の「ピンガリー国」があった。リンキティンクの都「ギルガッド」に住む王様は、真珠を買い上げて、ピンガリーのキティカット王に食糧や豪華な品々を送り、両国は友好的に豊かな貿易をしていた◆ピンガリー国のキティカット王には「インガ王子」という息子がいた。王はある時、次期国王であるインガに国の秘宝である「3つの真珠」の秘密を打ち明ける。それは、はるか昔に人魚の女王から授かったもので、先祖代々受け継がれた真珠は持ち主にそれぞれ魔法(▶ピンクの真珠は守護▶青の真珠は偉大な力▶白の真珠は知恵)を与えるものだった◆リンキティンク、ピンガリーよりも北には「レゴス・コレゴス島」という恐ろしい国がある。ここは「ゴス王」と「コル妃」が夫婦で治めていたが2人は欲深く、お互い別々の島に城を建てて暮らしている。そして世界中から弱い国を侵略しては、住人を奴隷として連れ去り島に閉じ込めて厳しくこき使うのだった…◆キティカット王は自分が幼少の頃から、このレゴス・コレゴス島の侵略に目を光らせていたが、ある時、濃い霧が立ち込めて侵略者たちの船に気づくのが遅れ、ピンガリー国は瞬く間に侵略されてしまうのだった…。王と妃、住民たちは1人残らず連れ去られたが、インガ王子だけは大樹の上に設けた秘密の小屋に隠れて無事だった。またお忍びで、リンキティンク王が話せるヤギ「ビルビル」と共にピンガリー島を訪れていたが、王は井戸に足を滑らせ落ちたため難を逃れた。インガは荒らされつくされた宮殿から父から伝え聞いた3つの真珠を身に着けると両親と島民たちを救うため旅立つ。嵐が去った後、彼らは島を脱出できる立派な船を手に入れたのでリンキティンク王は「自分の国に来て一緒に暮らさないか」と王子に提案するが、船の梶(かじ)は重く、青の真珠を持った王子しか漕ぐことができないのだった。リンキティンク王はインガと共にレゴス・コレゴス島へ行く決心をする◆レゴス島に上陸するとゴス王は「バッザブ隊長」率いる兵たちにインガ王子を捕らえて奴隷にするよう命じる。しかしピンク真珠を持つ王子に指一本触れることができず、怒り狂ったバッザブは弓矢や岩を投げつけるよう命令するが傷一つ負わせられないのだった。王子の魔法に恐れをなして、ゴス王と兵たちは隣のコル妃のコレゴス島へ皆逃げてしまい、インガ王子はレゴス島の奴隷たちを解放する◆リンキティンクとビルビルはインガの秘密を聞きたがったが、王子は真珠の秘密を打ち明けるにはまだ早いと考えて何も話さなかった。しかし翌朝、インガは自分の靴が無くなってることに、がく然とする。夜中に窓辺に来た猫がうるさかったでリンキティンク王が思わず窓の外へ靴を投げたと話す。実は…ピンクと青の真珠がそれぞれ靴のつま先に隠してあって、その真珠の魔法で自分たちは無事だったのだと初めて打ち明ける。リンキティンク王は、仲間うちでそんな大切な隠し事をしなければ良かったのに、と言ったが底抜けに明るい性格でもあったので責めたりはしないのだった◆一方、コレゴス島のコル妃は夫のゴス王の情けない姿に呆れ、自分ならインガ王子を奴隷にできると啖呵を切ったためレゴス島におもむく。インガ王子たちは謁見(えっけん)を申し出たコル妃と慎重に対話するあまり、油断した隙に隠れていた妃の部下たちに囚われてしまいコレゴス島に連れ去られてしまう。ヤギのビルビルだけは口が悪く、レゴス島の奴隷たちにも兵士にも相手にされず、存在を忘れられていたので無事だった。インガたちがいなくなったことで、ゴス王は再びレゴス島の支配者に戻ろうとするが、城の螺旋(らせん)階段の最上階から気性が荒れたビルビルの頭突きを食らってドミノ倒しにされたので逃げ出すのだった◆レゴス島の都と炭鉱を結ぶ道の途中、脇にそれた場所に貧しい炭焼き職人の「ニコボブ」が妻と幼い娘「ゼラ」と暮らしていた。ニコボブは道に捨てられた靴をゼラのお土産に持ち帰る。ゼラは母親とハチミツを集めてコル妃に売る事で生計を立てていた。ある日、ハチミツをコレゴス島に売りに行くためゼラは身支度を整え隣の島へ行く。コル妃の奴隷にされてコレゴス島の城内で働かされるインガとリンキティンク。丁度インガは、自分のなくした「真珠の隠してある靴」を履いて城にやって来たゼラと出会う。彼女と自分の靴を交換し、コル妃にピンガリー島と他の国から連れ去ってきた女性奴隷たちを解放するよう命令する。インガの魔法に恐れをなしてコル妃は隣のレゴス島の夫の元へ逃げる。その際インガの母「ガリー妃」も一緒に連れ去ってしまうのだった…◆片方の島を解放すると、もう一方の島がゴスとコルに支配されるのでインガたちはまず、来た時の船で海からレゴス島にこっそり上陸すると炭鉱の男性奴隷たちを解放する。しかしインガの父「キティカット王」だけはゴス王に連れ去られた後だった…インガ王子はバッザブ隊長からゴス王とコル妃がピンガリー国王夫妻を連れて海へ逃げたと聞かされる。インガ王子はレゴス・コレゴス島の奴隷たちに、ゴス王とコル妃の金銀財宝、家財道具から新しい生活の再建に必要な財産を船に乗せて自分たちの故郷へ帰って良いと指示を出す。ピンガリー島へ家族と共に移住を希望したニコボブを再建監督に任命して島の住人を皆、故郷に返す。バッザブ隊長には兵士たちをお行儀よく大人しくさせておくよう約束させる。インガ王子の魔法にすっかり怯えていた隊長たちは、もう逆らおうとしないのだった◆インガたちは、白の真珠の導きでゴス王とコル妃がノーム国へ向かったことを知り後を追う。ゴス王とコル妃はノーム王「カリコ」(08巻)にインガ王子に見つからないようピンガリー国王夫妻を隠すよう約束させると元の島に帰ってしまうのだった。入れ違いでノーム国にやって来たインガたちにカリコは、ゴス王とコル妃と約束したのでこのまま帰るよう命令する。何千のノーム兵たちを見せつけてもひるまない強情なインガ王子の相手が面倒になったカリコは客としてもてなすふりをして、インガ王子を「3つの罠の洞窟」に閉じ込めて、あきらめさせようとする。また隣国のリンキティンク王が家臣にお忍びで冒険してると知り、王を亡き者にしてリンキティンク国もノーム国の支配下にしてしまおうと企む。しかしリンキティンク王はインガからピンク真珠を借りていたので全く歯がたたないのだった…インガは自身の知恵と勇気と青の真珠の力で「岩の谷」「岩の怪物」「溶岩の部屋」を見事に乗り越え、リンキティンク王がいる部屋に戻って来たのだった。
☆☆☆
◆さて、ここはオズ国…ある時、ドロシーとオズの魔法使いが南の良い魔女グリンダ元で「魔法の本」を読むと、ピンガリー島のインガ王子の冒険を知る。彼らはノーム王カリコのイタズラが少々やり過ぎであると気づき、オズマ姫の魔法のじゅうたんを借りて砂漠を越えてノーム国へ向かう。カリコは1ダースもの鶏卵を持参した(地下の妖精ノームは卵が弱点)ドロシーとオズの魔法使いに怯えながら「友人のゴス王とコル妃との約束を守りたかっただけ…」と言い訳するが彼らの悪徳ぶりもドロシーは全てお見通しなのだった。そして「ゴス王とコル妃は海で嵐にあい2人共死んでしまった」と伝えて(…これは本当かどうかわかりません。ドロシーの作り話かも…)インガたちとピンガリー国王夫妻を解放させたのだった◆また、ヤギのビルビルを見たオズの魔法使いは彼が昔、悪い魔法使いに強力な魔法をかけられた「ボーボー王子」であると見抜き、グリンダが手間をかけて、ようやく元の人間姿の王子に戻したのだった。口の悪さは悪い魔法の影響だったので人間に戻ったボーボー王子は礼儀正しい人なのだった◆オズ国でしばらく療養していたが、故郷に戻りたくなってインガ王子たちは帰国する。島は侵略される前より美しくなっていて、リンキティンク王も永住したいと望む。しかし…しばらくしてリンキティンク王がピンガリー島で生存してる事を聞きつけた家臣たちが王を迎えに来る。リンキティンクは王には戻りたくないと、キティカット王に真珠で家臣たちを追い返すようお願いするが「名誉ある逃げ道はないですよ」と諭され、国に帰るのだった。リンキティンク王はピンガリー島の住民に別れの歌を贈る。ボーボー王子(ヤギのビルビル)は、今まで1度も王の歌をほめたことがなかったが、2人が出会ってから初めてボーボー王子は歌をほめてくれたのだった「王様、今までずっとそうでしたが…歌よりも、そこに込められた気持ちの方がずっとずっと素晴らしいですよ」と…。(おわり)

■■■{◎陽気なリンキティンク王と辛口ヤギのビルビルが、ボケとツッコミ漫才コンビ風で面白いです(あらすじだけだとこの部分は伝わりにくいので本を読んでみてください)

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