#011 『結婚』 娘に贈る99の言葉
もう一度人生をやり直すことがあったら、私は結婚しないと思う。
今の自分に満足しているし、結婚したからこそあなたと出会えたのだから、もう一度結婚したいと思うのが自然なんだろうけれど。
結婚している今に不満があるというより、結婚しない人生を歩んでみたかったという思いがある。
ないものねだりの部分があることも自覚しているが、どちらかというと結婚に対して主体性を持っていなかったことをちょっぴり後悔しているのかもしれない。
私が結婚した頃の世の中は『結婚こそが女の幸せだ。』『子供を産んで家族のために生きる人生』が良しとされ、私も知らず知らずに世間の価値観に染められていた。
結婚しなければ女で生まれた意味がない。
こどもを産まなければ女ではない。
極端に言っているが、そこまで言われたわけでもないのに、女に生まれたことにプレッシャーを感じていた。
いつも女の価値を『結婚しているか?』で値踏みされていて、ショーケースのマネキンになったみたいにいつも周りから女の価値をジャッジされているように思っていた。
自分の結婚に後悔はない。むしろ結婚して良かったと心から思っている。今も私たちなりの結婚生活を送れているから感謝しかない。
でも、その結婚を決めた理由の中に、ちょっとでも「世間に認めてもらうために結婚したい。」「結婚して周りからの声から逃れて安心したい。」みたいな邪心が混ざっていたことに後悔している自分がいるのも事実なのだ。
結婚しなければ得られなかった幸せは確かにある。
でも、結婚したからこそ失ったものも確実にある。
同じように、結婚しなかったからこそ得られる幸せもあるし、失ったものもあるだろう。
一度しかない人生だから両方を同時に経験することはできない。
どっちが良かったなんて一生分からない答えだと思う。
私が後悔しているのは、100%自分の思いで選択した結婚ではなかったという点だ。
でも、よく考えたらそんな後悔いらんかもしれんね。
だって、世間の価値観に染められていた私も、その時代に生まれてきたことも全て今の私を作る要素だったわけだから、全部ひっくるめて私の決断した結婚であることは変わりないんだもんね。
私は結婚して良かった。
だけど、結婚して良かったことしか知らない。
結婚しなくて良かったことを一生知ることはできない。
一生に一度の人生。あなたが選びたい人生を自由に決めて生きてほしい。
何を選んでも良かったことはいっぱいある。
選んだ人生の失ったもの数えるより、得られたものを見続けて生きる人生がいいよね。
誰の期待にも応えなくていい。
世間の価値観に従う必要なんてない。
あなたの人生は全てがあなたのものです。
2023.10.20
ばたち
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