見出し画像

はじめまして。わたしたち、TEAMMATEです。

何かを「つくる」過程で発生する化学反応は、数字ではあらわせない、かけがえのない価値を生みだす。そんなことを信じて、映像制作チームをつくりました。
いっしょにつくるみなさんの、チームメイトになりたいから、わたしたち、TEAMMATEです。

合い言葉は「つくる人が楽しいと、みる人も楽しい」。

人間がなにかをつくる意味

あちこちで映像が流れるこの時代、わたしたちは、少人数のチームで映像をつくってきました。

映像制作をする人の数は、ここ十年くらいでぐんと数が増えたと思います。「動画ってちょうどいい副業だよね」とか「動画って稼げるよ」とか、そんなちょっとうさんくさい宣伝文句も、あちこちできかれるようになりました。
ほぼ同時に、市場では「もっと安く」「もっとはやく」が叫ばれるようになってきました。
たぶん、どの業界も同じだと思います。低コスト化、短納期化。つまりは効率化。

映像制作で「もっと安く」「もっとはやく」をやろうとすると、撮影も、アニメーション制作も、最低限かかる時間を減らすことはとても難しいです。無理に安くしているときは、だれかがツケを引き受けています。役者さん、カメラマン、スタジオ、編集者、だれかが十分なお金をもらわずに、苦しい仕事をしています。

だから、「もっと安く」「もっとはやく」をやらなければいけないとき、最初に減らすのは、必然的にお客さんとのコミュニケーションの回数になってしまいます。やりとりはチャットのみ。修正回数を厳格に定め、事務的な会話で完結させられれば「効率的」というわけです。でも、やりとりに齟齬が生じて、時間をかけてつくったものがひっくり返り、またイチから、ということもありました。時間をかけてつみあげてつくったものを、すべて捨てなければならないこともありました。

でも、映像制作という仕事において、一番大切なのはコミュニケーションです。ヒアリングをして、目的や媒体にたいして、どんな映像がいいのかを提案し、長さやサイズ、雰囲気やストーリーなどを決めていきます。お客様とも、スタッフとも、コミュニケーションが必要です。複数の人がかかわって、ひとつのものをつくっていくのに、手でさわれるものが何もないというのが映像制作です。だからこそ、イメージを丁寧にすりあわせないと、悪い意味で「思ったのとちがう」映像ができあがってしまいます。

そして、たとえ何もかもがうまくいって、すんなりと「効率的に」短期で仕事を終えることができても、いつも不安がありました。ほんとうに、喜んでもらえたのだろうか? つくった映像をみる人たちに、わたしたちの焦燥がつたわってしまってはいないだろうか?

また、今はAIがすさまじい勢いで発展をとげています。AIが脚本を書いた機械音声のPodcastが存在する今、脚本をAIにかかせ、映像をAIにつくらせた映像だって、たぶん数年以内にでてくるでしょう。人間のつくったものと区別がつかなくなるのではないでしょうか。
「もっと安く」「もっとはやく」で、人間に勝ち目はありません。

じゃあ、わたしたちがつくることの意味って一体?

WBC準決勝、村上のセンターオーバー

ある日、WBCの準決勝をみました(余談ですが、TEAMMATEには野球好きが多いです)。

あの日——日本代表の四番打者(このときは五番打者)バッターの村上は誰がどうみても不調でした。打てない試合が続いていた9回裏。1点を追う状況で、大谷、吉田が次々と塁に出て、村上に打順がまわってきたとき、インターネットには「村上を変えろ」という声があふれていました。

だけど栗山監督は村上を変えなかった。
この決定的な場面で村上はサヨナラセンターオーバーを放ち、日本は決勝に進出しました。チームの運命を分けたのは、この一打です。おそらく、選手としての村上の歴史も大きく変えた一打でした。これまで村上と時間を過ごし、それを信じた栗山監督の決断がなければ、この一打はなかった。

それで、ふと思いました。
AIだったら変えたんじゃないだろうか?
データや数字を重視し、効率と、短期の成果だけを求めたら、打たせなかったんじゃないだろうか、と。

効率は大切で、それを利用することも必要です。けれど、それを超えたところにある奇跡みたいなもの、人と人とのやりとりで生まれる再現できないもの——それが、人間の領域だと思いました。そして人間の領域には、たぶん、ものすごい力がある。
発見だとか、思いもよらない可能性だとか、喜びだとか、思い出だとか、そういう、何か言葉にしづらいものが。

ここからチームの方針を決めました。
まず、つくる過程を一緒に楽しんでもらえるようにすること。
WBCで選手達が野球小僧の顔をしていたように、自分たちもめいっぱい楽しむこと。
1回きりではなくて、長くお付き合いができる関係をつくること。
思い入れをもってつくり、つくった映像に思い入れをもってもらえるようにすること。
つくってよかったと思ってもらうために、安さや効率、短期的な成果は求めないことに決めました。

つくるって楽しい!

TEAMMATEのメンバーは、それぞれつくるということが好きで、それを仕事にしています。つくることは楽しいです。子どものころから、ずっと変わらずに楽しいと思います。

学校の文化祭、こうじゃないか、ああじゃないか、と話しながらつくるのが好きでした。
なにがいいのかうんうんうなって、着地点をさがし、できあがったもののことはまだ覚えています。一緒につくった人の顔は、今でもしっかり思い出すことができます。

つくる過程には、発見と、かかわる人との化学反応があります。
効率とはいちばん遠いかもしれないません。でも、コミュニケーションと信頼があれば、少なくとも、一緒につくった人の心に残る何かをつくることができるでしょう。
そして、お客さまは、お客さまではあるけれど、わたしたちと一緒に映像をつくる仲間で、チームメイトであるのです。

だから、つくった人が楽しんでつくったものは、つくった心にのこる映像は、きっと視聴者の心にも残ると思うのです。
今、世の中には、自分が死ぬまでずっと再生し続けても見切れないだけの映像作品があります。サブスクリプションをいくら契約しても、中のものすべてを見ることはできません。世界中の人に、自分たちのつくった映像作品を見せることはできません。
それでもまだ、人が新しい映像をつくるのは、つくるということ、その過程自体がすばらしく、また、つくられた映像が新たなコミュニケーションを生むからだと、わたしは思っています。

一緒につくりあげた達成感を、感じてもらえるような制作をしたい。
ただの「宣材」ではなく、意味のある映像がつくりたい。
関わってくださった方ひとりひとりが、つくった過程を大切に思い、友だちや家族に思わず伝えたくなるようなものをつくりたい。
お祭りに行くような気持ちで、ロケに来てほしい。
新しい映画の公開を待つように、初稿を楽しみに待っていてほしい。

だから、わたしたちの合い言葉は「つくる人が楽しければ、みる人も楽しい」。

TEAMMATE、お見知りおきください。
どうぞよろしくお願いいたします。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?