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鶴岡慧子監督の作品を観よう !

うえだ映画づくり教室の講師をつとめた鶴岡慧子監督の作品を、いくつかピックアップしてご紹介します。すでに鶴岡作品ファンの方も、これを機会に観てみたいという方も、ぜひチェックしてくださいね!


『まく子』(2019)

小さな温泉街の温泉宿「あかつき館」にくらす小学6年生のサトシは、女好きの父親に対する嫌悪感をかかえ、自分の身体と心がだんだんと大人の男性に近づいていくことに戸惑っている。そんなサトシのもとに、どこか不思議な少女、コズエがあらわれ——。
西加奈子さんの同名小説を原作とした長編作品。

舞台となる温泉街の空気、温度や湿度、においを感じる、とても美しい映画です。
小学生、温泉街、お祭り、宇宙人。キーワードだけでわくわくしてきませんか。
サトシを追いかけて進んでいく、サトシだけしか知らない物語に、どこか『スタンドバイミー』のような雰囲気があります。不思議なことは不思議なままに、わからないことはわからないままに進む世界にひきこまれ、(詳しくは書きませんが)夜の川辺のシーンでは、なぜか涙がこみあげてきました。途中にはさまれた砂絵のアニメーションが、「宇宙」とつながっている雰囲気を感じさせてくれて、また素敵なんです。
キャスティングも絶妙でした。サトシ役の山﨑光さんの、ゆれる表情は生々しく、ハッとさせられる瞬間がたくさんあります。草なぎ剛さんの、ひょうひょうとしたダメ父さんっぷりもたまりません。何度も見返したい作品です。

『アンダー・アワー・マスクス』(2020年)

コロナ渦の高校生の青春をきりとった約15分の短篇作品。

YouTubeから視聴できますので、まだ観ていない人は今すぐチェック!脚本は、当時高校生だったキャストの方に、学校生活の様子を聞き取りして書かれたそうです。実際の高校生の生活をのぞきみているような、おもしろさがあります。
コロナ禍がはじまったときの空気って、すさまじかったですよね。現実の自分たちはマスクをつけ、パーテーションにはさまれていても、本や映画やドラマの中には、コロナ前と何ら変わりない風景が広がっていることが多く、「こんな日は二度と来ないのかもしれない」と、物語の世界を羨ましく思ったり、少し距離を感じることさえありました。
そんな中で本作を観て、なにかほっとしたのをおぼえています。わたしたちの日常は続いていて、これは世界のおしまいでもなんでもないのだということが、胸にすとんとおちてきたように感じました。マスクをつかった演出が、とてもチャーミングです。
「パンデミック」を仰々しいテーマとして取り上げるのではなく、現在進行形の日常の中にあるものとして描いた視線に、鶴岡さんが信頼できるつくり手だということを感じます。

『バカ塗りの娘』(2023)

膨大な手間と時間がバカほど惜しみなく注ぎ込まれ、バカほど丈夫であることから、「バカ塗り」と呼ばれる青森の伝統工芸、津軽塗。津軽塗職人の父とくらす不器用な女性が、自身の進む道を見いだしていく——。

公開直後にTEAMMATEメンバーで上田映劇に行き鑑賞したのですが、2023年ベスト映画でした。
要領がわるく、自信や才能にあふれているわけでもなく、自分の意見を言うのも苦手な主人公の美也子が、愚直に作品をつくりつづける姿に心をうたれます。ものをつくること、残していくこと、受け継がれてきたものをつないでいくこと、自分が自分として生きることについて、思いをめぐらせる時間になりました。要領や効率や生産性、そんな単純な物差しではかれない、すばらしいものがあるということ——人間がつないできた、骨太なものづくりのパワーを感じます。
あと、ぜひ音に耳をかたむけてください。チャッチャッチャ、と漆をぬる音がとても心地よいのです。


今回はTEAMMATEメンバーのお気に入りの3作をご紹介しました!

次回のコンテンツもお楽しみに!

文責>TEAMMATE たえ


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