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成人発達理論とは?〜成長につながる問いかけコーチング#79

あなたは大人になってからも成長していますか?

今でこそ、大人になってからも成長できると言う考えは浸透してきましたが、1980年代以前は「大人になったらもう成長はしない」と考えられ、「大人の成長」については長らく疑問視されていました。

大人になってからも本を読んだり自己啓発したり、成長しようとすることは今となっては当たり前です。実際、人は大人になってからも成長し続けるのですが、その考えの一つに「成人発達理論」というものがあります。

成人発達理論は発達心理学の分野の一つで、成人になってからの成長と発達に焦点を当てた心理学です。人間の知識やスキルを司どる知性や意識は成長し続けると捉え、この成長のプロセスとメカニズムを研究しているのが成人発達理論です。

成人発達理論の研究者はたくさんいますが、その中でも世界的に有名な研究者の一人としてロバート・キーガン氏がいます。ハーバード大学の研究者であるロバート・キーガン氏の成人発達理論に関する研究は、多くの方に支持されています。私自身も、ロバート・キーガン氏の提唱するモデルを使って、トレーニングのモデルを作ったりもしています。

成人発達理論についてわかりやすく言うと、人間の成長には「垂直的成長」と「水平的成長」の二つがあります。水平的成長はわかりやすく、人間の技術やスキル、知識の成長のこと。わかりやすいものだと仕事で活かせる営業のスキルやエンジニアリングのスキル、資料作りのスキルなどです。このスキルの質を高め、増やしていくのは水平的横展開とも言い、量的成長と言います。一般的には「あの人優秀だよね」と話すときには、この水平的成長が著しい人のことをさすでしょう。

一方、垂直的成長というのは縦軸で、人間としての器や物事のとらえ方が変わっていくこと。他人との関係性を築くことが上手だったり、なかなか数値として測ることが難しい成長のことを言います。しかし、この垂直的成長に関しても、ロバート・キーガン氏は段階分けし、一つの物差しとして提唱しました。

成人発達理論の考え方は日本ではまだまだそれほど広がっていませんが、日本人で成人発達理論を牽引している研究者と言えば加藤洋平さんでしょう。彼もたくさんの著書を出しているので、ぜひ読んでみてください。

「水平的成長」と「垂直的成長」どちらも大事ではありますが、水平的成長にばかり目が向けられる社会で、垂直的成長である人間としての器を広げていくことも、より重要視してみてはいかがでしょうか。

水平的成長を振り返る機会は仕事をしていてもよくあるでしょう。しかし、意識的に垂直的成長を振り返る機会はなかなかありません。ぜひ定期的に自分の垂直的成長を振り返り、継続して成長することを意識して過ごしてみましょう。

※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。


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