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あなたはいつ計画を変えますか?〜成長につながる問いかけコーチング#97

今日は昨日に引き続き、「計画」がテーマです。

これまでも話したように計画はとても大事です。しかし、状況が変わったとき、あなたはその計画をいつ変更しますか?立てた計画を捨てられますか?今日はこの問いについて考えていきましょう。

万全の計画を立てていたにもかかわらず、これまで準備したことを何もなかったかのようにすることはとても勇気のいることです。
スポーツでは試合に向かって綿密にゲームプランを立てるわけですが、特に集団で展開型のボールゲームでは、よりゲームプランが大事だと言われています。選手もコーチも試合に向けて毎日練習を重ね、準備しているわけですが、そのゲームプランを試合当日に変更するというのは本当に勇気がいります。

ラグビー日本代表元ヘッドコーチのエディ・ジョーンズ氏が徹底的に準備にこだわるという話は以前しましたが、同じようにプランニングの大切さも徹底してコーチに伝えていました。

2015年のワールドカップの際には、大会の1年半ほど前に大会スケジュールが発表になった瞬間から、細かくプランニングをしていました。私はエディに「こんなに早く計画を立てても変更することになるんじゃないですか?」と聞きましたが、「それは当たり前だ。変更はするけれども、まずはベースを作り、そこから少しずつ変えていくのが大事なんだ」と言っていました。

しかし、そのような微調整ならまだしも、立てた計画をまるっきり使えなくなる瞬間というのもスポーツにはあります。

2017年、U20日本代表の遠征にコーチングディレクターとして帯同したときの話です。遠征先は南米ウルグアイ。チームは順調に勝ち進み、決勝まで進みました。ブラジルの隣の国なので、当然常夏をイメージして行ったのですが、なんと50年に一度と言われる大雨! 決勝当日は警報が出るほどの前代未聞の悪天候の中、試合は決行されました。

私も試合を見ていて、これは本当に厳しい試合になるだろうと感じていたんですが、このときの遠藤哲ヘッドコーチの決断は見事でした。ラグビーでは、監督はグラウンドに立てないので試合が始まって20分経った頃、トレーナーや控えの選手を使って指示を出し始めたんですが、ここで「今まで徹底的に準備をしてきたけど、立てていたゲームプランは全て捨てよう」と言ったのです。そもそもこの悪天候の中、今日はラグビーというボールゲームをしたら負けてしまう。今日はラグビーではなく陣取り合戦。観客や相手チーム、自分たちですらつまらない試合になると思うが、とにかく今日はやってきたことを一旦全て捨て、とにかく勝ちだけにこだわれと。そういう指示を出したんですね。

相手チームのポルトガルは大会一の展開型ラグビーで、選手一人ひとりのポテンシャルもスキルも非常に高かったんですが、この遠藤ヘッドコーチの作戦が見事にはまり、ポルトガルは最後自分たちで自滅していき、日本代表チームは勝利することができました。

スポーツは天候や状況によって計画を変える決断が比較的しやすいかもしれません。それに比べ、あなたがキャリアを積んだり仕事を進める上で立てた計画を変更したり捨てる決断は、相当難しく、勇気のいることだと思います。

しかし今はVUCAと言われる先の見えない時代なので、計画にこだわり続けるのではなく、捨てるという発想も一つの選択肢として持っていて欲しいと思います。

あなたはいつ計画を変えますか?計画を捨てることはできますか?ぜひ、この問いを考えながら一日を過ごしてみてください。

※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。


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