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他者の自己肯定感を上げるには?〜成長につながる問いかけコーチング#113

あなたの自己肯定感はどれくらい高いですか?低いですか?また、自己肯定感を高めることはできますか?この問いにドキッとする方もいるかもしれません。今日はあえて「自分の」ではなく「他者の」自己肯定感を上げるためにはどうしたらいいかについて考えていきましょう。

先日、ウィニングカルチャーラボで樋口耕太郎さんと対談をしました。

樋口さんは沖縄の貧困問題を取り上げた『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』の著者であり、私もぜひ一度お話を伺いたいと思っていたところ実現した対談でした。

樋口さんの話は迫力満点で、言葉一つひとつに込められた熱量がとても高かったです。これはすべての言葉に含まれるメッセージが、ご自身の体験に基づくもので、どこかから借りてきたような言葉ではないからでしょう。

現在は沖縄大学で教員をされている樋口さんですが、かつては金融業界や不動産業界でもご活躍されていました。本人曰く今のご自身のキャリアはまったく想像もしていなかったようですが、すべてがセレンディピティで、偶然の出会いにより築かれたものだと話されています。

そんな彼が今興味を持って研究されているのが沖縄の貧困問題なのですが、貧困問題そのものというよりは、掘り下げていくと、その背景には「自己肯定感の低さ」があるというのです。

そもそも沖縄の人に限らず、日本人は自己肯定感が低いと言われています。それはおそらく本人の問題だけではなく、樋口さんはその環境にも理由があるといいます。そうした、他者の持つ低い自己肯定感に対して、自分に何ができるかを考えたとき「相手の関心ごとに関心を寄せる」ことが大事であるというのが樋口さんの考えです。

普通に考えると「相手に関心を寄せる」ことは大事なことだとわかります。しかし、その人自体に関心を持って傾聴するだけではなく、本当に大事なのは「相手の関心ごとに関心を寄せる」ことだというのです。この考えには私も非常に納得しました。私もコーチングや学習理論を学んでいますが、これに似た考えはよく出てきます。

学習者が指導者から学ぶとき、指導者の知識や能力、肩書きが学習者に影響を及ぼすのではなく、大切なのは学習者が何を求め、何に困っているのか、学習者の世界観に興味を示すことである。このスタンスが、指導者にとっては一番大事だと言われています。樋口さんのいう「相手の関心ごとに関心を寄せる」は全く同じことですよね。

樋口さんは「小さな小石」と表現していましたが、靴の中に入り込んだ小さな小石のように日常で感じる些細なつまずきや不便さ。一つひとつは小さなものでも、それがずっと続くと不快感を感じるように、その小石が何なのかにしっかりと耳を傾け、それを取り除いていくことが大切だと話していました。

他者の自己肯定感を高めるためにできること。色々なアイデアがあるかと思いますが、樋口さんの話を聞き、まずは目の前にいる相手が何を考え、何に興味を持っているかに寄り添っていくことが、誰でもでき、かつ最もパワフルなことなのではないかと考えました。ぜひ今日は意識的に他者の靴の中にある小石を探り当てて取り除いてあげましょう。

※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。



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