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適切な目標共有の方法とは?〜成長につながる問いかけコーチング#48

目で見る、アウトプットする

今週は目標シリーズということで、今日は目標に関する3つの要素の中から、「目標共有」についてお話ししたいと思います。

ここでいう目標は、個人の目標ではなく、集団での目標を意味します。
基本的に、掲げた目標は共有した方がいいというのが前提なんですが、個人の目標の場合、共有しない方がいいケースもあります。

例えば、人は目標を語ったとき、つい目標を達成したかのような錯覚に陥ることがあるのです。素敵な目標を掲げ、周りから「その目標いいね!」と言われると、なんだか充実感に溢れ、まだ目標を達成してもいないのに達成したかのような気分になることがあります。

子供の頃、「僕の夢はこうなんだ」と語り、周りの大人たちから「すごい目標だね!」と褒められると、ついつい褒められたいがために素敵な目標を掲げては、達成せずにある種の満足感だけを得て、実行せずに終わってしまうというケースもあります。これは特殊な例ですが、こういったケースもありますので、個人の目標においては人に言わずに、自分の内に秘めて頑張るというのもある意味必要かもしれません。

組織のマネジメントという観点で見たときは、目標はしっかりと共有した方がいいです。例えば、スポーツチームでいうと「ベスト8目指すぞ!」「こんな戦い方をして、この方法で勝とう!」という目標。企業であれば「売上年間100億円!」「そのために今シーズンはこんな戦略で行こう!」というような目標。これは当然ながらメンバーに共有した方がスムーズに進みます。

最近では目標を持たないとか、ティール組織のような組織もありますが、それはちょっと一旦横に置いておいてください。いわゆる一般的な組織で、達成したい指標があることを前提に話します。
そういった場合、共通認識としての目標が共有されていた方が、チームの足並みが揃い、効率よく進むことができます。

しかし、落とし穴もあります。目標を掲げっぱなしで、全くモニタリングをしていないケース。営業部門の数値目標など、わかりやすく日々の進捗を確認しやすいものはモニタリングが容易ですが、定量化されていない、数字で表せない定性的な目標を掲げた組織の場合は、何度も意識的に見返す必要があります。この見返す行為も共有の要素の一つです。

意識的に見返すために、科学的にも良しとされているのは、物理的に「見える」状態にすることです。例えば目標を紙に書いて壁に貼ったり、オフィスであれば大きくみんなから見える位置に貼っておく。最近ではオフィスに行かないことも多いと思いますが、その場合はデスクトップの画面にしておくとか、スマホの待ち受け画面にするとか。

目標に限らず、スローガンやビジョン、ミッションなどを掲げている企業もたくさんあるでしょう。そういったものも、いつも見えるようにしておくのが良いです。だいたい、人は9割以上の情報を目から取り入れていると言われています。なので、常に見える状態にする共有の仕方は、合理的です。

また、人間の記憶の仕組みでは、インプットよりアウトプットの方が定着すると言われています。なので、目に見える状態にすることに加えて、その目標に携わるメンバーにアウトプットする機会も設けてみましょう。
「目標はなんだっけ?」と問いかけてみるとか、目標に関するプレゼンの機会をつくるなどが良いですね。「目標はこうだよね」と聞かれて「うん」と答えるのと、自ら「目標はこれです」と言うのとでは、大きな違いがあります。本当に腹落ちし、理解しているか確認しあうためにもアウトプットは良い方法でしょう。

一方通行で共有していても、実は共有したつもりになっているだけかもしれません。双方向のやりとりの中で共有できているか確認することが最も重要かと思います。

さて、あなたの組織の目標はしっかり双方向で共有されていますか?
ぜひお互いアウトプットしながら、確認してみましょう。

※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。

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