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英国 雇用統計

英国の労働者不足は悪化の一途を辿っており、長期の疾病と国内移民の減少により、短期的に改善する可能性は低いと言えます。
このことは、今週、BOEのタカ派委員にさらなる弾みをつけることになりますが、MPC全体としては50bpの引き上げよりも25bpの引き上げを支持するのではないかと想定されます。

英国の失業率は、4月までの3ヵ月間に上昇し、1年以上にわたって繰り返されてきた低下傾向に逆行する結果となりました。
しかし、全体としてみれば、この数ヶ月間と基本的に同じで、失業率は3.8%と今回は上昇しましたが、それでもパンデミック前より低い水準に留まっていますが、総雇用者数は今年に入って減少幅が縮小していますが、依然として減少傾向であり、求職活動をしていない、雇用も積極的にも求めていない人々の数は、同様の量だけ増加しています。
しかし、昨年後半に見られた欠員数の急激な増加は横ばいになりつつあり、労働者不足は、もはやかなり悪化しているとは言えないと判断できるレベルになりつつあるかもしれません。

とはいえ、長期疾病率が労働参加率低下の大きなな理由であることに変わりはなく、この傾向の根本的な原因は完全には解明されていませんが、完全に新型コロナが原因と言う訳でもなさそうです。
EUからの移民の減少も労働力調達の問題を悪化させており、これもまたすぐに変わりそうもない傾向です。

長期にわたる病気は、パンデミックを通じて活動レベルを押し上げた
(水色のゾーン)

このような人手不足が少なくとも特定のセクターで続くと仮定すれば、今年後半に経済需要が大幅に減速しても、状況が好転したときの再雇用を懸念して、企業はできる限り人員を確保しようとする強い動機になります。
しかし、人件費で利益が圧迫されているため、需要が減速する時期には、従業員数を減少するのではなく、個々の労働時間を短縮する可能性が強いと思われます。

これらのことは、BOEのタカ派が今週の50bpの利上げを主張し続ける材料となり、世界の中央銀行の多くがより積極的な利上げを検討しており、主導権がタカ派にあるのは間違いありません。

しかし、5月に発表されたBOEの予測では、当時の市場金利の予想に基づき、インフレ率は2024年に目標を下回るとされていました。
これは、政策立案者が投資家の期待を織り込みすぎていると考えていることを示す微妙な表現です。50bpの引き上げは火に油を注ぐことになるため、MPC全体としては今週も 25bp の引き上げに賛成するのではないかと予想しますが、5月のケースと同様に、少なくとも3人の委員がより早い引き上げに投票し、票が割れる可能性があります。

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