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豪 RBA25bpの利上げを決定

昨日の動き

豪 RBA 25bpの利上げを決定

オーストラリア準備銀行(RBA)はコンセンサスの範囲内で25bpの利上げを実施し、キャッシュレート目標を0.35%に引上げました。

RBAは2020年3月にキャッシュレート目標を10bpに引き下げて以来初の政策金利変更となる、25bpの利上げを実施しました。コンセンサスは15bpの利上げで0.25%となるか、あるいは40bpの利上げで0.5%になるのではと想定されていました。
為替決済(ES)金利も25bp引き上げられ、0.25%となりました。RBAは、流動性がまだ十分であることから、現金収支目標とES金利の差を縮め、オーバーナイトキャッシュレートを目標に近づけようとするのではないかと考えられていましたが、これは将来的なオプションになりそうです。

発表された声明文では、「経済は回復力があることが証明され、インフレは予想よりも早く、より高い水準に回復した」と述べ、利上げ決定を正当化し、また、「賃金の伸びが持ち直している証拠もある」というコメントにて、5月18日の賃金物価指数での賃金上昇率が3%超に向かう可能性が示唆さされています。

豪ドル/米ドル相場は、この決定を受けてやや押し上げられ、0.7085付近から0.7148のピークまで上昇した後、0.7090付近まで下降しており、上昇幅は小さいものの、金利決定における若干のアップサイドサプライズと整合的な動きとなりました。

RBA声明の主な内容

今が異例の支援を解除する適切な時期だ
金融情勢の正常化を開始することが適切だ
インフレ率は予想より著しく加速している
今後数年でバランスシートの著しい縮小を見込む
コロナ禍の下で購入した国債を売却する計画はない
満期迎えた国債の償還金を再投資する計画ない

豪中銀総裁の会見での主な発言

40bpの利上げを含む選択肢も検討した
キャッシュレート水準は年末までに1.5-1.75%と予想される
豪州の総選挙はきょうの決定に全く影響を与えていない
政策委は事前に決めた軌道には乗っていない
バランスシート縮小が金融情勢の引き締めに寄与する
労働コストの強い上昇圧力は今後も続く可能性高い

今後については、RBAが利上げサイクル継続を確約を示唆しており、RBAはヘッドラインインフレとコアインフレの両方について、2024年半ばでもインフレ率はRBAのインフレ率ターゲットの最上位にあると予想しています。
金融政策にはタイムラグがあるため、必ずしもそれまで金利が上昇することを意味するものではありませんが、それ以前に金利が引き下げられることはないことを示唆しています。

一見したところ、RBAはFRBのような前倒し利上げサイクルではなく、緩やかながらも着実な金融政策の強化に取り組んでいるように感じられます。しかし、近年のRBAのガイダンスが誤解を招きやすいものであったことを考えると、将来の金利パスについて確固たる見解を示すには時期尚早かもしれません。

米国 求人件数、3月は予想外に増加し過去最高

3月の米求人件数は過去最高を記録し、自発的離職者も過去最高を更新し、労働市場が一段と引き締まり、賃金が引き続き急速に押し上げられることを示唆しています。

米求人件数は20.5万件増の1154.9万件となり市場予測を上回り、前月は1134.4万件(速報値1126.6万件)に上方修正されています。
自発的離職者は450万人と、データが残る2000年以降で最高を記録しています。自発的離職者の全雇用者に占める割合を示す離職率はわずかに上昇し3%となりました。
企業が物品・サービスの強い需要に対応するために労働者を引き続き強く必要としていることを、求人件数は示唆しており、要件を満たす労働者の確保に企業はなお苦慮しており、賃金の上昇圧力と求人の増加につながっています。
3月は失業者1人に対し求人件数が1.9件と、2月から増加し、パウエルFRB議長はこの統計を、労働市場の引き締まり状況を示唆する数値だと指摘しています。

今日の予定

今日は、米国でFOMC終了後に政策金利が発表されます。
政策金利を50bp引き上げることは、既に市場は織り込み済みであり、より積極的な75bpの利上げの可能性は低いと思われます。
75bp利上げについては、現時点ではSt.ルイス連銀ブラード総裁のみで他の支持者もおらず、タカ派のクリープランド連銀メスター総裁も「現時点ではそこまでする必要はない」との認識を示しています。
ただし、6月、7月のFOMCに向けて75bpの利上げに前向きな姿勢を示す可能性もあり、この場合はタカ派サプライズとなります。
仮に、50bpの利上げを決定した場合、デフォルトの25bpに戻す理由とタイミングが次のポイントになります。
インフレ抑止優先スタイルに変化が生じるタイミングとなり、金融市場の潮目が大きく変化することが想定されます。
また、3月の議事録で、FRBは最大950億ドル相当の債券と住宅ローン担保証券(MBS)を償還させ、その資金を再投資しない方針であることが明らかになっています。
何れにしても、利上げもQTも織り込み済みであり、ドルの方向性はFRBが将来について何を示唆するかによって決まり、何をするかはあまり関係ないことになります。

それでは今日もよろしくお願いします。

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