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「いくら両替すればいいの?」よくある質問

悩む旅行のお金事情と、気をつけたいポイント。


「いくら両替すればいいの?」定番のご質問

旅行前に添乗員がご挨拶としてお電話をすると、必ずと言っていいほど聞かれる質問の一つが両替です。
しかも、多くが「いくらですか?」とざっくりとご質問される。

これ、本当に困った質問なので正直聞いてほしくないし、答えたくないのです。

確かに海外旅行に行くとなると、現地でその国の通貨を使わなければならないので両替をしたいですよね。
しかも、今(2024年)は円安なのであまり余計な両替はしたくないというのが本音。再両替(日本に戻ってから外貨を日本円に戻すこと)すれば、驚くほど安くてがっかりしてしまう。だったらお土産でも買えば良かったと、後悔先に立たず。
となると、最小限、そして困らない程度に両替をしたいという気持ち、よーくわかります。

逆に聞かせて「普段いくら使ってますか?」

「いくらですか?」と聞かれて、ざっくりと最低でもこれくらいは準備してねという額をご案内すると、帰国前に「全然足りなかったです。どうすればいいですか?」と泣きつかれる。
なので、少しだけ多めにご案内すると「こんなに余ってしまったわよ。再両替、勿体無いじゃない!」と叱られる。

毎回のように、これの繰り返しです。
なので答えたくない質問なのです。

旅行前のご挨拶でお電話をする時、お客様が私のことを知らぬように、私もお客様がどのような方なのか、一切知りません。
ましてや、今のご時世、旅行会社も「個人情報保護」にはとても厳しい。
今現在、私が添乗する旅行会社も個人情報においてはかなり厳しくて、担当するグループのお客様の情報はパスポート情報と最低限の連絡先しかない。
年齢はパスポート情報から掴めるとしても、そのお客様の経済状況や生活状況などはヒントさえも無い。

とてもお金持ちで毎月のように海外旅行に行かれている方もいれば、必死にお小遣いを貯めて生まれて初めてツアーに参加される学生さん、年金をやりくりして参加されるシニアのお客様もいる。
そして、それぞれに普段から「お金の使い方」には違いがあるのだ。

せっかく海外旅行に出たのだからと、思い出になるお土産を買い求める方もいれば、海外に来たからと言って贅沢や無駄遣いは好まないとおっしゃる方も。

エコノミークラスで渡航されても、現地ではたっぷりお買い物やグルメを楽しまれるお客様もいれば、ビジネスクラスで渡航されるけれど一切のオプショナルツアーも外食も好まれず、日本から持参されたカップ麺を召し上がるお客様だっていらっしゃる。
本当に100人のお客様、それぞれがご自身の感覚で旅をなさる。
お金に対する感覚も様々だ。

なので、いつも出発前のお金に関わる質問の時には「お客様、普段のお金をいくら使ってますか?」と聞いてからお返事したくなるわけです。
せめて「私、普段から無駄遣いするタチなんですが、いくらくらい持っていくと良いですか?」とか「今回、予算ギリギリで参加なんです。余計なお金使いたくないのですが、いくら両替したら良いですか?」と質問してくださればと思うのです。

グループツアーで最低限必要となる現金は?

海外旅行へ持っていくお金とひとくくりに言っても、旅行の形態によって持っていくべきキャッシュやカードなどが違ってきます。
もちろん滞在日数や渡航先の経済状況によっても様々。

今回は私が普段添乗するグループツアー(添乗員付きの旅行会社募集型団体旅行)でヨーロッパへ10日ほど行くという前提で考えてみます。

ヨーロッパの場合、大体のお店やレストランではクレジットカードの利用ができます。よほど怪しいお店や露店、市場のようなところでなければカード決済が手軽で良いでしょう。

また、グループツアーにおいてはメジャーな観光スポットの入場料などは既にツアー代金に含まれていたりしますので、アクティビティに使うお金はフリータイム(自由行動)の時に必要になる程度。
もしお申し込みになったツアーがフリータイムの設定されていない、全体的にガイドさんや添乗員と同行するようなスケジュールのものならば、ほとんど入場料などは必要ないと思います。

フリータイムでは、それぞれどれくらいの時間か、2〜3時間のお散歩程度のものなのか、まる1日自由行動なのかなのでプランも変わってきますし、使うお金は目的によっていろいろなので今回は計算に入れずにおきますね。

ツアーでお食事が含まれている場合、お食事代は要りませんが、ドリンク代については別料金になっているレストランが多いと思われます。
ここでまずドリンク代というものが発生します。
レストランのランクや、お飲みになりたいドリンクがアルコールかソフトドリンクか、1杯なのか2杯飲みたいかにもよりますが、中には飲み物は不要とおっしゃる方も。
毎回ワインを召し上がりたい方と、ミネラルウォーターで十分という方、ここで使うお金がまず変わってきます。

他には、ヨーロッパでは宿泊税や都市税といったものが現地で必要になる国や都市もありますので現金で支払う準備が必要です。
また、チップが必要になるケースもあります。
例えばイタリアのベネツィアのゴンドラでは1〜2ユーロくらいのチップが必要(ツアーによっては旅行会社が支払うことも)だったりします。
トイレもチップが必要ですから、割と頻繁にトイレを利用される方は多めに準備をしなければなりません。
街中でトイレに行きたいとなった時、海外では日本のように公衆トイレがあちこちにあるわけではないので、レストランやカフェに入ってトイレを使わせてもらうという形になることも多いです。
その場合はコーヒー1杯くらいはオーダーしないとならないので、その分のお金も必要です。コーヒー1杯をカードで支払えるかどうかはカフェにもよるので、切羽詰まってトイレ探しをして、カフェに入ったはいいけどキャッシュがなくて…なんて恐怖は味わいたくないですよね。

具体的に何ユーロか、という計算はできませんが(都市税や物価も変動するので)おおよそで計算してみてください。
そして、今は為替レートがとても悪く、さらには物価高であることも考えてみてくださいね。

両替のコツとは?気をつけたいポイント。

私たちプロの添乗員であっても両替は毎回悩みます。
日々為替レートを見ては、ため息をつくような日々。
やはり、1番大切なのは無駄に両替をしないということがポイントになるのですが、少額すぎて不足した場合、現地での両替が必要となってしまいます。

現地での両替はリスクが多い上に、トラブルに巻き込まれやすいです。
ちょこちょことあちこちで両替を少しずつするとレートが悪くなると損をしますし、何よりも手数料が嵩むことも。

グループツアーのようにフリータイムが少ない旅程の場合、その短い時間の中で両替所を探して、列に並んで、、、、せっかくの自由時間が両替のためになくなってしまいます。

また、両替所に行くということはそこで現金を受渡しているという行為が丸わかりなのでスリやひったくりのターゲットになりやすいのです。
両替したお金を入れた財布をどのポケットに入れたのか、どのバッグに入れたのか、誰がどこでみているかわかりません。

そんな理由で両替はできることなら、安心の国、日本の空港内で一発で済ませるのが理想とも言えます。

それでも「もしかして現地で足りなくなるかも…」と不安な方は千円札を多めに持っていくことをお勧めします。
海外で両替するときに、日本のコインは使えませんし、また高額紙幣の場合、お釣りを日本円でもらえる可能性はとても低いです。
不足している2〜3千円分を両替したかったのに、持っていたのが一万円札で結局全て両替した上で残ってしまった、、、なんていうことはよくあります。
また、逆に日本に戻って再両替(日本円へ外貨を両替すること)をしようとしたら、コインばかりで両替してもらえなかった(両替所は紙幣しか受け取ってくれません)ということも。
特にユーロは紙幣は5ユーロからになりますので、それ以下の場合は使い切るようにしないとなりません。
(2〜3ユーロ余ってしまった、コインばかり残ってしまったという場合、どうしたら良いかという話はまた違う機会に、、、)

最終的には、ほんの少し余るくらいの感覚で両替をするのがベターだと考えます。
現地でキャッシュが足りずに欲しいものも買えず、心細く過ごすくらいでしたらちょっとくらい多めの方が私は安心して旅を楽しめるように思います。
何事も、時間もお金も余裕を持つことが旅を楽しめるコツの一つであると言えます。

まとめ

  • 添乗員に「いくらくらい両替が必要か?」と質問したい場合は、できるだけ具体的に普段どんなお金の使い方をしている人なのか、旅先ではどういうお金の使い方を考えているかを含ませて質問しましょう。

  • 添乗員から「おおよそ最低でもこれくらいは…」という提示があった場合、それは「必要最低限」であると認識しましょう。
    飲み物をオーダーしたかったり、トイレに頻繁に行きたかったり、買い食いしたかったりという方は、多め多めに、、、

  • 両替は出国前に1回で済ませるように心がける。

  • 両替はほんの少し多めかな?と思う額を。

  • 不足分を現地で両替したい時のために千円札を多めに持参する。

  • 外貨コインは極力使い切ってから帰国する。

  • 海外での追加両替は時間とお金の無駄であり、危険にさらされる可能性が高いことを認識しておく。


今回は海外旅行でのお金事情、両替についてシェアしてみました。
参考になれば幸いです。
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