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【140字小説】母の願い

雲を見ながら晴翔が言う。
「ママ、お空にクジラが浮いてるよ。あ、あっちはドーナツだ!」
我が子の無邪気な様子が微笑ましくて私は幸せな気持ちになる。ずっとこのまま健やかに育って欲しい。
クジラ雲の手前に浮かぶ首なし女や、ドーナツの方向の樹上にいる異形なんて、どうかずっと見えないままで_。

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