I-
数多に分かれた記憶を観た。
ワタシにしみこんだ感情を見た。
痛みがしみるほど流れ込んでくる。
悲しみに霞むほど見えてくる。
怒りに満ちるほど歪んでくる。
喜びに染まるほど咲いてくる。
これが、この場の生物の路か。
ワタシは小さなカタチを得てそれらを理解した。
全てが同一でないからこそ、
生まれ広がり紡がれるその濃いモノに。
ワタシは強く浸りたかった。
そう思ってしまう程に楽しいモノをみた。
なればこそ、ワタシは――――こちら側に立つ。
彼らにしてみれば幻想の私でも、
彼らの現実を守ることは出来るハズだ。
そう思って、はるか上空のその先を――睨む。
同胞だったモノ達に、
この尊いモノを好きにさせてなるものかと。
そう強くムネに灯して。
「いいものだなあ――この世界って。
どれだけ観ても楽しくて、
どれだけ愛してもまだまだ尽きない。」
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